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Daniel Freedman / Imagine That ( Anzic Recirds ANZ-0054 )
DUの試聴可能な音源を聴いていく中で引っかかった作品。 ニューヨーク出身の若いドラマーのリーダー作で、イスラエル人ギタリストのリオネル・ルエケを
迎えたギターカルテット。 第三世界のムードを基調とした現代ジャズだけど、ドラムのジャズにこだわらない多彩なリズムに乗って風通しのいい、
元気だけど落ち着いた風情に惹かれた。
元気な頃のスティングが第三世界のムードを取り入れて発表したソロ・アルバムを聴いた時の印象に近いものを感じた。 楽曲は全てメンバー達のオリジナルだし、
ギターもワールド・ミュージック的なアプローチなので、いろんな血が混ざって複雑な要素を絡めた音楽になっている。 メロデイーを聴かせるというより、
リズム感を重視して、たくさんの写真をコラージュして創られた一幅の絵のようだ。 フェンダーローズのようなキーボードの使い方も上手い。
過去の遺産にもたれかかることなく、現在と未来を見つめた音楽をやろうとしている意志を感じることができるのは頼もしい。 この時代にジャズという
音楽をやることにどれだけの意義があるのかを考えるのは辛いことだと思うが、そういう辛気臭さは感じられない。 まだ若い音楽家たちなので深みのような
ものはないけれど、信じるものを見失わずに自分の音楽を続けていって欲しいと思う。 近視眼的に粗探しをすればいくらでも綻びは見えるけれど、
全体的に見ればある種の才能を感じる。 個人的に好きな演奏フォーマットだったせいもあるが、これは好感の持てるいい作品だと思った。