DUの新宿ジャズ館がレイアウト変更して、2Fがピアノもの専用フロア、3Fがその他楽器になったとのことで、どれどれ、と見に行きました。
といっても、別に何がどうということもないのですが、ただ、これはピアノものに興味のない私にはとても好ましい配置でした。
これで効率よく自分好みの新着中古を探せますので、大歓迎です。
それにしても、如何にピアノの音盤が乱発されているか、ということなんでしょう。 そして、如何に人気があるか、ということでもあるんでしょう。
これだけの量の中から自分の好みに合うものを探していくなんて、私には気の遠くなるような作業です。 ピアノファンは蒐集が大変なんだなあ、と
素直に驚嘆してしまいます。
ついでに3Fで新着を見てみました。 ほぼ1カ月ぶりくらいでしょうか。
■ Twobones / Ballads for Bluehorns ( TCB Records 21102 )
2トロンボーンのクインテットで、ポール・ハーグが味のあるヘタウマな唄も歌います。 録音が抜群に良くて、これは嬉しい。
演奏も全編バラードで、短めの楽曲がたくさん並び、とても聴き応えがあります。
トロンボーンのソロ楽器としての弱点を補うための2ボーン編成というのはある意味逆転の発想で、渋味のある深いサウンドを創り出しています。
Jay Jay & Kai のユニットとは全く違うコンセプトのユニットで、重奏感を大事にする演奏がとても心地よい。 これは名盤です。
■ Shirley Scott / Oasis ( Muse Records MCD 5388 )
1989年にニュージャージーのスタジオでチャールズ・デイヴィスやヴァージル・ジョーンズを加えたクインテット録音。 これも、録音が素晴らしい。
あまりにシブいメンツにマニア心が揺さぶられますが、1曲目の "Oasis" がまるでハードボイルドな刑事映画の主題曲のようなカッコよさで
もうこれだけでメロメロになります。 この1曲で名盤の殿堂入り確定です。
シャーリー・スコットのオルガンはいつも通りの繊細さです。 この人の弾くフレーズは元々少し抽象的なところがあるのですが、ここでは
落ち着いたプレイに終始しています。 全体に漂う淡くすっきりとしたブルース感も素晴らしく、私にはどストライクな内容でした。
ここ最近買った中古では一番うれしい内容だったかもしれません。
■ Cedar Walton, Ron Carter, Jack DeJohnette ( Limetree MCD 0021 )
奇跡の再発、と派手に広告されていましたが、別にそこまでしなくても買いますよ、もちろん。 シダー・ウォルトン、好きですから。
3人のオリジナル曲を軸にした選曲のとても地味なアルバムで、特に録音がいいわけではなく、特に楽曲に魅力があるわけでもなく、
スリルに満ちた演奏というわけでもなく、素晴らしいバラードがあるということもなく、全体的に一本調子で抑揚に欠けるこの演奏の
一体どこを褒めればいいんですか? とあなたは言うかもしれません。 確かに、私も最初に通して聴いた時はそう思いました。
なのに、今週の月曜から金曜までの毎日、仕事から帰る時はなぜかこればかり聴いていました。 しばらくはそういう日々が続きそうな気がします。
好きなアーティストの演奏というのは、そういうものなのかもしれません。
■ Peter Brotzmann / Balls ( FMP/atavistic UMS/ALP233CD )
"For Adolphe Sax" や "Machinegun" と比べると、かなり落ち着いた演奏です。 まあ、あくまでもそれらと比べると、ですが。
静音部が多く、演奏にも大きく緩急がつけられていて、それまでの楽器の咆哮だけですべてを埋め尽くそうとする演奏ではなくなってきています。
ヴァン・ホーヴがピアノの弦をまるで琴やハープのようにつま弾く中、ハン・ベニンクのシンバルのざわめきがブリッジとなって、ブロッツマンが
激しく短いセンテンスを吹き繋ぐ。 あきらかにトータルサウンドを意識した作りになっています。
でも、不思議なことに、この前後の時期のブロッツマンのアルバムには時間の風化に耐えることができた本物感があります。
ただのフリージャズではない、何かがあるように思えます。
