[7月30日07:00.天候:晴 神奈川県相模原市緑区 国家公務員特別研修センター別館2F]
枕元のスマホがアラームを鳴らして、私は目が覚めた。
昨夜は少し変な夢を見たが、まあまあ眠れた方だ。
何しろ、リサの触手に絡め取られるという夢だったのだから。
私は起き上がると、頭をぶつけそうになった。
私は2段ベッドの下段に寝ていた。
上段との高さが低いので、油断して上体を一気に起こすと上段に頭をぶつけてしまう。
2泊だけなので、シーツなどのリネンはそのままにしておく。
愛原:「おはよう」
高橋:「……おはざっス」
高橋も寝惚け眼であった。
室内にも洗面所はあるが、1つだけである。
私は洗面道具を手に取ると、それを手に部屋を出た。
本館にもあったが、こちら別館側にも洗面室があるからである。
そしてやはり、コインランドリーもあった。
リサ:「先生、おはよう」
絵恋:「おはようございます」
そこで歯を磨いていると、少女2人も起きて来た。
浴衣からジャージに着替えている。
歯磨き中で喋れない私は首を縦に振ることにより、答礼とした。
洗面室から部屋に戻ってから、また私は着替える。
私の場合は白ワイシャツに、スーツのズボンである。
8時ぐらいを目途に、また地下へと向かった。
リサ:「また地下生活か……」
愛原:「今日だけだよ。今日だけな」
不安げなリサに対して、私はそう言った。
今日は昨日と打って変わって天気が良い。
窓から差し込む朝日が明るいが、今日もまた暑くなるだろう。
そして、夕方にはゲリラ豪雨が降るかもしれない。
〔下に参ります〕
そんな夏の日光に別れを告げ、私達は地下世界へと向かう。
[同日08:00.天候:晴 同区内 地下秘密研究所]
ガラガラと重々しい音を立てて、エレベーターのもう1つのドアが開いた。
〔ようこそ、お越しくださいました。訪問を歓迎します〕
エレベーターのドアが開く度に、エレベーターホールのスピーカーからこのような音声が流れる。
この事から、このエレベーターは来客用なのだと分かる。
その為、職員達は別のエレベーターを使用しているのだと。
その割には殺風景な、ビルのバックヤードにあるような荷物用エレベーターっぽい内装だが。
まだ善野氏は来ておらず、代わりに地上の守衛所にいる守衛さん達の1人が受付に座っていた。
守衛:「おはようございます。それじゃ今日も、このリストタグをお着けください」
昨日着けたものと同じリストタグが渡される。
昨日は地上に戻る時に受付に返却していた。
再びビジター用の物を装着する。
守衛さんは善野氏とは違う紫色のタグを着けていた。
これは確か、所長用のタグではなかったか。
もちろんこの人が所長ということは無く、警備業務上、どこのドアも開けられるタグを持っているだけだろう。
もしも所長クラスしか開けられない部屋で火災が発生した時に、いちいち所長クラスを呼んでいるわけにはいかないだろうから。
守衛:「それじゃですね、あちらの食堂で朝食を御用意しておりますので、9時まで利用できます。それ以外の部屋は、例の会議室とトイレ、喫煙所が使えます」
愛原:「了解しました。ありがとうございます」
まだ一般職員としては始業時間前なので、その間は守衛さん達が張っているのだろう。
食堂に向かう間に、別の巡回中の守衛さんとすれ違った。
リサ:「ここの守衛さんは、警棒持ってるだけでいいね」
愛原:「そうなのか?」
リサ:「アンブレラの研究所のは、銃を持ってたから……」
まあ、リサのようなBOWが収容されているような施設だと銃は必須だろう。
しかし、さすが非合法の物を研究していた悪の製薬会社なだけはある。
警備も法律を無視したものであったようだ。
多分、アンブレラ・セキュリティ・サービス(通称、USS)かな。
名前の通り、アンブレラ直営の警備会社である。
アメリカでは州にもよるが、許可さえ取れば民間の警備会社の警備員でさえも銃を所持することができるし、警察権を持つこともできる。
