[8月1日13:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 斉藤家1F食堂]
斉藤絵恋の実家で昼食を御馳走になるリサ達。
昼食はピザやパスタなど、イタリア料理が出た。
リサはそれらの料理を何の疑いも無く平らげた。
リサ:「ここのメイドさんの料理も美味しい」
高橋:「だが、『決まった味』だな。多分、俺が作っても同じ味になるだろうよ。なあ?」
パール:「……でしょうね」
ここのメイド達は高橋同様、刑務所を出所した者を雇用しているのだ。
罪状は様々だが、模範囚として仮釈放を認められた者や満期出所した者を、保護司としての顔も持つ斉藤社長が面倒を見ているという形である。
なのでここのメイド達は終身雇用ではなく、他に行く当てが見つかればそこに転身することもある。
元学校長など、公務員経験者や神父などの宗教家が保護司を務めることが多いが、自営業者も割合存在する。
トチロ~さん、お1ついかがですか?
高橋:「刑務所辺りで炊事班に配属されれば、料理が覚えられるからな」
つまり、高橋もそれで料理を覚えたのだ。
リサ:「お代わり、お代わりー」
パール:「はい、ただいまお持ちします」
前に来た時は大皿から取り分ける方式だったのが、今は個別に配膳される方式となった。
メイドによって違うのか、或いはコロナ対策なのかは不明である。
ダイヤモンド:「食後のコーヒーでございます」
愛原:「ありがとう」
斉藤秀樹:「愛原さん、大宮駅までタクシーを手配しますので、少しお待ちください」
愛原:「それは申し訳ないですよ。もう仕事は終わったんですから、バスか徒歩で……」
しかし、愛原の固辞を秀樹は手で制した。
秀樹:「未だにテロ組織からは狙われているのでしょう?八王子では下部組織のメンバーが逮捕されたようですが、まだ本家は捕まっていないわけですからね」
愛原:「それはそうですが……」
秀樹:「本当ならご自宅まで、車での送迎が必要なほどだとは思うのですが……」
愛原:「そういった意味では、日本は平和でいいですね」
別に、リサ達が無防備というわけではない。
家の外から時折ヘリコプターの音が聞こえるが、あれがBSAAのヘリだということは既に分かっている。
上空からBSAAの護衛付きなのだ。
もちろんBSAAの目的はそれだけではなく、リサが暴走したら止めに来るのが大きい。
オパール:「失礼します。御主人様、開発部の皆様が到着されました」
秀樹:「そうか。例の場所に通しておいてくれ」
オパール:「かしこまりました」
愛原:「開発部の方って……」
秀樹:「ああ、うちの社員です。ちょっと、これから仕事の話があるので……」
愛原:「日曜日なのに大変ですね」
秀樹:「そうなんですよ。タクシーは手配させますので、それまではどうぞごゆっくりなさってください」
愛原:「ありがとうございます」
リサ:「……ちょっとトイレ」
リサは腹を押さえながら席を立った。
絵恋:「向こうにあるよ。私が案内するわ」
秀樹:「いや、それはダメだ」
絵恋:「えっ?」
秀樹:「オパール、キミが案内してくれ」
オパール:「かしこりました。それではリサ様、こちらへどうぞ」
リサ:「う、うん……」
ダイヤモンド:「御主人様、社員の皆様がお待ちですので……」
秀樹:「ああ、すぐに行く」
[同日13:30.天候:不明 斉藤家B2F秘密研究施設]
……秀樹はホームエレベーターに乗った。
そのエレベーターは本来、地下1階までしか行かないはずだった。
しかし、B1Fのボタンの横には、カバーに隠された無地のボタンがあった。
それを押すと、エレベーターは斉藤家秘密の地下室へと降りて行く。
研究員A:「社長、お疲れ様です」
秀樹:「待たせたな。『被験体』は?」
研究員B:「はっ、たった今、例のトイレに入ったところです」
研究員Bがモニタを映し出す。
そこには斉藤家のトイレに入ったリサが映し出されていた。
隠しカメラで撮影しているのである。
トイレに入ったリサは、しばし呆然としていた。
何故なら、そこにある便器は和式だからである。
もちろん、普段そのトイレは洋式である。
しかし、ある条件を満たすとレバー1つで洋式トイレと和式トイレが入れ替わるギミックが施されているのである。
学校でもトイレの洋式化が進みつつあるという。
ましてや、私立校となると尚更だ。
とはいうものの、東京中央学園上野高校では和式が全滅したわけではないので、一応使い方はリサは知っている。
