[魔界時間9月12日10:15.天候:晴 魔界王国アルカディア 王都アルカディアシティ壱番街 魔王城]
エレーナ:「ポーリン先生、アメリカのMGカンパニーよりお届け物です」
ポーリン:「御苦労。それでは、サインをしよう」
エレーナ:「はい、こちらにお願いします。……ありがとうございました」
ポーリン:「“魔女の宅急便”に精を出すのもいいけど、ちゃんと魔法薬の修行もするんだよ?」
エレーナ:「ギクッ!……わ、分かってますぅ……」
ポーリン:「見た目はキキじゃなくて、霧雨魔理沙だけどね」
エレーナ:「よく言われます。それでは、失礼します」
師匠に釘を刺され、冷や汗もののエレーナだった。
[現地時間9月23日13:12.天候:曇 ロシア共和国サンクトペテルブルク市内某所]
エレーナ:「お邪魔しまーす。アナスタシア先生、お届け物でーす。とある政府高官からです」

(アナスタシア・ペレ・スロネフ)
アナスタシア:「ありがとう。どこにサインすればいい?」
エレーナ:「こちらにお願いします」
アナスタシア:「あと、これはチップね」
エレーナ:「あざざざざざーっス!」
[現地時間9月25日11:28.天候:雨 イギリス連合王国ロンドン某所]
エレーナ:「よーっス、ルーシー。お届け物だぜ!」
ルーシー:「マリアンナから?」
エレーナ:「新しい人形ができたんで、届けてくれだってよ。ったく、あの野郎、チップも寄越さねーで……」
ルーシー:「日本はチップの要らない国だからね」
エレーナ:「自分はイギリス人だろうが。なぁ?」
ルーシー:「稲生さんと結婚したら、日本人になるんだろうから、別にいいんじゃない」
エレーナ:「あの超絶根暗魔女がなぁ……」
ルーシー:「はい、ここにサインすればいいの?」
エレーナ:「おう、そうだぜ。ありがとうだぜ」
ルーシー:「ここはイギリスだから、チップあげるわ」
エレーナ:「さすがルーシー!愛してるぜ!」
ルーシー:「……何でノリがアメリカ人なのよ?」
[現地時間10月1日14:46.天候:晴 ロシア共和国ウラジオストク市某所]
エレーナ:「もう1人の稲生氏!お届け物です!」
稲生悟郎:「おお!リアル“魔女の宅急便”!」
エレーナ:「嫁さんのナディア宛てです!」
悟郎:「それじゃ、ハンコ……あ、いや、サインの方がいいんだっけ?」
エレーナ:「さすが日本人。どちらでもいいですよ」
悟郎:「それじゃ、ハンコっと。良かった。この国じゃ、ハンコはダメみたいで……」
エレーナ:「まあ、でしょうな。それじゃ、ナディアによろしくです」
悟郎:「どうもどうも」
エレーナ、ホウキに跨って離陸する。
エレーナ:(やっぱ日本人はチップくれねーなー………)
[日本時間10月12日11:23.天候:晴 日本国長野県北安曇郡白馬村某所 マリアの屋敷]
エレーナ:「ちわーっ!お届け物でーす!」
稲生勇太:「ああ、エレーナかい。ご苦労さん。誰宛て?」
エレーナ:「イリーナ先生宛てだぜ。サインかハンコ、よろしくだぜ」
勇太:「じゃあ、ハンコ。僕のでいいね?」
エレーナ:「OKだぜ。……この前、もう1人の稲生氏の所にも荷物持って行ったら、ハンコ押されたぜ」
勇太:「もう1人のって?」
エレーナ:「ナディアの夫だぜ」
勇太:「ああ!従兄の悟郎さん!今、ナディアと一緒にウラジオストクに住んでる……」
エレーナ:「ロシア政府が傾いたら、日本人はヤバいぜ。今のうちに日本に移住した方がいいんじゃね?」
勇太:「うーん……。『イザとなったら、日本海を舟で横断する』とか言ってたけど……」