日本でも、表向きの施設(本社ビルや普通の認可薬の製薬工場など)では作者が所属しているような普通の警備会社に委託していたようだが、リサ達が収容されていたような裏の施設ではUSSが警備していたようである。
愛原:「非合法の施設だから、警備も非合法か」
リサ:「うん。ああいうお巡りさんみたいな恰好じゃなく、軍服を着てたから」
愛原:「あー、なるほど……」
リサ達相手だから、警備がもはや中東地域を警備するような態勢だったわけか。
愛原:「えーと……ここだな」
食堂に行くと、他に職員達はいなかった。
恐らく、普段はモーニングはやっていないのだろう。
だから、この時間と夕食は直接食堂を利用して良いようだ。
〔……科学的計算に基づいた、健康的で美味しい食事をお楽しみください〕
リストバンドで食堂のドアを開けると、またもや音声案内が流れた。
どうやら、ビジター用のリストタグやカードキーに反応して音声が流れるようである。
愛原:「で、どうやって朝食を持ってくるんだろう?」
火災防止の為か、実は厨房は無い。
この真上の1階には本館の食堂があり、そこの厨房で作ったものを専用の小型エレベーター(ダムウェイター)で運んでいるというわけである。
私達が給茶機でお茶や水を入れていると、エレベーターの到着する音が聞こえた。
こういう小型エレベーターのドアは手動式である。
手で開けると、朝食がワゴンに乗っていた。
ワゴンの上には他に、『食事が終わりましたら、このワゴンに乗せて1階まで回送願います』という注意書きもあった。
愛原:「こういうことか」
朝食は八王子中央ホテルで出たものと大体同じ。
ただ、ボリュームは一回り大きかった。
焼き魚も、ホテルで出たものよりも大きくて厚い。
御飯の入ったおひつも一回り大きいものが2つあったし、味噌汁は鍋に入ったままであった。
つまり、鍋に入っている分、お代わり自由ということである。
愛原:「こりゃいい」
ここの食堂の食事に関しては、リサも特に申し分無いようであった。
枕元のスマホがアラームを鳴らして、私は目が覚めた。
昨夜は少し変な夢を見たが、まあまあ眠れた方だ。
何しろ、リサの触手に絡め取られるという夢だったのだから。
私は起き上がると、頭をぶつけそうになった。
私は2段ベッドの下段に寝ていた。
上段との高さが低いので、油断して上体を一気に起こすと上段に頭をぶつけてしまう。
2泊だけなので、シーツなどのリネンはそのままにしておく。
愛原:「おはよう」
高橋:「……おはざっス」
高橋も寝惚け眼であった。
室内にも洗面所はあるが、1つだけである。
私は洗面道具を手に取ると、それを手に部屋を出た。
本館にもあったが、こちら別館側にも洗面室があるからである。
そしてやはり、コインランドリーもあった。
リサ:「先生、おはよう」
絵恋:「おはようございます」
そこで歯を磨いていると、少女2人も起きて来た。
浴衣からジャージに着替えている。
歯磨き中で喋れない私は首を縦に振ることにより、答礼とした。
洗面室から部屋に戻ってから、また私は着替える。
私の場合は白ワイシャツに、スーツのズボンである。
8時ぐらいを目途に、また地下へと向かった。
リサ:「また地下生活か……」
愛原:「今日だけだよ。今日だけな」
不安げなリサに対して、私はそう言った。
今日は昨日と打って変わって天気が良い。
窓から差し込む朝日が明るいが、今日もまた暑くなるだろう。
そして、夕方にはゲリラ豪雨が降るかもしれない。
〔下に参ります〕
そんな夏の日光に別れを告げ、私達は地下世界へと向かう。
[同日08:00.天候:晴 同区内 地下秘密研究所]
ガラガラと重々しい音を立てて、エレベーターのもう1つのドアが開いた。
〔ようこそ、お越しくださいました。訪問を歓迎します〕
