[12月29日14:33.天候:晴 JR大宮駅→大宮駅西口]
〔まもなく大宮、大宮。お出口は、右側です。新幹線、高崎線、埼京線、川越線、東武野田線とニューシャトルはお乗り換えです。電車とホームの間が広く空いている所がありますので、足元にご注意ください〕
電車が大宮駅に接近する。
〔「まもなく大宮、大宮です。9番線に入ります。お出口は、右側です。ホーム進入の際、ポイント通過の為、電車が大きく揺れる場合がございます。お立ちのお客様は、お近くの吊り革、手すりにお掴まりください。この電車は宇都宮線の普通列車、宇都宮行きです。……」〕
魔法談義をしているうちに、電車が下車駅に近づいた。
9番線は大宮駅下り副線ホームである。
上野方面からの宇都宮線下り列車は、ほぼ全列車このホームに入る。
下り本線である8番線には、高崎線が入線する。
この理由は既に先述しているのだが、日本の鉄道の歴史の鉄則が関わっている。
大宮駅に真っ先に乗り入れてきたのは、実は宇都宮線(東北本線)ではなく、高崎線だからである。
早い者勝ちで、高崎線が本線ホームを上下線とも使用することになった。
この名残が今も続いているのである。
そして後から工事を始めた東北本線を、高崎線のどこで分岐させるか迷った(候補は浦和、大宮、熊谷)というが、現状を見て分かる通り、大宮に決定したようである。
今では大宮以南も東北本線という名称になり、後に宇都宮線と改称(旅客案内上は)され、今に至る。
それでも大宮駅構内の線形がまるで高崎線優先のようになっているのは、歴史上の名残りである。
この現象は東武鉄道にも見られ、特急“スペーシア”の運行経路だけを見ると、まるで東武日光方面がオマケのようで、鬼怒川温泉方面の方がメインのように見えるが、実際に分岐駅の下今市駅から下り方向を見ると、【お察しください】。
稲生:「着きました。ここで乗り換えです」
マリア:「了解。ほら、あなた達……」
マリアは立ち上がって、荷棚の上で昼寝していた人形達をバッグの中に入れた。
それでも人形達は、バッグの口から顔を覗かせている。
ガタッ!〔ピンポーンピンポーンピンポーン♪〕……ドン!(E231系近郊タイプの開扉は大体こんな感じ)
〔「ご乗車ありがとうございました。大宮ぁ、大宮です。車内にお忘れ物の無いよう、ご注意ください。9番線の電車は宇都宮線の普通列車、宇都宮行きです。終点の宇都宮まで、各駅に止まります。……」〕
電車を降りた稲生達は、エスカレーターに向かった。
ホーム上で高崎線と宇都宮線が分岐するわけだから、この時点で宇都宮線の発車が遅れたとしても、後続の高崎線には影響が無い。
但し、下りホームが1つしか無い湘南新宿ラインからの両線は無理である。
稲生:「マリアさん、乗り換え案内、分かりました?」
マリア:「いや、あまり……」
稲生:「そうでしょう」
『湘南新宿ラインからの下り列車と上野東京ラインからの下り列車のホームは違うが、上野東京ラインと湘南新宿ラインのホームは同じである』
『但し、高崎線から来るか、宇都宮線から来るかでホームが違う』
『また、上野東京ラインの行き先と湘南新宿ラインの行き先は同じ場合もあるが、山手線並走区間以南より先の乗り入れ路線が違う』
『尚、赤羽、池袋〜大崎までなら埼京線でも行ける』
『湘南新宿ラインに大船行きがあるが、京浜東北線にも大船行きがある。但し、両者の所要時間の格差は何倍もの開きがある』
さあ関西の人、意味が分かるかな!?
