廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

秋吉敏子でございます・・・

2016年12月04日 | jazz LP (Metro Jazz)

秋吉敏子 / United Notios with Toshiko And Her International Jazz Sextet  ( 米 Metro Jazz E 1001 )


「秋吉敏子でございます。 わたくしのインターナショナル・セクステットをご紹介致します・・・」というアナウンスで始まり、"My Name is・・・" という
各人の自己紹介が続く、異色のオープニング。 国籍の違うメンバーを集めたところにレナード・フェザーの企画の目的があったらしい。 

不思議なことに、やはりどことなく無国籍風の特定の色をもたない雰囲気になっている。 アクの強い人を避けた人選になっているからかもしれないが、
お愛想程度の主題の後に順番に公正にソロの出番が回って来る建付けの中で、各人の演奏の個性が短いながらもきちんと提示される律儀な内容だ。
7人編成だから普通はセプテットだけど、ここでは秋吉敏子+6人という名乗り方になっている。 彼女の特別待遇が実際のところどういう意味があったのかは
よくわからない。 敗戦後十数年で戦勝国アメリカに単身やってきた日本人女性がバップ流ピアノを弾いている姿は、果たしてどう見られていたのだろう。

音楽的には典型的な白人ジャズで、あっさりとした中庸な音楽。 ルネ・トーマやロルフ・キューンの参加が目を引くけれど、ナット・アダレイやボビー・
ジャスパーも存在感を見せていて、枠組みの中から逸脱することなくきれいに収まっている。 熱気がある訳でもなく、何か新しい試みがある訳でもない。
ただ、それぞれが淡々と自分の持ち味を披露していく。 みんな演奏は上手いから、優等生が通う名門校の休み時間のおだやかな雑談のような感じだ。

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今週は年末セール対応で忙しかったのか、ロー・プライス品の新しい品出しはされておらず、未開封のダンボール箱がまだずらりと並べられたままだった。
ちょっとがっかりしながらミドル・プライスの今週の新着品を覗いたら、これがあった。 昔は筋金入りのマニアから好まれたレコードだったのでそれなりの
値段がついて私には手が出せなかったけど、今回は2,160円。 安いなあ、レコードが。 おかげで昔は聴けなかったこういう作品が聴けるようになった。
最近は名前は知っているけど聴いたことがないままになっていた作品が続々と安価で聴けるようになって、私のミュージック・ライフは充実している。
愉しい漁盤生活が続いている。


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