エレベーターのドアが開く度に、エレベーターホールのスピーカーからこのような音声が流れる。
この事から、このエレベーターは来客用なのだと分かる。
その為、職員達は別のエレベーターを使用しているのだと。
その割には殺風景な、ビルのバックヤードにあるような荷物用エレベーターっぽい内装だが。
まだ善野氏は来ておらず、代わりに地上の守衛所にいる守衛さん達の1人が受付に座っていた。
守衛:「おはようございます。それじゃ今日も、このリストタグをお着けください」
昨日着けたものと同じリストタグが渡される。
昨日は地上に戻る時に受付に返却していた。
再びビジター用の物を装着する。
守衛さんは善野氏とは違う紫色のタグを着けていた。
これは確か、所長用のタグではなかったか。
もちろんこの人が所長ということは無く、警備業務上、どこのドアも開けられるタグを持っているだけだろう。
もしも所長クラスしか開けられない部屋で火災が発生した時に、いちいち所長クラスを呼んでいるわけにはいかないだろうから。
守衛:「それじゃですね、あちらの食堂で朝食を御用意しておりますので、9時まで利用できます。それ以外の部屋は、例の会議室とトイレ、喫煙所が使えます」
愛原:「了解しました。ありがとうございます」
まだ一般職員としては始業時間前なので、その間は守衛さん達が張っているのだろう。
食堂に向かう間に、別の巡回中の守衛さんとすれ違った。
リサ:「ここの守衛さんは、警棒持ってるだけでいいね」
愛原:「そうなのか?」
リサ:「アンブレラの研究所のは、銃を持ってたから……」
まあ、リサのようなBOWが収容されているような施設だと銃は必須だろう。
しかし、さすが非合法の物を研究していた悪の製薬会社なだけはある。
警備も法律を無視したものであったようだ。
多分、アンブレラ・セキュリティ・サービス(通称、USS)かな。
名前の通り、アンブレラ直営の警備会社である。
アメリカでは州にもよるが、許可さえ取れば民間の警備会社の警備員でさえも銃を所持することができるし、警察権を持つこともできる。
日本でも、表向きの施設(本社ビルや普通の認可薬の製薬工場など)では
愛原:「非合法の施設だから、警備も非合法か」
リサ:「うん。ああいうお巡りさんみたいな恰好じゃなく、軍服を着てたから」
愛原:「あー、なるほど……」
リサ達相手だから、警備がもはや中東地域を警備するような態勢だったわけか。
愛原:「えーと……ここだな」
食堂に行くと、他に職員達はいなかった。
恐らく、普段はモーニングはやっていないのだろう。
だから、この時間と夕食は直接食堂を利用して良いようだ。
〔……科学的計算に基づいた、健康的で美味しい食事をお楽しみください〕
リストバンドで食堂のドアを開けると、またもや音声案内が流れた。
どうやら、ビジター用のリストタグやカードキーに反応して音声が流れるようである。
愛原:「で、どうやって朝食を持ってくるんだろう?」
火災防止の為か、実は厨房は無い。
この真上の1階には本館の食堂があり、そこの厨房で作ったものを専用の小型エレベーター(ダムウェイター)で運んでいるというわけである。
私達が給茶機でお茶や水を入れていると、エレベーターの到着する音が聞こえた。
こういう小型エレベーターのドアは手動式である。
手で開けると、朝食がワゴンに乗っていた。
ワゴンの上には他に、『食事が終わりましたら、このワゴンに乗せて1階まで回送願います』という注意書きもあった。
愛原:「こういうことか」
朝食は八王子中央ホテルで出たものと大体同じ。
ただ、ボリュームは一回り大きかった。
焼き魚も、ホテルで出たものよりも大きくて厚い。
御飯の入ったおひつも一回り大きいものが2つあったし、味噌汁は鍋に入ったままであった。
つまり、鍋に入っている分、お代わり自由ということである。
愛原:「こりゃいい」
ここの食堂の食事に関しては、リサも特に申し分無いようであった。