[1月1日12:30.天候:晴 東京都豊島区池袋 日蓮正宗正証寺]
正証寺三門前にパトカーと救急車が止まっている。
サトー:「痛ェよぉ……クスン……」(つд⊂)
横田:「救急隊員の皆様……できれば美人の看護師さんか女医さんのいる病院に搬送をお願いします。嗚呼」(*´Д`*)
救急隊員A:「な、何言ってるんだ、アンタ!?」
警察官A:「では、この2人が甘酒にアルコールを入れて、お寺の行事を妨害したというのですね?」
藤谷春人:「はい、そうであります!威力業務妨害で刑事告訴致します!」
藤谷秋彦:「うちの会社のダンプカーにも体当たりしてきて、この通り、バンパーがへっこんでしまいました。器物損壊でも被害届を出したいのですが?」
警察官B:「分かりました。その線で行きたいと思います」
サトー:「おい、待てや、コラ!そのオッサンの方が、俺達にダンプカーぶつけて来やがったんだぜっ、あぁっ!?」
秋彦:「ドライブレコーダーを見てください。私はちゃんと低速度、この道路の制限速度30キロの所を20キロで走っていました。けして危険運転はしていません。そこへ、この2人が体当たりしてきたのです。当たり屋の如く。どうです?どう見てもワザとぶつかって来たようにしか見えないでしょう?」
警察官C:「確かにそうですな。当たり屋の容疑でも調べを進めましょう」
サトー:「待てや、ポリ公!ゴルァッ!!」
救急隊員B:「失礼。搬送先が決まりました。ここから少し距離がありますが、中央区の聖路加国際病院になりましたので……」
警察官A:「了解しました」
サトー:「おう、コラ!待てや!救急隊!」
救急隊員A:「何ですか?今から搬送しますから、静かにしてください」
サトー:「聖路加病院っつったら、邪教キリスト教の運営する病院じゃねぇかっ!あぁっ!?そんな所に宇宙一正しいケンショーの俺様達をブチ込む気かよっ、あぁっ!?」
警察官A:「意味の分からないことを言うんじゃない!」
警察官C:「警部、この青い男に関しては、精神鑑定が必要かもしれませんね?」
警察官A:「うむ、そうだな」
横田:「私もできれば、美人の看護師さんか女医さんのいる所で……」
そこへ藤谷、ケンショーグリーンこと、横田にそっと耳打ち。
藤谷:「今、聖路加国際病院には美人のシスターが讃美歌の慰問に来てくれるんだとよ?(ウソ)」
横田:「何ですと!?……嗚呼、救急隊員の皆様、相分かりました。邪教キリスト教の運営とはいえ、そのような病院に搬送されるのもまた御仏智。私は搬送されましょう」
サトー:「グリーン!テメーはよー、センセーの御心が分かってんのかよっ、あぁっ!?」
横田:「美人のシスターを折伏に行くのも、我々ケンショーレンジャーの使命だと思いませんか?」
サトー:「美人のシスターだとっ、あぁっ!?それじゃ、しょーがねーぜ。俺様のチ◯ポぶち込んで、折伏してやるぜっ!」
警察官C:「警部、精神鑑定が絶対に必要だと思われます」
警察官A:「う、うむ。そうだな」
藤谷親子が警察などの対応をしている間、稲生は寺院内を走り回っていた。
稲生:「マリアさーん!どこですかー!?……一体、どこ行っちゃったんだろう?」
鈴木:「稲生先輩」
稲生:「おっ、鈴木君!マリアさん見なかった?あの、金髪ストレートボブの白人で、着物を着てるんだ」
鈴木:「ええ、俺見ましたよ」
稲生:「ほんと!?どこ!?」
鈴木:「あいにくと、どこに行ったのかまでは分かりません」
稲生:「三門を出てどっちに行った!?」
鈴木:「三門?俺は何も、三門から出ただなんて一言も言ってませんよ?」
稲生:「ええっ?」
鈴木:「稲生先輩は、かわいい彼女さんをお持ちですね。これが法華講の功徳ってヤツですか。確かに、顕正会にいたんじゃ絶対に手にできない大功徳ですよね」
稲生:「な、何が言いたいんだ?」
鈴木:「でもね、ちゃんとその正体は見極めてからでないと、後で泣きを見ますよ?」
稲生:「だ、だから、何だって言うんだ?マリアさんはどこに行ったんだ?」
鈴木:「こっちに来てください」
鈴木は稲生を寺院の裏庭に連れて行った。
鈴木:「やはり魔法か。あの魔法陣がきれいさっぱり消えている」
稲生:「魔法!?」
鈴木:「そうですよ。あの外人……魔女ですよ。稲生先輩はこのことを知っていましたか?」
稲生:(しまった!鈴木君、マリアさんの魔法を見ちゃったのか!ルーラでどこかへ移動したんだな!)
