プロとしての活動期間が長くなり、所謂ベテランと言われるような年齢になりました。
頭の中だけは、高校生くらいからそう変わりませんが(ただ単に若ぶっているだけ)、知らず知らずの内に体の衰えはあるのだと思います。(大きく思い当たることは今のところありません)。
普段の個人練習の時間に、自分の気持ちを入れすぎて(興奮して)フルスイングで練習する事は無くなりました。それは、老化したからではなく、そのやり方が、意味がないのに気づいたからです。
音を外した状態で、音をこねくり回すような練習は時間の無駄、それでいて更に気持ちを入れて弾いていても、間違いを習慣づけているだけで、むしろ下手くそになっていく気がするのです。
あくまでも冷静に、出ている音を客観的に聞きながら(自分から若干遠くから聞くような感覚で)淡々と練習するのが効果的だと、私は思うのです。
ゆっくり、そしてそれなりに小さめの音で(響は必要です)間違いの無いように、何度も練習して行く方が良いのです。
FF(フォルテッシモ)を楽譜に見つけてもフルスイングはしません。大きい音をただ出すだけの間に他の何かを見失う恐れがあるのです。
こんな私にもヴィオラやヴァイオリンを教えた弟子達が、過去に30人くらいはいました。
自分のことは棚に上げて、弟子達が上手くなって欲しいという気持ちから厳しい要求もしてきました。怒ったりは絶対にしませんが。
自分が弟子達に投げかけてきた言葉を、今だから自分に投げかけるとセルフレッスンになります。
練習の仕方、演奏の仕方、本番の望み方、自分に今一度言葉を投げかけてみましょう。