また、それでなくても、日本アンブレラは日本版リサ・トレヴァー達に和式トイレをよく使わせた。
『検便しやすいから』『BOWはどのように排便・排尿するか観察する為』等と称して。
下り腹となったリサには、もう考えているヒマは無くなったのだろう。
制服のスカートの中に手を入れ、黒いショーツを下ろすと、便器に跨った。
すぐに、便器に大量の大便が落ちる。
秀樹:「さすがは我が社の下剤だ。水様便にすることなく、適度な硬さの便がすぐに出るようになっている」
研究員A:「あれも開発するのに苦労しました。しかも、下痢の症状が続いては本末転倒です。あくまでも、催すのは1回ないし2回までとなるようにしています」
研究員B:「あの日本アンブレラが開発したBOWリサ・トレヴァーにも、我が社の下剤が効くことが証明されましたな」
秀樹:「おいおい。今回の目的はそれではないぞ。それはあくまで副産物だ」
研究員B:「そうでした」
トイレットペーパーで拭き終わったリサが、水を流そうとレバーやボタンを探す。
だが、見つからない。
それはそうだ。
それは、ここで遠隔で流せるようにしているのだから。
正確に言えば、流すのではない。
秀樹:「よし、採取しろ」
研究員A:「はっ」
研究員がボタンを押すと、便器に穴が開き、そこからリサの大便が落ちた。
その様子に驚くリサ。
だが、その後で水が流れたことで安心したのか、下着を元通りに穿くと、個室を出て行った。
一方、便器の穴から落ちて来た大便が、研究員達の目の前のカプセルに落ちて来る。
研究員C:「ありました!例の寄生虫です」
研究員A:「うーむ……。やはり、見た目はごく普通の回虫と同じだ」
秀樹:「だからこそ、普通の回虫と誤魔化して確保することができるというわけだな。よし、いくつかサンプルを回収して研究所に回せ」
研究員B:「はっ!」
研究員A:「社長、これで我が社も……」
秀樹:「政府にばかりいい思いはさせんよ。政府はリサ・トレヴァーを核兵器の代わりとなる抑止力に使いたいようだが、我々はあくまでも製薬企業として、新薬の開発に利用させて頂く」
秀樹がこんな回りくどいやり方でリサの寄生虫を採取したのは、当然ながらリサのことは本来国家機密モノであり、そこからウィルスや寄生虫を勝手に採取するのは御法度だからである。
斉藤絵恋の実家で昼食を御馳走になるリサ達。
昼食はピザやパスタなど、イタリア料理が出た。
リサはそれらの料理を何の疑いも無く平らげた。
リサ:「ここのメイドさんの料理も美味しい」
高橋:「だが、『決まった味』だな。多分、俺が作っても同じ味になるだろうよ。なあ?」
パール:「……でしょうね」
ここのメイド達は高橋同様、刑務所を出所した者を雇用しているのだ。
罪状は様々だが、模範囚として仮釈放を認められた者や満期出所した者を、保護司としての顔も持つ斉藤社長が面倒を見ているという形である。
なのでここのメイド達は終身雇用ではなく、他に行く当てが見つかればそこに転身することもある。
元学校長など、公務員経験者や神父などの宗教家が保護司を務めることが多いが、自営業者も割合存在する。
高橋:「刑務所辺りで炊事班に配属されれば、料理が覚えられるからな」
つまり、高橋もそれで料理を覚えたのだ。
リサ:「お代わり、お代わりー」
パール:「はい、ただいまお持ちします」
前に来た時は大皿から取り分ける方式だったのが、今は個別に配膳される方式となった。
メイドによって違うのか、或いはコロナ対策なのかは不明である。
ダイヤモンド:「食後のコーヒーでございます」
愛原:「ありがとう」
斉藤秀樹:「愛原さん、大宮駅までタクシーを手配しますので、少しお待ちください」
愛原:「それは申し訳ないですよ。もう仕事は終わったんですから、バスか徒歩で……」
しかし、愛原の固辞を秀樹は手で制した。
秀樹:「未だにテロ組織からは狙われているのでしょう?八王子では下部組織のメンバーが逮捕されたようですが、まだ本家は捕まっていないわけですからね」
愛原:「それはそうですが……」
秀樹:「本当ならご自宅まで、車での送迎が必要なほどだとは思うのですが……」
愛原:「そういった意味では、日本は平和でいいですね」
別に、リサ達が無防備というわけではない。
家の外から時折ヘリコプターの音が聞こえるが、あれがBSAAのヘリだということは既に分かっている。
上空からBSAAの護衛付きなのだ。
