[7月31日19:30.天候:曇 東京都八王子市 京王プラザホテル八王子 コインランドリー→客室]
宿泊者専用コインランドリーで、使用済みの下着やジャージを洗う2人。
リサ:「他のホテルと違って、乾燥まで一気にやってくれるんだ」
絵恋:「終わるまで、だいぶ時間が掛かりそうね。しょうがない。夕食を食べ終わったら、また来ましょう」
リサ:「分かった」
尚、リサの制服については、愛原がランドリーバッグに入れてフロントまで持って行ってくれた。
今、リサはTシャツにデニムのショートパンツという私服である。
2人はエレベーターに乗り、それで宿泊しているフロアへ戻った。
絵恋:「私も着替えるね。私だけ制服のままってのもアレだし」
リサ:「サイトーも私服持って来たの?」
絵恋:「もちろんよ」
絵恋はキャリーバッグの中から、まだ来ていないワンピースを取り出した。
リサ:「おー!さすが御嬢様」
絵恋:「萌えへへへへ……
ま、まあね……」
絵恋はその服に着替えた。
絵恋:「あー、私もランドリーに出せば良かったかな……」
リサ:「サイトーの服は汚れてないよ?」
絵恋:「まあ、そうなんだけどねぇ……」
リサ:「人間の血の匂いに当てられて我を忘れるなんて、さすがに先生に申し訳ない……」
絵恋:「リサさん!もし、どうしても我慢できなかったら、私の血を飲んでもいいから!」
リサ:「サイトー……ありがとう」
しばらくして、部屋のインターホンが鳴らされた。
絵恋:「テロリストかもしれないわ!リサさんはここにいて!」
リサ:「私が行った方がいいような気がするけど……」
絵恋はドアの前に向かい、そこからスコープで部屋の外を見た。
そこにはタキシードに蝶ネクタイをした若い男が立っていた。
絵恋:「はい、何でしょうか?」
絵恋はドアチェーンを掛けたまま、ドアを少しだけ開けた。
ホテルマン:「お待たせ致しました。ルームサービスをお持ちしてございます」
ホテルマンは恭しく答えた。
ホテルマンはワゴンを押しており、その上には注文した料理と思しきものが乗せられていた。
リサ:「おー、美味しそうな匂い」
部屋の奥からリサのそんな声が聞こえたので、絵恋は本物のホテルマンだと判断した。
一旦ドアを閉め、ドアチェーンを外して開ける。
絵恋:「どうぞ」
ホテルマン:「失礼致します」
ワゴンの上の料理からは、カレーの匂いもした。
確か愛原達がカレーを注文していたことを思い出す。
絵恋:(そういえばホテルのカレーも、それぞれホテルの特色が出ていて面白いってお父さんが言ってたな……)
絵恋がホテルマンを中に入れ、ドアを閉めようとした時だった。
絵恋:「きゃあっ!」
突然、ドアが勢い良く開けられ、絵恋はそれに弾かれるようにして床に倒れ込んだ。
テロリストA:「見つけたぞ!リサ・トレヴァー!」
テロリストB:「おとなしくしろ!」
手にショットガンやマシンガンを構え、覆面に上下黒の作業服のような物を着た男達が数人なだれ込んで来る。
男の1人はホテルマンを突き飛ばし、邪魔な配膳ワゴンを蹴飛ばした。
その衝撃で、ワゴンの上の料理が床に散らばる。
テロリストC:「リサ・トレヴァー『2番』!こいつを死なせたくなかったら、おとなしく来てもらおう!!」
テロリストCは絵恋の頭に銃口を突き付けた。
だが、リサは俯いたまま、第0形態から第1形態、そして第2形態へと変化して行く。
BSAA隊長:「突入しろ!!」
少し間を置いて、ドアを蹴破って突入するBSAA隊員達。
BSAA隊員A:「隊長!大変です!室内は既に制圧されています!」
隊長:「なに!?」
隊長が室内に入ると、そこにはリサの触手によって痛い目に遭わされているテロリスト達の姿があった。
全員が天井から吊るされていた。
リサ:「キサマらぁぁぁっ!楽しみにしていた夕食を!食い殺す!!」
隊長:「αチームからHQ!リサ・トレヴァーの暴走を確認!既にテロリスト達はリサ・トレヴァー『2番』によって、全員心肺停止の恐れあり!繰り返す!」
愛原:「い、いや、『食べ物の恨み』でガヂギレしているだけで、暴走はしてないです!」
善場:「確かに。一応、言葉は喋ってますね」
隊長:「いや、しかし、最近のBOWは、暴走状態でも、言葉くらいは喋りますよ!?」
愛原:「リサ!落ち着け!テロリスト達はもう倒れてるぞ!?」
リサ:「愛原先生……」
