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The Montgomery Brothers / Groove Yard ( 米 Riverside RLP 362 )
まったく名盤の予感がしないジャケットデザインにも関わらず、これがウェス名義の有名作も霞んでしまうくらいの素晴らしさで、ちょっと唸ってしまう。
このグルーヴ感は筆舌に尽くしがたい。 40年代に確立した「スィングするのが優れたジャズ」という定義は、こういう次世代のグルーヴ感によって
いとも簡単に上書き更新されていったんだなあと思う。 ファンクとも違うし、R&Bの粗野さとも無縁の、最上質のなめらかさでコーティングされた
その質感は、ジャズと言うにはあまりに高級過ぎる雰囲気すら漂っている。
ウェスのアルバムと似たような構成内容なのにこういう違いがでてくるのは、やはりバディ・モンゴメリーが新しい感覚でピアノを弾いているからだろう。
この時期にリーダー作が残っていないのが残念だと思う。 また、モンク・モンゴメリーのベースが大きな音で録られているおかげで、アンサンブルの
快楽度も高い。 楽曲も適度な長さで、主題のメロディーもキャッチーだ。 非の打ち所がない。 管楽器が入っていないので、4人の緻密な演奏が
よくわかって、そういうところもとてもいい。
ジャズの世界ではグループ名を語るようなやり方はあまり好まれない。 何となく、1人ずつでは力不足で売り出しにくいからグループにしてみました、
という感じがしてしまう。 ジャズは、個人の音楽なんだと思う。 これだって、ウェスでもバディでもモンクでも誰か1人の名義の作品であれば、
おそらくここまで無視されることもなかったんじゃないだろうか。 そう残念に思ってしまうくらいに、出来がいい。
何気なくこんないい作品が混ざっているところに、このレーベルの奥行きの深さがあると思う。 こればかりは、わかる人にしかわかるまい。
この先もブルーノートのように華やかなスポットライトを浴びるようなことはもうないだろうけど、じっくりと腰を据えて付き合っていきたい。