報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「マリアの悲劇」 

2018-01-20 19:11:38 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[1月1日11:15.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 稲生家]

 ルゥ・ラで到着したマリア。
 到着したのは稲生家の……。

 マリア:「おおっ!?ダイレクトに私の部屋じゃん!Happy!Happy!」
 佳子:「あらっ?マリアちゃん、帰ってたの?」
 マリア:「Ah!お先に帰ってました。ヒック!」
 佳子:「ユウタも一緒?」
 マリア:「あ、ユウタ忘れた
 佳子:「1人で帰ってきたの。よく帰って来れたわねぇ……。着物が着崩れしちゃってるわ。今日はもう着替えるといいわ」
 マリア:「了解デス……ック!」

 マリアは着物を脱ぐと、いつものブレザー姿へ着替えた。

 マリア:(物凄い強い酒だ……。日本人はあんなもの飲んでるのか……)

 さすがに甘酒にウォッカ混ぜて飲む者は、そうそういないだろう。

 佳子:「これはしまって来ますからね」
 マリア:「ハイ……」

 すると、リビングの方から宗一郎の声が聞こえた。

 宗一郎:「おーい!そろそろ年賀状が届いている頃だ!年賀状取って来てくれ!」
 マリア:「ウィ〜……!年賀状レスカ……タダイマ……」

 マリアはフラフラと立ち上がると、魔法の杖を構えた。

 マリア:「年賀状、Come on!」

 すると、郵便受けからバサバサと年賀状が飛んで来る。

 マリア:「This way...(こっちだよ〜)」

 年賀状が強風に煽られて飛んできたかのように、リビングへと飛び込んだ。

 宗一郎:「何だ何だ!放り込むなんて乱暴な!」
 マリア:「I’m sorry.Hey,dolls!(ごめんなさい。はい、人形達!)」

 ハク人形とミク人形がトコトコとやってきて、リビングに散乱した年賀状をかき集め、ちゃんとまとめた。

 宗一郎:「よ、よくできた人形だね!イギリスのメーカーで作ってるAI人形ですかな!?」
 マリア:「Year...」

 そこでマリア、ハッとする。

 マリア:(いけない!御両親には占い以外の魔法は内緒だった!)

 マリアは急いで話題を変えようと思った。

 マリア:「年賀状ッテ何デスカ?」
 宗一郎:「旧年中の御礼状と新年の挨拶状を兼ねたものです。日本の風習ですね。欧米では……クリスマスカードみたいなものでしょうか」
 マリア:「ソレナラ分カリマス。コノ葉書ノ下ニアル番号ハ何デスカ?」
 宗一郎:「それは抽選番号ですね。当たったら、賞金や商品がもらえるんですよ」
 マリア:「ソウデスカ……」

 マリアは年賀ハガキを手に取った。

 マリア:「This is a blank...」(これはハズレ)

 次の葉書。

 マリア:「Blank,too.」(これもハズレ)

 また次の葉書。

 マリア:「This is a true.Huh? A stamp file? What’s this?」(これは当たり。ん?切手シート?何じゃこりゃ?)
 宗一郎:「あの、マリアさん?さっきから何をしてるの?抽選は14日だよ?」
 マリア:「Huh?...Oh,no!Jesus!」(は?……しまった!マジですか!)

 マリアは慌てて立ち上がった。

 マリア:「チョットソノ辺、歩イテキマス!」
 宗一郎:「あ、ああ。行ってらっしゃい」

 マリアは家の外に出た。

 マリア:(危ない危ない!酔っ払うと、却って近い未来のことがそのまま占えるんだなぁ!)

 ウォッカの甘酒割りを紙コップ一杯飲んでしまったマリア。
 ワインは飲めるのだが、同じ量の日本酒や焼酎では悪酔いすることから、酒は弱いと見える。

 マリア:(それにしても、私はどうして先に家に帰って来てしまったんだろうか?全く覚えてない)

 埼玉は東京より寒い。

 マリア:「は……ハックション!」

 バリーン!バリーン!

 マリア:「!!!」

 何とマリア。
 クシャミだけで、目の前の家の窓ガラスを割ってしまった。
 そのノリだけで言うなら、ドリフターズのコントみたいだが。

 マリア:「し、しまった!酔いが回って、魔力が……!ヒック!」

 慌てて逃げ出すマリア。
 だが、マリアが魔法で窓ガラスを割って良かったのである。
 何故なら、ちょうどその時、その家のその部屋では、家人が暖房器具の誤作動による一酸化炭素中毒で意識朦朧としていたのだから。

 マリア:「ふぅ……ふぅ……!ここまで来れば……!