コンコースの構造は上級クラスの横浜駅だが、ホームは取りあえず中級程度。
コンコースは中級程度の大宮駅だが、ホームは上級者向けの大宮。
マリア:「ユウタがいないと無理だわ」
稲生:「ここは僕に任せてください」
エスカレーターを上がって、コンコースに出る。
マリア:「ちょっとトイレに行きたい」
稲生:「いいですよ。こっちです」
稲生はマリアをトイレに案内した。
西口に程近く、埼京線へのエスカレーター横にトイレはある。
稲生:(上級者向け、か。そうかもな)
その為、こぢんまりとした東武アーバンパークライン乗り場に行くとほっこりする。
1面1線しかホームの無いニューシャトル乗り場でも可。
稲生もトイレに行ったが、戻りが早いのはやはり稲生の方。
稲生はチラッと新幹線乗り場の方を見てみた。
帰省ラッシュのせいか、新幹線乗り場はとても賑わっているように見えた。
ただ、運行情報は少しキナ臭い。
首都圏の天候は良好なのだが、東北地方や日本海側などが冬の嵐に見舞われ、新幹線の運行に支障が出始めているらしい。
稲生:(大変だなぁ……)
新幹線も大宮駅が合流・分岐駅である為、作者が実際に体験したことだが、上りホームに東北新幹線と上越新幹線がほぼ同時に入線したことがある。
上越新幹線が遅延していた為に起きた現象だが、両者は別々にホームが用意されている為、同時入線という現象が起きたわけである。
しかしその先の線路は1つしか無い為、遅れていた上越新幹線を先に出発させた為、それまで定時運転していた東北新幹線にまで遅れが波及したという。
そろそろ大宮以南における複々線化を計画しなければならない時期に差し掛かっている……か。
マリア:「お待たせ」
しばらくすると、マリアが戻って来た。
稲生:「じゃあ、行きましょう。今度はバスです」
マリア:「分かった」
2人は大宮駅西口の高架歩道に出た。
[同日14:55.天候:晴 大宮駅西口バスプール→西武バス大38系統車内]
首都圏は晴でも、冬の嵐の影響か、そこそこ風は強い。
スカートやローブの裾が風になびくが、捲れるほどではない。
やってきた中型バスに乗り込み、後ろの車両に乗り込む。
稲生:「何か、風が強いですね」
マリア:「そうだね。この辺は、雪は降らないんだっけ?」
稲生:「ほとんど降らないですね。よっぽどの寒波でも来ない限りは……」
マリア:「そうか」
稲生:「マリアさんの予知で、何かそういうことでも?」
マリア:「いや、まだ私はそういう予知はちょっと……」
稲生:「そうですか」
マリア:「そういうのができると便利になるんだけどな」
稲生:「そうですね」
発車の時間になり、バスにエンジンが掛かる。
そして稲生達以外に7〜8人ほどの乗客を乗せると、バスは大宮駅西口を出発した。
(大宮駅西口を発車する大38系統。現在は誤乗を防ぐ為、中央に表示している『中並木』を1番大きくしている)
〔まもなく大宮、大宮。お出口は、右側です。新幹線、高崎線、埼京線、川越線、東武野田線とニューシャトルはお乗り換えです。電車とホームの間が広く空いている所がありますので、足元にご注意ください〕
電車が大宮駅に接近する。
〔「まもなく大宮、大宮です。9番線に入ります。お出口は、右側です。ホーム進入の際、ポイント通過の為、電車が大きく揺れる場合がございます。お立ちのお客様は、お近くの吊り革、手すりにお掴まりください。この電車は宇都宮線の普通列車、宇都宮行きです。……」〕
魔法談義をしているうちに、電車が下車駅に近づいた。
9番線は大宮駅下り副線ホームである。
上野方面からの宇都宮線下り列車は、ほぼ全列車このホームに入る。
下り本線である8番線には、高崎線が入線する。
この理由は既に先述しているのだが、日本の鉄道の歴史の鉄則が関わっている。
大宮駅に真っ先に乗り入れてきたのは、実は宇都宮線(東北本線)ではなく、高崎線だからである。
早い者勝ちで、高崎線が本線ホームを上下線とも使用することになった。
この名残が今も続いているのである。
そして後から工事を始めた東北本線を、高崎線のどこで分岐させるか迷った(候補は浦和、大宮、熊谷)というが、現状を見て分かる通り、大宮に決定したようである。
今では大宮以南も東北本線という名称になり、後に宇都宮線と改称(旅客案内上は)され、今に至る。
それでも大宮駅構内の線形がまるで高崎線優先のようになっているのは、歴史上の名残りである。
この現象は東武鉄道にも見られ、特急“スペーシア”の運行経路だけを見ると、まるで東武日光方面がオマケのようで、鬼怒川温泉方面の方がメインのように見えるが、実際に分岐駅の下今市駅から下り方向を見ると、【お察しください】。