エレーナ:「なに北朝鮮の工作員感覚で言ってるんだぜ。稲生家は恐ろしいぜ」
勇太:「ナディアにルゥ・ラ(瞬間移動魔法)使ってもらえばそれでいいと思うんだけど……」
エレーナ:「アンタもゲーム感覚かい!」
[日本時間10月20日16:07.天候:曇 マリアの屋敷]
エレーナ:「ちわ!お届け物です!」
マリア:「おー、エレーナか。また修行サボッて宅急便屋か。御苦労だな」
エレーナ:「魔女だって生きて行くのにカネは必要なんたぜ。それより、イリーナ先生へのお届け物なんたぜ。早いとこサインするんだぜ」
マリア:「いや、ハンコの方が早い」
エレーナ:「オマエも持ってんのかーい!」
マリア:「いや、日本だと『サインNG』が多いから」
エレーナ:「それな!」
マリア:「これでいいか?」
エレーナ:「ありがとうだぜ!……ところでオマエ、イギリス人だろ?」
マリア:「ハンガリー系イギリス国籍だ。それがどうした?」
エレーナ:「国籍の習慣に従って、チップくれ」
マリア:「日本のホテルで働いてて何言ってるんだ。寝言は寝て言え」
[日本時間10月26日15:36.天候:晴 マリアの屋敷]
エレーナ:「こちゃーっス!お届け物でーす!」
イリーナ:「あら、エレーナ。ご苦労さんね」
エレーナ:「イリーナ先生が自ら出られるとは、珍しいっスね!?」
イリーナ:「どうせアタシ宛ての荷物でしょ?たまには自分で受け取るよ~。それにマリア達、今お使いに行ってるし」
エレーナ:「あいつらのことだから、途中でサボッて【イチャイチャ】【ラブラブ】してるんじゃないスか?」
イリーナ:「もちろん想定内」
エレーナ:「あ……そうっスか」
イリーナ:「ハンコはどこに押せばいいの?」
エレーナ:「イリーナ先生もっスか!?別にサインでもいいっスよ!?」
イリーナ:「まあ、ここはハンコ文化の日本だし。それに……」
エレーナ:「それに?」
イリーナ:「ヘタにペンを持とうとすれば、アタシと契約して欲しくてウズウズしている悪魔達が殺到するから……」
下級悪魔A:「ゲヘゲヘ……」
下級悪魔B:「契約……契約……」
中級悪魔:「こら!下級悪魔が大魔道師と契約だなんて、おこがましいにも程があるぞ!散れ!」
ケンショーグリーン:「ハァハァ……!イリーナ先生の高級パンティ……!ハァハァ……!」
エレーナ:「なに勝手に私の後ろに並んでんだーっ!帰れ帰れーっ!」
エレーナは爆撃魔法を使って、後ろに並んでいた中・下級悪魔達を排除した。
……約1名、悪魔じゃないのがいたような気がするが、気のせいとしておこう。
イリーナ:「はい。あと、これはチップ。魔法石でいいかね?」
エレーナ:「あざっス!……いえ、ありがとうございます!さすがはイリーナ先生!」
イリーナ:「この前のサバドでは、素っ裸ってダンスしたんだって?」
エレーナ:「やめてくださいよ。あれはほんの、ハロウィンの一環です」
魔女の集団の中には、素っ裸で魔法の儀式を行うスカイクラッドなるものが実際に存在するという。
ダンテ一門も例外ではないが、マリアの屋敷のプールや海外のヌーディストビーチで全裸水泳したり、温泉旅行で皆で大浴場に入るだけだったりと、殆ど形骸化している。
魔法の修行をガチで行うアナスタシア組でさえ、皆でロシアのサウナに入るくらいであるという。
イリーナ:「エレーナもハンコ作ったら?日本に住む以上、必要でしょう?」
エレーナ:「ああ……実はあるんですよ」
イリーナ:「あ、やっぱあるのね」
エレーナ:「はあ……。日本の役所の書類とか、全部ハンコでないとダメなんで……」