 だが、また冷たい風がビュウと吹く。
 それはマリアのスカートを捲れ上がらせるものほど強くは無かったが、もう1度クシャミを起こさせるほどの寒風であった。

 マリア:「ま、またクシャミが……!このままではマズい!

 マリアはキョロキョロと辺りを見回した。
 近くにコンビニを発見した。

 マリア:「ありがたい!あそこで暖を取らせてもらおう!

 マリアは急いでコンビニの中に入った。
 案の定、店内は暖房がよく効いて暑いくらいであった。

 マリア:(ついでに飲み物でも買おう。ソフトドリンクでも飲んで、酔いを醒ますのだ)

 マリアはジュースの棚から飲み物を物色した。

 マリア:(おおっ!ぶどうジュース!これにしよう!)

 今現在、マリアは自動通訳魔法具をOFFの状態にしている。
 これは言葉だけではなく、文字も自分で訳さないといけないということだ。
 何が言いたいかというと、マリアの取った350mlアルミ缶には、こう書いてあった。
『ぶどうジュース風極濃酒(アルコール度数【お察しください】)』
 と。
 何でこんな怪しい物がコンビニで売られているのだろう?
 マリアはまだ極濃酒という漢字を素で読むことができなかった。

 マリア:「Suicaデ払イマス」
 店員:「あの、すいませんが、未成年の方にはお売りできないんですが……」

 店員はマリアを女子高生と勘違いしたらしい。

 マリア:「Don’t worry.I’m an adult.Please show it.」(大丈夫です。私は成人です。これを見てください)

 マリアは自分のパスポートを見せた。

 店員:「あ、これは失礼しました!どうぞどうぞ!」

 人間としては『死んでいる』マリアが、どうやってパスポートを取ったのだろう?

 店員:「ありがとうございました」

 マリア、ぶどうジュースもどきを手にコンビニの外に出た。

 マリア:(あの店員、わざわざジュースを買うのに、どうしてパスポートの提示を求めて来たのだ?日本では店でジュース買うのにも、身分証が必要なのか?いや、ユウタはフツーに買ってるな。外国人だけ???)

 マリアは首を傾げながらジュースらしきものを一気飲みしようとした。

 マリア:「Huh?This juice is strange...?」(あ?このジュース、何か変……)

 少し抜けかけたマリアの体のアルコールが再び補給された!

 マリア:「は、ハックション!ハックション!ハックション!ハックション!」

 パン!パン!パン!パン!

 マリア:「Oh,no!」

 マリアがクシャミをすると同時に、コンビニの駐車場に止めようとしていた車のタイヤ全部を破裂させてしまった。

 マリア:「Noooooooo!!」(もういやーっ!!)

 マリアは頭を抱えて逃げ出した。
 だが、件の車のタイヤはパンクさせて良かったのだ。
 車を運転していた86歳の老人が、アクセルとブレーキを踏み間違えて店内に突っ込む所だったのだから。

 マリア:(ウィ〜!走ったら余計に酔いが……Oop!)

 この後、マリアに襲った悲劇。
 お食事中の方に悪いと思うので、簡単に説明だけ。
 側溝に向かってorzの大勢になり、ビチャビチャという効果音を発したことだけ説明しておく。
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“大魔道師の弟子” 「正月騒動」 2

2018-01-20 13:43:48 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[1月1日10:15.天候:晴 東京都豊島区 日蓮正宗 正証寺]

 ※正証寺のモデルは法道院でも常在寺でもありません。完全にオリジナルです。

 サトー:「しょ、しょ、正証寺♪正証寺の庭は♪ヘイ!」
 横田:「つ、つ、月夜だ♪みんな出て来い来い来い♪そーれそれ!」
 サトー:「おいらは浮かれて♪ポンポコポンのポン♪Foo!」