鈴木:「稲生先輩、どうなんですか?」
稲生:「マリアさんは世界的に有名な占い師の直弟子なんだ。その占い師さんは、まるで幻想魔術団の団員のような技をよく使う。マリアさんもそんな技を叩きこまれていることは、想像に難くない。そういう技を練習してただけなんじゃないの?」
鈴木:「違いますよ。俺、この目で見たんです。魔法陣を描いて、何やら呪文を唱えたら、その魔法陣から光が浮かび上がって、その中にマリアさんが入ったら消えたんです。そして、それっきり現れない。魔法陣も自然に消えてしまった。幻想魔術団がそんなことできますか?」
稲生:(完璧に目撃されている!ダメじゃん!マリアさん、何やってんの!?)
稲生が冷や汗をダラダラ流す。
鈴木:「まさか、稲生先輩も同類じゃ……?」
稲生:「ち、違う!そんなことない!絶対ない!」
鈴木:「その割には随分とうろたえてやしませんか?」
鈴木は眼鏡をキラーンと光らせていた。
稲生:(く、くそっ!どうしよう?)
稲生、絶対絶命のピンチ!
と、その時だった。
稲生:「あっ、電話だ!じゃ、そういうことで!」
鈴木:「あっ、ちょっと!」
稲生は慌てて逃げ出した。
稲生:「グッドタイミングだ!」
スマホを取り出すと、電話の相手は『ワンスターホテル』になっていた。
稲生:「エレーナが?一体、何の用だ?」
稲生は電話に出た。
稲生:「はい、もしもし?エレーナ?」
エレーナ:「稲生氏、明けましておめでとう」
稲生:「ああ、おめでとう。なに?どうしたの?」
エレーナ:「酔っ払いがうちのホテルに乱入して来て迷惑だから、さっさと引き取りに来てくれない?」
稲生:「は?誰それ?」
エレーナ:「アンタの姉弟子で先輩で、アンタが一筋の愛を傾けている愛しの彼女……」
稲生:「ま、まさか……!」
エレーナ:「マリアンナ・ベルフェゴール・スカーレットだよ」
稲生:「ええーっ!?何だってそんな所に!?」
どうやら意識不明らしく、再び瞬間移動魔法でどこかに消える心配は無いだろうから、今のうちにすぐ引き取りに来いということだった。
稲生は鈴木のことを藤谷に任せることにし、自分は池袋駅に走ったのだった。
正証寺三門前にパトカーと救急車が止まっている。
サトー:「痛ェよぉ……クスン……」(つд⊂)
横田:「救急隊員の皆様……できれば美人の看護師さんか女医さんのいる病院に搬送をお願いします。嗚呼」(*´Д`*)
救急隊員A:「な、何言ってるんだ、アンタ!?」
警察官A:「では、この2人が甘酒にアルコールを入れて、お寺の行事を妨害したというのですね?」
藤谷春人:「はい、そうであります!威力業務妨害で刑事告訴致します!」
藤谷秋彦:「うちの会社のダンプカーにも体当たりしてきて、この通り、バンパーがへっこんでしまいました。器物損壊でも被害届を出したいのですが?」
警察官B:「分かりました。その線で行きたいと思います」
サトー:「おい、待てや、コラ!そのオッサンの方が、俺達にダンプカーぶつけて来やがったんだぜっ、あぁっ!?」
秋彦:「ドライブレコーダーを見てください。私はちゃんと低速度、この道路の制限速度30キロの所を20キロで走っていました。けして危険運転はしていません。そこへ、この2人が体当たりしてきたのです。当たり屋の如く。どうです?どう見てもワザとぶつかって来たようにしか見えないでしょう?」
警察官C:「確かにそうですな。当たり屋の容疑でも調べを進めましょう」
サトー:「待てや、ポリ公!ゴルァッ!!」
救急隊員B:「失礼。搬送先が決まりました。ここから少し距離がありますが、中央区の聖路加国際病院になりましたので……」
警察官A:「了解しました」
サトー:「おう、コラ!待てや!救急隊!」
救急隊員A:「何ですか?今から搬送しますから、静かにしてください」
サトー:「聖路加病院っつったら、邪教キリスト教の運営する病院じゃねぇかっ!あぁっ!?そんな所に宇宙一正しいケンショーの俺様達をブチ込む気かよっ、あぁっ!?」
警察官A:「意味の分からないことを言うんじゃない!」
警察官C:「警部、この青い男に関しては、精神鑑定が必要かもしれませんね?」
警察官A:「うむ、そうだな」
横田:「私もできれば、美人の看護師さんか女医さんのいる所で……」
そこへ藤谷、ケンショーグリーンこと、横田にそっと耳打ち。
