今週拾った安レコたち。 この辺りはふと聴きたくなる時があるので、手許にあると重宝する。 だから安いのが見つかった時に、サボらずに拾っておく。
Bill Evans / Time Remembered ( 日本ビクター VIJ-4035 )
これは探していた未発表録音ものの1枚。 エヴァンスのカッコいい時代の写真をあしらったジャケットが嬉しい。 これを聴くと、日本ビクター盤の
音質の品格の良さが改めてよくわかる。 日本ビクター盤でリヴァーサイド諸作を買い直そうかな、と考え込んでしまう。 何だかんだ言ったところで、
私はこの音を聴いて育ったのだ。 愛着の度合いはオリジナルなんかよりはるかに深い。
Jimmy Rowles / We Could Make Such Beautiful Music Together ( 米 Xanadu 157 )
スタンダードを原曲のメロディーを解体して演奏しているので何の曲を演奏しているのか一聴するとよくわからないものが多い、とてもよく考えられた
内容になっていて、なかなか硬派だ。 単なる甘いスタンダード物にしていないところに、ベテランの矜持を感じる。 ザナドゥはプレスの版数が多く、
レイタープレスは音が薄くて興醒めするが、初期プレスの盤で聴くと音質はいい。
Mel Torme / At The Crescendo ( 米 Bethlehem BCP 6020 )
昔からメル・トーメの代表作と言われるけれど、エンターテイメント過剰なところがあり大味な内容だと思う。 同じクレッセンドのライヴなら、
素直に歌に集中しているコーラル盤のほうが出来が良い。 あちらは、作者本人の "The Christmas Song" が聴ける。
Jimmy Raney / Solo ( 米 Xanadu 140 )
この人はプレスティッジ盤などで聴いても本当の良さはわからない。 クリス・クロス盤やザナドゥ盤で聴いて初めてギタリストとしての良さがわかる。
これは無伴奏のソロ演奏なのでギタリストとしての真価がよくわかる内容で、年老いた見た目の印象とは違う瑞々しさが素晴らしい。 ギターを触ったことが
あれば、この作品の良さは身に染みるはず。
ザナドゥはいいレーベルだと思います。 ジャズのことがよくわかった、ツボをついたラインナップがそそります。 いつも買うのを我慢するのが大変です。
私のTime RememberedはMilestone盤ですね。今、聴いていますが、まあまあ落ち着いた音。ビクターよりはしゃきっとした(荒っぽい)音なのかなとも思いますが、案外いいですね。この時期のエヴァンスは案外好きです。
ただ、私がエヴァンスに夢中になっていたのは学生時代で、その時に聴いていたのは当然ビクター盤だったので、記憶に刷り込まれているのがこの音の質感です。
不思議なもので、その後いくらオリジナルらやなんやらを聴いても記憶の音が書き換えられることがないのでやっかいだなあ、と。