コロナ禍前、インバウンド外国人の中には、日本で自分のハンコを作るのも土産の1つだったと聞く。
エレーナ:「ポーリン先生、アメリカのMGカンパニーよりお届け物です」
ポーリン:「御苦労。それでは、サインをしよう」
エレーナ:「はい、こちらにお願いします。……ありがとうございました」
ポーリン:「“魔女の宅急便”に精を出すのもいいけど、ちゃんと魔法薬の修行もするんだよ?」
エレーナ:「ギクッ!……わ、分かってますぅ……」
ポーリン:「見た目はキキじゃなくて、霧雨魔理沙だけどね」
エレーナ:「よく言われます。それでは、失礼します」
師匠に釘を刺され、冷や汗もののエレーナだった。
[現地時間9月23日13:12.天候:曇 ロシア共和国サンクトペテルブルク市内某所]
エレーナ:「お邪魔しまーす。アナスタシア先生、お届け物でーす。とある政府高官からです」

(アナスタシア・ペレ・スロネフ)
アナスタシア:「ありがとう。どこにサインすればいい?」
エレーナ:「こちらにお願いします」
アナスタシア:「あと、これはチップね」
エレーナ:「あざざざざざーっス!」
[現地時間9月25日11:28.天候:雨 イギリス連合王国ロンドン某所]
エレーナ:「よーっス、ルーシー。お届け物だぜ!」
ルーシー:「マリアンナから?」
エレーナ:「新しい人形ができたんで、届けてくれだってよ。ったく、あの野郎、チップも寄越さねーで……」
ルーシー:「日本はチップの要らない国だからね」
エレーナ:「自分はイギリス人だろうが。なぁ?」
ルーシー:「稲生さんと結婚したら、日本人になるんだろうから、別にいいんじゃない」
エレーナ:「あの超絶根暗魔女がなぁ……」
ルーシー:「はい、ここにサインすればいいの?」
エレーナ:「おう、そうだぜ。ありがとうだぜ」
ルーシー:「ここはイギリスだから、チップあげるわ」
エレーナ:「さすがルーシー!愛してるぜ!」
ルーシー:「……何でノリがアメリカ人なのよ?」
[現地時間10月1日14:46.天候:晴 ロシア共和国ウラジオストク市某所]
エレーナ:「もう1人の稲生氏!お届け物です!」
稲生悟郎:「おお!リアル“魔女の宅急便”!」
エレーナ:「嫁さんのナディア宛てです!」
悟郎:「それじゃ、ハンコ……あ、いや、サインの方がいいんだっけ?」
エレーナ:「さすが日本人。どちらでもいいですよ」
悟郎:「それじゃ、ハンコっと。良かった。この国じゃ、ハンコはダメみたいで……」
エレーナ:「まあ、でしょうな。それじゃ、ナディアによろしくです」
悟郎:「どうもどうも」
エレーナ、ホウキに跨って離陸する。
エレーナ:(やっぱ日本人はチップくれねーなー………)
[日本時間10月12日11:23.天候:晴 日本国長野県北安曇郡白馬村某所 マリアの屋敷]
エレーナ:「ちわーっ!お届け物でーす!」
稲生勇太:「ああ、エレーナかい。ご苦労さん。誰宛て?」
エレーナ:「イリーナ先生宛てだぜ。サインかハンコ、よろしくだぜ」
勇太:「じゃあ、ハンコ。僕のでいいね?」
エレーナ:「OKだぜ。……この前、もう1人の稲生氏の所にも荷物持って行ったら、ハンコ押されたぜ」
勇太:「もう1人のって?」
エレーナ:「ナディアの夫だぜ」
勇太:「ああ!従兄の悟郎さん!今、ナディアと一緒にウラジオストクに住んでる……」
エレーナ:「ロシア政府が傾いたら、日本人はヤバいぜ。今のうちに日本に移住した方がいいんじゃね?」
勇太:「うーん……。『イザとなったら、日本海を舟で横断する』とか言ってたけど……」
エレーナ:「なに北朝鮮の工作員感覚で言ってるんだぜ。稲生家は恐ろしいぜ」