 ↑ネーミングは“証城寺の狸囃子”ですがw

 信徒A:「すいません、甘酒ください!」
 信徒B:「こっちにも!」
 サトー:「へい、毎度ありぃ!」
 横田:「クフフフフ……。毎度ありがとうございます」

 次々と甘酒を配るケンショーブルーとケンショーグリーン。

 横田:「クフフフフ……。ブルー、そろそろ潮時だと思いますが、どうでしょう?」
 サトー:「あぁっ?テメー、さり気なくイエロー先生のマネしてんじゃねえぞ、あぁっ?」
 横田:「でも、そろそろ騒ぎが発覚する頃です。次なる作戦に移るべきだと思いますが、どうでしょう?」
 サトー:「そうだなっ!んじゃ、そろそろカメラの準備をしてくれよなっ、頼んます」
 先輩所化:「あれ、おかしいな?甘酒は午後の部の為に注文していたのに、もう配るなんて……」
 信徒C:「おい、どうした、田部井!?」
 田部井信徒:「ヒック……!この甘酒……酒入ってる……!強いぞ……!ヒック!」
 信徒C:「なにっ!?……そ、そう言えば俺も……何だか酔いが……」
 先輩所化:「ちょっと酒屋さん!ノンアルコールの甘酒を注文したはずですけど!?……あれっ、いない!?」

 ダダダッと本堂に乱入するブルー(サトー)とグリーン(横田)。

 藤谷:「……何か、酒臭くね?」
 稲生:「お正月ですからねぇ……」
 藤谷:「バカ。なんぼ正月でも、酔っ払い勤行は謗法だぞ」
 信徒D:「おい、あんた!酒飲んでるだろ!?」
 信徒E:「飲んでねぇよぉ〜、ヒック。三門で配ってた甘酒飲んだだけだよォ〜、ヒック」
 信徒F:「毎年、三門で配ってる甘酒にアルコールは入ってないはずだけど?」
 信徒G:「そういやさっき、怪しい酒屋が甘酒配ってたけど……?」
 信徒H:「うわ!この甘酒、酒の臭いがする!」
 信徒I:「何だって!?」

 ザシャァァァァ〜ッ!(ポテンヒットさん、ごめんなさい)

 サトー:「スクープだぜっ、あぁっ!?」
 横田:「今度の顕正新聞の記事は頂きましたよ、ええ!それはもう、崇高な記事です!」
 藤谷:「うわっ、ケンショーレンジャー!?何しに来やがった、コラァ!」
 サトー:「『堕落した宗門!元旦勤行で酒配る!』『酔っ払い勤行、正に謗法の極み!』で記事は決まりだぜっ、あぁっ!?」
 藤谷:「甘酒を飲んだ人達は直ちに本堂の外に出てください!……そんで、待てや!ケンショーレンジャー!」
 サトー:「うわっはははははは!俺様の特製ウォッカ入り甘酒で全員アル中だぜっ、あぁっ!?」
 横田:「何はともはれ、堕落した宗門のエセ元旦勤行を食い止めることができました!イエロー先生もさぞかしお喜びでしょう!」
 サトー:「んじゃ、これで帰らせてもらうからなっ!じゃ、頼んます!」
 藤谷:「待てや、コラ!」

 本堂や客殿が大混乱に陥っている中、1人休憩室で待たされているマリアはというと……。

 マリア:「ヒック……」

 マリアもまたウォッカ入り甘酒を飲まされた1人だった!

 マリア:「暑い……。帰りたい……ヒック」

 マリアはふらふらと立ち上がった。
 そして、休憩室を出て行った。

 藤谷:「大謗法者め!今日という今日は大石寺まで片道ドライブさせてやる!!」

 ケンショーレンジャーの2人を追う藤谷。
 逃げ足の速いサトーと横田は、三門の外に飛び出した。

 バゴーン!(藤谷組の大型ダンプカーに跳ねられる2人)

 横田:「はいーっ!?」
 サトー:「痛ぇよぉ……クスン」

 ダンプカーから降りて来たのは藤谷春人の父親で、登山部長の藤谷秋彦だった。

 藤谷秋彦:「こらぁ、春人!」
 藤谷春人:「うわっ、親父!?」
 秋彦:「会社のダンプカーで参詣するヤツがあるか!こんなもの堂々と信徒用駐車場に止めるんじゃない!」
 春人:「しょうがねぇだろ!俺のベンツ、エンジンの調子が悪いんだ!いい加減、買い替えさせてくれよ!?」
 秋彦:「そんなの知ったこっちゃない!お前がベンツ買い換える金を稼げばいいんだ!」
 春人:「いや、そりゃそうだけどよ……」
 秋彦:「とにかく、邪魔だから早いとこ会社に戻してこい!」

 スパーンと何故か丸めた顕正新聞で父親に引っ叩かれる藤谷春人だった。

 春人:「痛っ!分かったよぉ……」

 ダンプカーに跳ねられて重傷のケンショーレンジャー。
 しかし、誰も救護する者はいなかった。

 その頃マリアは……。

 マリア:「ウィ〜……ヒック!……魔法陣はこんなものでいいかな……」

 酔っ払いながらも、寺院の裏庭に正確な魔法陣を描くマリア。

 マリア:「パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ。我をユウタの家まで誘え……ヒック。ルゥ・ラ!」