もちろんBSAAの目的はそれだけではなく、リサが暴走したら止めに来るのが大きい。
オパール:「失礼します。御主人様、開発部の皆様が到着されました」
秀樹:「そうか。例の場所に通しておいてくれ」
オパール:「かしこまりました」
愛原:「開発部の方って……」
秀樹:「ああ、うちの社員です。ちょっと、これから仕事の話があるので……」
愛原:「日曜日なのに大変ですね」
秀樹:「そうなんですよ。タクシーは手配させますので、それまではどうぞごゆっくりなさってください」
愛原:「ありがとうございます」
リサ:「……ちょっとトイレ」
リサは腹を押さえながら席を立った。
絵恋:「向こうにあるよ。私が案内するわ」
秀樹:「いや、それはダメだ」
絵恋:「えっ?」
秀樹:「オパール、キミが案内してくれ」
オパール:「かしこりました。それではリサ様、こちらへどうぞ」
リサ:「う、うん……」
ダイヤモンド:「御主人様、社員の皆様がお待ちですので……」
秀樹:「ああ、すぐに行く」
[同日13:30.天候:不明 斉藤家B2F秘密研究施設]
……秀樹はホームエレベーターに乗った。
そのエレベーターは本来、地下1階までしか行かないはずだった。
しかし、B1Fのボタンの横には、カバーに隠された無地のボタンがあった。
それを押すと、エレベーターは斉藤家秘密の地下室へと降りて行く。
研究員A:「社長、お疲れ様です」
秀樹:「待たせたな。『被験体』は?」
研究員B:「はっ、たった今、例のトイレに入ったところです」
研究員Bがモニタを映し出す。
そこには斉藤家のトイレに入ったリサが映し出されていた。
隠しカメラで撮影しているのである。
トイレに入ったリサは、しばし呆然としていた。
何故なら、そこにある便器は和式だからである。
もちろん、普段そのトイレは洋式である。
しかし、ある条件を満たすとレバー1つで洋式トイレと和式トイレが入れ替わるギミックが施されているのである。
学校でもトイレの洋式化が進みつつあるという。
ましてや、私立校となると尚更だ。
とはいうものの、東京中央学園上野高校では和式が全滅したわけではないので、一応使い方はリサは知っている。
また、それでなくても、日本アンブレラは日本版リサ・トレヴァー達に和式トイレをよく使わせた。
『検便しやすいから』『BOWはどのように排便・排尿するか観察する為』等と称して。
下り腹となったリサには、もう考えているヒマは無くなったのだろう。
制服のスカートの中に手を入れ、黒いショーツを下ろすと、便器に跨った。
すぐに、便器に大量の大便が落ちる。
秀樹:「さすがは我が社の下剤だ。水様便にすることなく、適度な硬さの便がすぐに出るようになっている」
研究員A:「あれも開発するのに苦労しました。しかも、下痢の症状が続いては本末転倒です。あくまでも、催すのは1回ないし2回までとなるようにしています」
研究員B:「あの日本アンブレラが開発したBOWリサ・トレヴァーにも、我が社の下剤が効くことが証明されましたな」
秀樹:「おいおい。今回の目的はそれではないぞ。それはあくまで副産物だ」
研究員B:「そうでした」
トイレットペーパーで拭き終わったリサが、水を流そうとレバーやボタンを探す。
だが、見つからない。
それはそうだ。
それは、ここで遠隔で流せるようにしているのだから。
正確に言えば、流すのではない。
秀樹:「よし、採取しろ」
研究員A:「はっ」
研究員がボタンを押すと、便器に穴が開き、そこからリサの大便が落ちた。
その様子に驚くリサ。
だが、その後で水が流れたことで安心したのか、下着を元通りに穿くと、個室を出て行った。
一方、便器の穴から落ちて来た大便が、研究員達の目の前のカプセルに落ちて来る。
研究員C:「ありました!例の寄生虫です」
研究員A:「うーむ……。やはり、見た目はごく普通の回虫と同じだ」
秀樹:「だからこそ、普通の回虫と誤魔化して確保することができるというわけだな。よし、いくつかサンプルを回収して研究所に回せ」
研究員B:「はっ!」
研究員A:「社長、これで我が社も……」
秀樹:「政府にばかりいい思いはさせんよ。政府はリサ・トレヴァーを核兵器の代わりとなる抑止力に使いたいようだが、我々はあくまでも製薬企業として、新薬の開発に利用させて頂く」
秀樹がこんな回りくどいやり方でリサの寄生虫を採取したのは、当然ながらリサのことは本来国家機密モノであり、そこからウィルスや寄生虫を勝手に採取するのは御法度だからである。