勇太:「ナディアにルゥ・ラ(瞬間移動魔法)使ってもらえばそれでいいと思うんだけど……」
エレーナ:「アンタもゲーム感覚かい!」
[日本時間10月20日16:07.天候:曇 マリアの屋敷]
エレーナ:「ちわ!お届け物です!」
マリア:「おー、エレーナか。また修行サボッて宅急便屋か。御苦労だな」
エレーナ:「魔女だって生きて行くのにカネは必要なんたぜ。それより、イリーナ先生へのお届け物なんたぜ。早いとこサインするんだぜ」
マリア:「いや、ハンコの方が早い」
エレーナ:「オマエも持ってんのかーい!」
マリア:「いや、日本だと『サインNG』が多いから」
エレーナ:「それな!」
マリア:「これでいいか?」
エレーナ:「ありがとうだぜ!……ところでオマエ、イギリス人だろ?」
マリア:「ハンガリー系イギリス国籍だ。それがどうした?」
エレーナ:「国籍の習慣に従って、チップくれ」
マリア:「日本のホテルで働いてて何言ってるんだ。寝言は寝て言え」
[日本時間10月26日15:36.天候:晴 マリアの屋敷]
エレーナ:「こちゃーっス!お届け物でーす!」
イリーナ:「あら、エレーナ。ご苦労さんね」
エレーナ:「イリーナ先生が自ら出られるとは、珍しいっスね!?」
イリーナ:「どうせアタシ宛ての荷物でしょ?たまには自分で受け取るよ~。それにマリア達、今お使いに行ってるし」
エレーナ:「あいつらのことだから、途中でサボッて【イチャイチャ】【ラブラブ】してるんじゃないスか?」
イリーナ:「もちろん想定内」
エレーナ:「あ……そうっスか」
イリーナ:「ハンコはどこに押せばいいの?」
エレーナ:「イリーナ先生もっスか!?別にサインでもいいっスよ!?」
イリーナ:「まあ、ここはハンコ文化の日本だし。それに……」
エレーナ:「それに?」
イリーナ:「ヘタにペンを持とうとすれば、アタシと契約して欲しくてウズウズしている悪魔達が殺到するから……」
下級悪魔A:「ゲヘゲヘ……」
下級悪魔B:「契約……契約……」
中級悪魔:「こら!下級悪魔が大魔道師と契約だなんて、おこがましいにも程があるぞ!散れ!」
ケンショーグリーン:「ハァハァ……!イリーナ先生の高級パンティ……!ハァハァ……!」
エレーナ:「なに勝手に私の後ろに並んでんだーっ!帰れ帰れーっ!」
エレーナは爆撃魔法を使って、後ろに並んでいた中・下級悪魔達を排除した。
……約1名、悪魔じゃないのがいたような気がするが、気のせいとしておこう。
イリーナ:「はい。あと、これはチップ。魔法石でいいかね?」
エレーナ:「あざっス!……いえ、ありがとうございます!さすがはイリーナ先生!」
イリーナ:「この前のサバドでは、素っ裸ってダンスしたんだって?」
エレーナ:「やめてくださいよ。あれはほんの、ハロウィンの一環です」
魔女の集団の中には、素っ裸で魔法の儀式を行うスカイクラッドなるものが実際に存在するという。
ダンテ一門も例外ではないが、マリアの屋敷のプールや海外のヌーディストビーチで全裸水泳したり、温泉旅行で皆で大浴場に入るだけだったりと、殆ど形骸化している。
魔法の修行をガチで行うアナスタシア組でさえ、皆でロシアのサウナに入るくらいであるという。
イリーナ:「エレーナもハンコ作ったら?日本に住む以上、必要でしょう?」
エレーナ:「ああ……実はあるんですよ」
イリーナ:「あ、やっぱあるのね」
エレーナ:「はあ……。日本の役所の書類とか、全部ハンコでないとダメなんで……」
コロナ禍前、インバウンド外国人の中には、日本で自分のハンコを作るのも土産の1つだったと聞く。