やはり、少し間を置いたのは正解でした。 この4枚はどれも珠玉の内容で、充実した買い物だったと思います。
といっても、別に何がどうということもないのですが、ただ、これはピアノものに興味のない私にはとても好ましい配置でした。
これで効率よく自分好みの新着中古を探せますので、大歓迎です。
それにしても、如何にピアノの音盤が乱発されているか、ということなんでしょう。 そして、如何に人気があるか、ということでもあるんでしょう。
これだけの量の中から自分の好みに合うものを探していくなんて、私には気の遠くなるような作業です。 ピアノファンは蒐集が大変なんだなあ、と
素直に驚嘆してしまいます。
ついでに3Fで新着を見てみました。 ほぼ1カ月ぶりくらいでしょうか。
■ Twobones / Ballads for Bluehorns ( TCB Records 21102 )
2トロンボーンのクインテットで、ポール・ハーグが味のあるヘタウマな唄も歌います。 録音が抜群に良くて、これは嬉しい。
演奏も全編バラードで、短めの楽曲がたくさん並び、とても聴き応えがあります。
トロンボーンのソロ楽器としての弱点を補うための2ボーン編成というのはある意味逆転の発想で、渋味のある深いサウンドを創り出しています。
Jay Jay & Kai のユニットとは全く違うコンセプトのユニットで、重奏感を大事にする演奏がとても心地よい。 これは名盤です。
■ Shirley Scott / Oasis ( Muse Records MCD 5388 )
1989年にニュージャージーのスタジオでチャールズ・デイヴィスやヴァージル・ジョーンズを加えたクインテット録音。 これも、録音が素晴らしい。
あまりにシブいメンツにマニア心が揺さぶられますが、1曲目の "Oasis" がまるでハードボイルドな刑事映画の主題曲のようなカッコよさで
もうこれだけでメロメロになります。 この1曲で名盤の殿堂入り確定です。
シャーリー・スコットのオルガンはいつも通りの繊細さです。 この人の弾くフレーズは元々少し抽象的なところがあるのですが、ここでは
落ち着いたプレイに終始しています。 全体に漂う淡くすっきりとしたブルース感も素晴らしく、私にはどストライクな内容でした。
ここ最近買った中古では一番うれしい内容だったかもしれません。
■ Cedar Walton, Ron Carter, Jack DeJohnette ( Limetree MCD 0021 )
奇跡の再発、と派手に広告されていましたが、別にそこまでしなくても買いますよ、もちろん。 シダー・ウォルトン、好きですから。
3人のオリジナル曲を軸にした選曲のとても地味なアルバムで、特に録音がいいわけではなく、特に楽曲に魅力があるわけでもなく、
スリルに満ちた演奏というわけでもなく、素晴らしいバラードがあるということもなく、全体的に一本調子で抑揚に欠けるこの演奏の
一体どこを褒めればいいんですか? とあなたは言うかもしれません。 確かに、私も最初に通して聴いた時はそう思いました。
なのに、今週の月曜から金曜までの毎日、仕事から帰る時はなぜかこればかり聴いていました。 しばらくはそういう日々が続きそうな気がします。
好きなアーティストの演奏というのは、そういうものなのかもしれません。
■ Peter Brotzmann / Balls ( FMP/atavistic UMS/ALP233CD )
"For Adolphe Sax" や "Machinegun" と比べると、かなり落ち着いた演奏です。 まあ、あくまでもそれらと比べると、ですが。
静音部が多く、演奏にも大きく緩急がつけられていて、それまでの楽器の咆哮だけですべてを埋め尽くそうとする演奏ではなくなってきています。
ヴァン・ホーヴがピアノの弦をまるで琴やハープのようにつま弾く中、ハン・ベニンクのシンバルのざわめきがブリッジとなって、ブロッツマンが
激しく短いセンテンスを吹き繋ぐ。 あきらかにトータルサウンドを意識した作りになっています。
でも、不思議なことに、この前後の時期のブロッツマンのアルバムには時間の風化に耐えることができた本物感があります。
ただのフリージャズではない、何かがあるように思えます。
やはり、少し間を置いたのは正解でした。 この4枚はどれも珠玉の内容で、充実した買い物だったと思います。