 マリアは魔法陣の中に飛び込むと、光に包まれて消えた。

 鈴木:「んなバカな!?人が消えた!?」

 迂闊なマリア。
 魔法を使う所を見られてしまった。

 藤谷秋彦:「こんな所にいたのか、鈴木君!」
 鈴木:「あっ、登山部長……」
 秋彦:「この騒ぎのせいで元旦勤行午前の部は中止だ!後片付けを手伝ってくれ!キミはあのウォッカ入り甘酒を飲んではいないだろうな!?」
 鈴木:「それは大丈夫です。あの……」
 信徒C:「登山部長、大変です!田部井のバカが廊下で吐きました!」
 秋彦:「わっ、何やってるんだ!鈴木君、早く行くぞ!酒を飲んでいない元気な者は、直ちに片付けに取り掛かれ!正月から身の供養だぞ!」
 信徒C:「で、正月からウォッカ甘酒飲んだヤツは罪障ですか……」
 秋彦:「それを飲んだ者は、今年の折伏誓願3割増しだ!」
 信徒C:「それは恐ろしい」
 鈴木:(何か、折伏に関しては顕正会とあんまり変わらないような……?)

 どうやら、元旦勤行自体が中止になりそうな勢いの正証寺からお送りました。
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“大魔道師の弟子” 「正月騒動」

2018-01-20 10:15:00 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[1月1日09:29.天候:晴 JR池袋駅]

 稲生達を乗せた埼京線各駅停車が池袋駅に接近する。
 この辺の埼京線は線形が悪く、電車も低速度で運転せざるを得ない。
 下り電車はそうでもないことから、上り線だけ何かあるようだ。

〔まもなく池袋、池袋。お出口は、右側です。山手線、湘南新宿ライン、西武池袋線、東武東上線、地下鉄丸ノ内線、地下鉄有楽町線と地下鉄副都心線はお乗り換えです。電車とホームの間が広く空いている所がありますので、足元にご注意ください〕

 埼京線を走るJR車両、E233系の車内放送は女声による自動放送である。
 日本語放送の後で英語放送が流れるのだが、英語放送に慣れている欧米人でも、日本の英語放送の「バカ丁寧さ」は耳を疑うほどだという。
 この作品でも日本語放送と英語放送の全文を掲載したことがあるが、どうしても英文の方が長くなることがその証拠と言える。
 日本人の私でも、例えば板橋駅を出発すると、

〔The next station is Ikebukuro.〕

 と放送するが、池袋到着前でも同じ言い回しをするのである。
 これに違和感を覚える。
 で、問題なのはこの後。
 日本語放送でも言っていたが……。

〔Watch your step between the train and the platfome.〕(電車とホームの間が広く空いている所がありますので【以下略】)

 ニューヨークの地下鉄では、こう。

〔Please watch your step.〕

 マリアの成育先、イギリスはロンドンの地下鉄ではこう。

〔Mind the gap,please.〕

 要するに日本の英語はアメリカかぶれで、バカ丁寧な言い回しをしているということ。
 因みにJR在来線の英語放送を担当したクリステル・チアリ氏は、兵庫県生まれである。

 稲生:「ダグラス・マッカーサーがイギリス人だったら、『Mind the gap』という放送になっていたんでしょうねぇ……」
 マリア:「そういう問題かな?」

 尚、自動放送の後で車掌による肉声放送があるので、やっぱりバカ丁寧なのである。

[同日9:45.天候:晴 東京都豊島区池袋 日蓮正宗・正証寺]

 藤谷:「はーい!元旦勤行、10時の部に参加の方はこちらー!」

 ワイワイガヤガヤと賑わう境内。
 藤谷は率先して『任務』を務めていた。

 藤谷:「因みに、御受誡・御勧誡希望の方はこちら」

 シーン……。

 藤谷:「ま、現実はこんなもんだ」

 そりゃ正月から受誡と勧誡を受ける者は恐らくいないだろう。

 稲生:「藤谷班長!」
 藤谷:「おおっ、稲生君!明けましておめでとう」
 稲生:「おめでとうございます!」
 藤谷:「おおっ、マリアンナさん!明けましておめっとさんです!」
 マリア:「おめでとう」