藤谷:「今、聖路加国際病院には美人のシスターが讃美歌の慰問に来てくれるんだとよ?(ウソ)」
横田:「何ですと!?……嗚呼、救急隊員の皆様、相分かりました。邪教キリスト教の運営とはいえ、そのような病院に搬送されるのもまた御仏智。私は搬送されましょう」
サトー:「グリーン!テメーはよー、センセーの御心が分かってんのかよっ、あぁっ!?」
横田:「美人のシスターを折伏に行くのも、我々ケンショーレンジャーの使命だと思いませんか?」
サトー:「美人のシスターだとっ、あぁっ!?それじゃ、しょーがねーぜ。俺様のチ◯ポぶち込んで、折伏してやるぜっ!」
警察官C:「警部、精神鑑定が絶対に必要だと思われます」
警察官A:「う、うむ。そうだな」
藤谷親子が警察などの対応をしている間、稲生は寺院内を走り回っていた。
稲生:「マリアさーん!どこですかー!?……一体、どこ行っちゃったんだろう?」
鈴木:「稲生先輩」
稲生:「おっ、鈴木君!マリアさん見なかった?あの、金髪ストレートボブの白人で、着物を着てるんだ」
鈴木:「ええ、俺見ましたよ」
稲生:「ほんと!?どこ!?」
鈴木:「あいにくと、どこに行ったのかまでは分かりません」
稲生:「三門を出てどっちに行った!?」
鈴木:「三門?俺は何も、三門から出ただなんて一言も言ってませんよ?」
稲生:「ええっ?」
鈴木:「稲生先輩は、かわいい彼女さんをお持ちですね。これが法華講の功徳ってヤツですか。確かに、顕正会にいたんじゃ絶対に手にできない大功徳ですよね」
稲生:「な、何が言いたいんだ?」
鈴木:「でもね、ちゃんとその正体は見極めてからでないと、後で泣きを見ますよ?」
稲生:「だ、だから、何だって言うんだ?マリアさんはどこに行ったんだ?」
鈴木:「こっちに来てください」
鈴木は稲生を寺院の裏庭に連れて行った。
鈴木:「やはり魔法か。あの魔法陣がきれいさっぱり消えている」
稲生:「魔法!?」
鈴木:「そうですよ。あの外人……魔女ですよ。稲生先輩はこのことを知っていましたか?」
稲生:(しまった!鈴木君、マリアさんの魔法を見ちゃったのか!ルーラでどこかへ移動したんだな!)
鈴木:「稲生先輩、どうなんですか?」
稲生:「マリアさんは世界的に有名な占い師の直弟子なんだ。その占い師さんは、まるで幻想魔術団の団員のような技をよく使う。マリアさんもそんな技を叩きこまれていることは、想像に難くない。そういう技を練習してただけなんじゃないの?」
鈴木:「違いますよ。俺、この目で見たんです。魔法陣を描いて、何やら呪文を唱えたら、その魔法陣から光が浮かび上がって、その中にマリアさんが入ったら消えたんです。そして、それっきり現れない。魔法陣も自然に消えてしまった。幻想魔術団がそんなことできますか?」
稲生:(完璧に目撃されている!ダメじゃん!マリアさん、何やってんの!?)
稲生が冷や汗をダラダラ流す。
鈴木:「まさか、稲生先輩も同類じゃ……?」
稲生:「ち、違う!そんなことない!絶対ない!」
鈴木:「その割には随分とうろたえてやしませんか?」
鈴木は眼鏡をキラーンと光らせていた。
稲生:(く、くそっ!どうしよう?)
稲生、絶対絶命のピンチ!
と、その時だった。
稲生:「あっ、電話だ!じゃ、そういうことで!」
鈴木:「あっ、ちょっと!」
稲生は慌てて逃げ出した。
稲生:「グッドタイミングだ!」
スマホを取り出すと、電話の相手は『ワンスターホテル』になっていた。
稲生:「エレーナが?一体、何の用だ?」
稲生は電話に出た。
稲生:「はい、もしもし?エレーナ?」
エレーナ:「稲生氏、明けましておめでとう」
稲生:「ああ、おめでとう。なに?どうしたの?」
エレーナ:「酔っ払いがうちのホテルに乱入して来て迷惑だから、さっさと引き取りに来てくれない?」
稲生:「は?誰それ?」
エレーナ:「アンタの姉弟子で先輩で、アンタが一筋の愛を傾けている愛しの彼女……」
稲生:「ま、まさか……!」
エレーナ:「マリアンナ・ベルフェゴール・スカーレットだよ」
稲生:「ええーっ!?何だってそんな所に!?」
どうやら意識不明らしく、再び瞬間移動魔法でどこかに消える心配は無いだろうから、今のうちにすぐ引き取りに来いということだった。
稲生は鈴木のことを藤谷に任せることにし、自分は池袋駅に走ったのだった。