石垣島の中で1ヶ所でしか見た事がなかったキイレツチトリモチ(絶滅危惧種、ツチトリモチ科)。 去年ある山に行った時に「この辺にもあったはず」、と極秘情報を教えてもらい「次の時期が来たら絶対見に行かねば!」、と思い数ヶ月、ようやくそろそろ良いんじゃない?!という季節に。 ソワソワしながらここ数日、雨がやむのを待ってました。
台風の傷跡か、かなりの落ち葉と倒木の中、地面に注意しながらゆっくり登って行くと最初に目に入って来たのはリュウキュウツチトリモチ。 おぉ、この子達は取り合えずいるんですね、そうですか、うんうん。 何て思いながらさらに急斜面を落ちないように必死に木につかまりながら上の方に登って行きます。 良く書かれてるのは「低地の海岸林に~」とあるけど、石垣で唯一オイラが見た事があるのは山の上の方の急斜面だからです。 しばらくはリュウキュウばかりで、しかも落ち葉のせいで埋もれてるのが多く、少しでも踏まないように気をつけながら探します。
かなり急斜面でしかも最高部に近くになった頃そろそろあるかな~と、よりいっそう注意深く探していると・・・、あった! トンガリ頭のチョコチップ付きイチゴポッキー!
雨続きの合間の曇り日+ストロボのせいもありますが、実際に目で見た感じも黄色っぽくはなく、先にも書いたようにチョコチップ付きのイチゴっていう感じです。 若干一番右の子が黄色っぽいかな?雄花も咲いてますね。 ちなみに黄色っぽいから「キイレ~」って言うんじゃなくて、「鹿児島の喜入」で見つけたからキイレ~となったそうです。 ただリュウキュウで言うと八重山のは沖縄のより赤いそうなので、キイレも八重山のは赤っぽいのかも知れません。
チョコチップ(一番右の子だと白い部分)が雄花で、時にはこれが3っにパカッと開いて白い花が咲いてることもあるけど、多くはもう咲いた後か咲けずに終わった後だと思います。 それ以外のイチゴ部分は小棍体と言うそうで、その間に雌花が埋もれていて通常は見えてませんが糸のような物が出てる時があり、それが雌花らしいんですが今のところ確認出来ず。 本当は研究の為に一つ犠牲にして解体すれば良いんですけどね。 アリさんが側をウロウロしていて、もしかしたらキイレもリュウキュウの仮説のようにアリさん達が媒介役の一人かも知れません。
こっちは4人組です。 やっぱり雄花はもう黒っぽくなってます。 もうチョッと早い時期に来ないといけなかった? この後受粉してれば芽が出るそうですが、どんなだか画像が全く出てこないし本当かどうかも分かりません。 そしてどうやって寄生主にくっ付くかもどこにも書いてません。 今までにT師匠やオイラが書いてる事はあくまでも仮説で、まだ証明はされてません。 師匠から「お前が研究しろ」と何度か言われてますが、そう簡単な事ではありません!
リュウキュウの場合ですが花茎が無い季節は時々地下茎が出てるのを見かけるので、そこに何か秘密があるのかも!? たとえばイノシシですが、イノシシは地下茎どころか花茎が出てる時期も食べるようなのでその時にネバネバでイノシシの顔に付いて運ばれ、イノシシがまた他の植物の根などを食べようと穴を掘れば上手くすれば寄生主の根に付く事が出来るかも知れません。 海岸林にイノシシなんていないだろ!って思う人は甘い。 イノシシは結構海岸に下りて来てミネラル補給やカニ等も食べるんですよ。 マングローブ林にだってやって来ます。 でもまぁやっぱり、アリさんが一番利に適ってるけどね。
雨がやめばまた行って見ようかと思いますが、撮影した次の日も、そのまた次の日も、そして今日だって石垣島は雨なんです。