リサが愛原の姿を確認すると、シュルシュルと姿を変えていく。
まだ興奮状態なのか、第0形態にはなれなかったが、第1形態までは戻ることができた。
リサ:「お腹空いた」
テロリストD:「おまわりしゃん!たしゅけて!ボク、自首しまちゅ!!」
涙や鼻水やらオシッコ漏らしながら、BSAAに助けを求めるテロリスト。
BSAA隊員B:「俺達は警察じゃない!」
隊長:「お前らはヴェルトロか?」
テロリストC:「や、ヤング・ホーク団の者だ……いでででっ!」
テロリストCが一番重傷を負っていた。
リサの夕食をブチ撒けたからだろう。
隊長:「ヤング・ホーク団!ヴェルトロの下部組織の1つだな。よし、連行しろ!」
テロリストB:「び、病院に運んでくれ……」
テロリストA:「ひぃぃ……!こんな恐ろしいヤツだなんて聞いてないよォ~……!腕と足が折れたよォ~!ママーッ!」
BSAAの救護班によって、担架に乗せられるテロリスト達。
もちろん、武器や弾薬は没収した上、担架にはベルトで固定して逃亡されないようにしている。
高橋:「取りあえず殺してはいないんですね、こいつ!」
愛原:「というわけで善場主任、リサは暴走していないという認識でよろしいでしょうか?」
善場:「はい。上にはそのように報告しておきます」
リサ:「先生、お腹空いた……」
善場:「ルームサービス、また頼むからね」
その前に、別の部屋には移動しないといけないだろう。
尚、ホテルマンはテロリストに襲われた際、気絶したおかげで、リサの変化は見られることはなかった。
善場:「囮作戦、成功しましたね。御協力感謝します」
愛原:「通りでねぇ……」
テロリストが市内に潜伏していることが分かったのなら、むしろさっさと市外に脱出するべきである。
そうしなかったのは、BSAAは既にテロリストの作戦内容を掴んでいて、今夜掃討作戦を行う予定だったのだ。
それを知ったNPO法人デイライトは善場を通して、わざと愛原達を市内に留まらせ、あえてヤング・ホーク団員に襲われる形を取り、後でBSAAが掃討するという作戦に加担したわけである。
善場:「後で謝礼は致します。怖がらせて、ごめんなさいね」
絵恋:「…………」
因みに絵恋は放心状態であった。
当たり前である。
宿泊者専用コインランドリーで、使用済みの下着やジャージを洗う2人。
リサ:「他のホテルと違って、乾燥まで一気にやってくれるんだ」
絵恋:「終わるまで、だいぶ時間が掛かりそうね。しょうがない。夕食を食べ終わったら、また来ましょう」
リサ:「分かった」
尚、リサの制服については、愛原がランドリーバッグに入れてフロントまで持って行ってくれた。
今、リサはTシャツにデニムのショートパンツという私服である。
2人はエレベーターに乗り、それで宿泊しているフロアへ戻った。
絵恋:「私も着替えるね。私だけ制服のままってのもアレだし」
リサ:「サイトーも私服持って来たの?」
絵恋:「もちろんよ」
絵恋はキャリーバッグの中から、まだ来ていないワンピースを取り出した。
リサ:「おー!さすが御嬢様」
絵恋:「萌えへへへへ……

絵恋はその服に着替えた。
絵恋:「あー、私もランドリーに出せば良かったかな……」
リサ:「サイトーの服は汚れてないよ?」
絵恋:「まあ、そうなんだけどねぇ……」
リサ:「人間の血の匂いに当てられて我を忘れるなんて、さすがに先生に申し訳ない……」
絵恋:「リサさん!もし、どうしても我慢できなかったら、私の血を飲んでもいいから!」
リサ:「サイトー……ありがとう」
しばらくして、部屋のインターホンが鳴らされた。
絵恋:「テロリストかもしれないわ!リサさんはここにいて!」
リサ:「私が行った方がいいような気がするけど……」
絵恋はドアの前に向かい、そこからスコープで部屋の外を見た。
そこにはタキシードに蝶ネクタイをした若い男が立っていた。
絵恋:「はい、何でしょうか?」
絵恋はドアチェーンを掛けたまま、ドアを少しだけ開けた。
ホテルマン:「お待たせ致しました。ルームサービスをお持ちしてございます」
ホテルマンは恭しく答えた。
ホテルマンはワゴンを押しており、その上には注文した料理と思しきものが乗せられていた。
リサ:「おー、美味しそうな匂い」
部屋の奥からリサのそんな声が聞こえたので、絵恋は本物のホテルマンだと判断した。