 藤谷に関しては既に自分の正体(魔道師であること)を明かしているので、自動通訳魔法具は通常使用している。

 藤谷:「ささっ、こちらの入信願書にちちょいとサインして下さいまし!」
 マリア:「……おい」

 マリアは魔法の杖を出した。

 マリア:「あまりフザけると、Buddhaに代わって厄年にしてもいいんだぞ?」
 藤谷:「冗談ですよ!ジャパニーズ・ジョーク!」
 稲生:「僕が元旦勤行に出ている間、マリアさんを休ませてあげたいんですけど?」
 藤谷:「おう、そうだな。休憩所が空いているから、そこへ御案内しよう」
 マリア:「よろしく」
 稲生:「すいませんね」
 マリア:「魔道書でも読んでるさ」
 稲生:「ていうか、うちの誓願そんなにヤバいんですか?」
 藤谷:「達成率が下がっていて、ものの見事に“フェイク”のネタにされそうだ。稲生君、元顕だろ?顕正会式折伏法で何とかしてくれよ?」
 稲生:「何言ってんですか!」

 稲生達が本堂の奥へ入った時だった。
 裏口に止まる1台の2トントラックがあった。
 どうやら、酒屋のトラックのようだ。

 運転手:「えーと、正証寺さんに甘酒を裏口から搬入……か。ここでいいみたいだな」

 運転手は伝票を見ながら車を降りた。
 その直後!

 運転手:「!!!」

 何者かに襲撃される運転手。

 サトー:「けけけっ!ざっとこんなもんだぜっ、あぁっ?」
 横田:「さすがです、ケンショーブルー」

 横田は眼鏡をキラーンと光らせ、サトーに気絶させられた運転手を拘束した。
 だが、その拘束の仕方が何というか……。
 まあ、亀甲縛りとギャグボールとだけ言っておく。

 サトー:「復讐の戦士!ケンショーブルー!!」
 横田:「変態の戦士!ケンショーグリーン!!」
 サトー:「2人合わせて……」
 サトー&横田:「ケンショーレンジャぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 チュドーン!(という爆発音はスマホから流れる)

 横田:「しかし何ですな。2人だけですと、何だか締まりませんな」
 サトー:「あぁっ!?しょーがねーだろ!イエロー先生やレッドは元旦勤行で本部詰めだし、ピンクは死んじまったし、セピアは相変わらず行方不明だしよ〜!」
 横田:「ブラックは?あいつも御役御免でヒマになったと思いますが?」
 サトー:「あぁっ!?知らねーよ!クビになったヤツのことなんてよ〜!」
 横田:「あのうるさいホワイトも、今は元旦勤行中ですからねぇ……。クフフフフフフ……」
 サトー:「んじゃ、早いとこ作戦開始と行こうぜ!頼んます!」
 横田:「了解です」

 この2人、酒屋に扮する。
 もちろん、作業帽は深く被った。

 サトー:「ちわー、毎度!酒屋ケンショーだぜっ、ああっ?」
 横田:「クフフフフフ……。お正月特製甘酒をお持ちしました」
 所化僧:「ありがとうございます。それでは、こちらにお願いします」

 何も知らぬ所化僧、ケンショーレンジャー2人を入れてしまった。

 所化僧:「お正月なのに申し訳無いですね」
 横田:「いえいえ、いいんですよ。クフフフフフ……」
 サトー:「お正月特製甘酒だぜっ、あぁっ?」
 所化僧:「それはそれは……。それでは、こちらにセッティングしてください」
 サトー:「了解だぜっ、ああっ!」
 所化僧:「これから元旦勤行を受けられる御信徒さん達に振る舞う甘酒なんです。用意していた量が無くなってしまったので、追加注文させて頂いたんですよ」
 横田:「ええ、正にこれが作戦の醍醐味……」
 所化僧:「は?」
 横田:「あ、いえ、何でも……」
 所化僧:「そういえば休憩所にお客様がお待ちですので、先に一杯頂きますね」
 横田:「どうぞどうぞ」
 サトー:「俺達はここで甘酒のサービス係をやらせてもらうぜっ、あぁっ?」
 所化僧:「よろしくお願いします」

 所化僧はマリアに甘酒を持って行った。

 横田:「クフフフフフ……。第一の作戦は成功ですね、ブルー?」
 サトー:「堕落した宗門が相手だ。ちょろいもんだぜ、あぁっ?」
 横田:「このお正月特製甘酒には、ある物が入っているのです。さ、何が入っていると思いますか?読者の皆様〜?クフフフフフ……」

 1:下剤
 2:利尿剤
 3:青酸ナトリウム
 4:ウォッカ
 5:媚薬
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