稲生:「着きました。ここで乗り換えです」
マリア:「了解。ほら、あなた達……」
マリアは立ち上がって、荷棚の上で昼寝していた人形達をバッグの中に入れた。
それでも人形達は、バッグの口から顔を覗かせている。
ガタッ!〔ピンポーンピンポーンピンポーン♪〕……ドン!(E231系近郊タイプの開扉は大体こんな感じ)
〔「ご乗車ありがとうございました。大宮ぁ、大宮です。車内にお忘れ物の無いよう、ご注意ください。9番線の電車は宇都宮線の普通列車、宇都宮行きです。終点の宇都宮まで、各駅に止まります。……」〕
電車を降りた稲生達は、エスカレーターに向かった。
ホーム上で高崎線と宇都宮線が分岐するわけだから、この時点で宇都宮線の発車が遅れたとしても、後続の高崎線には影響が無い。
但し、下りホームが1つしか無い湘南新宿ラインからの両線は無理である。
稲生:「マリアさん、乗り換え案内、分かりました?」
マリア:「いや、あまり……」
稲生:「そうでしょう」
『湘南新宿ラインからの下り列車と上野東京ラインからの下り列車のホームは違うが、上野東京ラインと湘南新宿ラインのホームは同じである』
『但し、高崎線から来るか、宇都宮線から来るかでホームが違う』
『また、上野東京ラインの行き先と湘南新宿ラインの行き先は同じ場合もあるが、山手線並走区間以南より先の乗り入れ路線が違う』
『尚、赤羽、池袋〜大崎までなら埼京線でも行ける』
『湘南新宿ラインに大船行きがあるが、京浜東北線にも大船行きがある。但し、両者の所要時間の格差は何倍もの開きがある』
さあ関西の人、意味が分かるかな!?
コンコースの構造は上級クラスの横浜駅だが、ホームは取りあえず中級程度。
コンコースは中級程度の大宮駅だが、ホームは上級者向けの大宮。
マリア:「ユウタがいないと無理だわ」
稲生:「ここは僕に任せてください」
エスカレーターを上がって、コンコースに出る。
マリア:「ちょっとトイレに行きたい」
稲生:「いいですよ。こっちです」
稲生はマリアをトイレに案内した。
西口に程近く、埼京線へのエスカレーター横にトイレはある。
稲生:(上級者向け、か。そうかもな)
その為、こぢんまりとした東武アーバンパークライン乗り場に行くとほっこりする。
1面1線しかホームの無いニューシャトル乗り場でも可。
稲生もトイレに行ったが、戻りが早いのはやはり稲生の方。
稲生はチラッと新幹線乗り場の方を見てみた。
帰省ラッシュのせいか、新幹線乗り場はとても賑わっているように見えた。
ただ、運行情報は少しキナ臭い。
首都圏の天候は良好なのだが、東北地方や日本海側などが冬の嵐に見舞われ、新幹線の運行に支障が出始めているらしい。
稲生:(大変だなぁ……)
新幹線も大宮駅が合流・分岐駅である為、作者が実際に体験したことだが、上りホームに東北新幹線と上越新幹線がほぼ同時に入線したことがある。
上越新幹線が遅延していた為に起きた現象だが、両者は別々にホームが用意されている為、同時入線という現象が起きたわけである。
しかしその先の線路は1つしか無い為、遅れていた上越新幹線を先に出発させた為、それまで定時運転していた東北新幹線にまで遅れが波及したという。
そろそろ大宮以南における複々線化を計画しなければならない時期に差し掛かっている……か。
マリア:「お待たせ」
しばらくすると、マリアが戻って来た。
稲生:「じゃあ、行きましょう。今度はバスです」
マリア:「分かった」
2人は大宮駅西口の高架歩道に出た。
[同日14:55.天候:晴 大宮駅西口バスプール→西武バス大38系統車内]
首都圏は晴でも、冬の嵐の影響か、そこそこ風は強い。
スカートやローブの裾が風になびくが、捲れるほどではない。
やってきた中型バスに乗り込み、後ろの車両に乗り込む。
稲生:「何か、風が強いですね」
マリア:「そうだね。この辺は、雪は降らないんだっけ?」
稲生:「ほとんど降らないですね。よっぽどの寒波でも来ない限りは……」
マリア:「そうか」
稲生:「マリアさんの予知で、何かそういうことでも?」
マリア:「いや、まだ私はそういう予知はちょっと……」
稲生:「そうですか」
マリア:「そういうのができると便利になるんだけどな」
稲生:「そうですね」
発車の時間になり、バスにエンジンが掛かる。
そして稲生達以外に7〜8人ほどの乗客を乗せると、バスは大宮駅西口を出発した。
(大宮駅西口を発車する大38系統。現在は誤乗を防ぐ為、中央に表示している『中並木』を1番大きくしている)