一旦ドアを閉め、ドアチェーンを外して開ける。
絵恋:「どうぞ」
ホテルマン:「失礼致します」
ワゴンの上の料理からは、カレーの匂いもした。
確か愛原達がカレーを注文していたことを思い出す。
絵恋:(そういえばホテルのカレーも、それぞれホテルの特色が出ていて面白いってお父さんが言ってたな……)
絵恋がホテルマンを中に入れ、ドアを閉めようとした時だった。
絵恋:「きゃあっ!」
突然、ドアが勢い良く開けられ、絵恋はそれに弾かれるようにして床に倒れ込んだ。
テロリストA:「見つけたぞ!リサ・トレヴァー!」
テロリストB:「おとなしくしろ!」
手にショットガンやマシンガンを構え、覆面に上下黒の作業服のような物を着た男達が数人なだれ込んで来る。
男の1人はホテルマンを突き飛ばし、邪魔な配膳ワゴンを蹴飛ばした。
その衝撃で、ワゴンの上の料理が床に散らばる。
テロリストC:「リサ・トレヴァー『2番』!こいつを死なせたくなかったら、おとなしく来てもらおう!!」
テロリストCは絵恋の頭に銃口を突き付けた。
だが、リサは俯いたまま、第0形態から第1形態、そして第2形態へと変化して行く。
BSAA隊長:「突入しろ!!」
少し間を置いて、ドアを蹴破って突入するBSAA隊員達。
BSAA隊員A:「隊長!大変です!室内は既に制圧されています!」
隊長:「なに!?」
隊長が室内に入ると、そこにはリサの触手によって痛い目に遭わされているテロリスト達の姿があった。
全員が天井から吊るされていた。
リサ:「キサマらぁぁぁっ!楽しみにしていた夕食を!食い殺す!!」
隊長:「αチームからHQ!リサ・トレヴァーの暴走を確認!既にテロリスト達はリサ・トレヴァー『2番』によって、全員心肺停止の恐れあり!繰り返す!」
愛原:「い、いや、『食べ物の恨み』でガヂギレしているだけで、暴走はしてないです!」
善場:「確かに。一応、言葉は喋ってますね」
隊長:「いや、しかし、最近のBOWは、暴走状態でも、言葉くらいは喋りますよ!?」
愛原:「リサ!落ち着け!テロリスト達はもう倒れてるぞ!?」
リサ:「愛原先生……」
リサが愛原の姿を確認すると、シュルシュルと姿を変えていく。
まだ興奮状態なのか、第0形態にはなれなかったが、第1形態までは戻ることができた。
リサ:「お腹空いた」
テロリストD:「おまわりしゃん!たしゅけて!ボク、自首しまちゅ!!」
涙や鼻水やらオシッコ漏らしながら、BSAAに助けを求めるテロリスト。
BSAA隊員B:「俺達は警察じゃない!」
隊長:「お前らはヴェルトロか?」
テロリストC:「や、ヤング・ホーク団の者だ……いでででっ!」
テロリストCが一番重傷を負っていた。
リサの夕食をブチ撒けたからだろう。
隊長:「ヤング・ホーク団!ヴェルトロの下部組織の1つだな。よし、連行しろ!」
テロリストB:「び、病院に運んでくれ……」
テロリストA:「ひぃぃ……!こんな恐ろしいヤツだなんて聞いてないよォ~……!腕と足が折れたよォ~!ママーッ!」
BSAAの救護班によって、担架に乗せられるテロリスト達。
もちろん、武器や弾薬は没収した上、担架にはベルトで固定して逃亡されないようにしている。
高橋:「取りあえず殺してはいないんですね、こいつ!」
愛原:「というわけで善場主任、リサは暴走していないという認識でよろしいでしょうか?」
善場:「はい。上にはそのように報告しておきます」
リサ:「先生、お腹空いた……」
善場:「ルームサービス、また頼むからね」
その前に、別の部屋には移動しないといけないだろう。
尚、ホテルマンはテロリストに襲われた際、気絶したおかげで、リサの変化は見られることはなかった。
善場:「囮作戦、成功しましたね。御協力感謝します」
愛原:「通りでねぇ……」
テロリストが市内に潜伏していることが分かったのなら、むしろさっさと市外に脱出するべきである。
そうしなかったのは、BSAAは既にテロリストの作戦内容を掴んでいて、今夜掃討作戦を行う予定だったのだ。
それを知ったNPO法人デイライトは善場を通して、わざと愛原達を市内に留まらせ、あえてヤング・ホーク団員に襲われる形を取り、後でBSAAが掃討するという作戦に加担したわけである。
善場:「後で謝礼は致します。怖がらせて、ごめんなさいね」
絵恋:「…………」
因みに絵恋は放心状態であった。
当たり前である。