報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「リサの暴走を阻止せよ」

2022-07-03 20:10:22 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月13日16:30.天候:曇 東京都中央区日本橋某 某診療所]

 医師:「今回の診断結果についての診断書は、後ほど作成してデイライトさんに送付致します。いいですか?くれぐれも落胆なさらぬよう……」

 そんな話で締めくくられて、リサに対する検診に終わった。
 検診というか、健診のようなものだったが。
 今回の件に関する費用は、全てデイライトさん持ちということもあり、私達はそのまま帰って良かった。

 高橋:「先生、サーセン、遅くなっちゃって……。駐車場探してたら、昔世話ンなったオマワリ……いや、刑事に見つかっちゃって……」

 高橋は私とリサの帰り際、ようやく合流してきた。

 愛原:「何だ?また捕まったのか?」
 高橋:「いやいや!もしそうなら、ここに来れないっスよ!ただの世間話っス!少年課の刑事なんで、俺の後輩の後輩で悪いことやっているヤツがいて、そいつを知らないかとか、あとは俺が今何やってんのかとか、そんな所っス」
 愛原:「ふーん……まあいいや」

 ピーンポーン♪(エレベーターが到着するチャイム)

 診療所を出た後、私達はエレベーターに乗り込んだ。
 リサが先に乗り込んで、1階のボタンを押す。
 エレベーターには他に誰も乗っておらず、エレベーターは下に降りて行った。

 愛原:「それで車は?」
 高橋:「幸い刑事と駄弁ってる間に、ちょうどビルの前の通りのパーキングメーターが空いたんで、そこに止めました」
 愛原:「そうか。領収書は?」
 高橋:「あ、もちろん、ここに」
 愛原:「よし。後で経費で払うよ」
 高橋:「あざっス!」

 ピーンポーン♪

 エレベーターが1階に着いて、私達は広いエントランスホールを歩く。

 リサ:「先生、喉乾いた。何か、飲み物買っていい?」
 愛原:「ああ、いいよ。確か、ビルの外に自販機があったな。そこで買えばいい」

 ビルの外に出ると、確かに大通りの上にあるパーキングメーターの前に、車が止まっていた。

 愛原:「なるほど。いい所に止まったな」
 高橋:「でしょー?」

 私はリサに小銭入れを渡して、飲み物を買いに行かせた。

 愛原:「なあ、高橋」
 高橋:「何スか?」
 愛原:「今夜の晩飯なんだけど……」
 高橋:「何がいいっスか?」
 愛原:「肉系がいいんだけど、なるべくサッパリしたもので頼む」
 高橋:「肉系でサッパリっスか?……了解っス」
 愛原:「頼むぞ」

 リサはすぐにペットポドルのジュースを買って戻って来た。
 ゾンビやクリーチャーなら、壊して中身を取ろうとするが、リサはまだ暴走していない。
 いや、暴走したら多分言葉も話せなくなる。

[同日17:00.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 車に乗って移動中に、雨が降り出して来た。

 愛原:「俺は事務作業があるから、事務所に行くけど、リサはどうする?」
 リサ:「私も事務所に行く」
 愛原:「家に帰って、休んでた方がいいんじゃないか?」
 リサ:「ううん。わたしも、事務所にいたい」

 リサが強く希望したので、叶えてやることにした。
 高橋は事務所のビルの前で車を止めた。

 高橋:「それじゃ先生、俺は先に帰ってますんで」
 愛原:「ああ。多分、事務作業があるから、19時くらいになると思う」
 高橋:「了解っス」

 雨が降っていたので、私とリサは急いでビルの中に入った。
 そして、先ほどのビルのよりも明らかに小さなエレベーターに乗って、事務所のあるフロアに向かう。

 愛原:「リサはどうするんだ?」

 事務所に入ってから、私は改めて聞いた。

 リサ:「……少し休んでるね。そこの応接室で」
 愛原:「オマエなぁ……」

 だったら帰れば良かったのにと思ったのだが……。
 まあ、いいや。
 リサは応接室に入って行った。
 応接室の3人用ソファはカウチタイプになっており、もしも事務所に泊まり込むようなことがあれば、あれをベッドにすることができる。
 リサもそうして休むつもりだろう。
 17時と言えば、もう役所は窓口を閉める時間である。
 なので私も、形式的には17時以降の報告は緊急時以外メールでするようにしている。
 医師の診断書も当日中にはできないだろうから、来週以降になるはずだ。
 その辺も含めて報告書に記載し、メールでデイライト東京事務所の善場主任のPCに送るのである。
 紙での報告書が良ければ、後ほど印刷して持って行けば良い。
 しかし、マズいことになった。
 やはり、リサも他人事ではなかったのだ。
 リサもまた、他の日本版リサ・トレヴァー達と同じ末路に晒されていたのである。
 不幸中の幸いなのは、その末路へ向かうスピードが遅いこと。
 だが、油断はできない。
 何かしらのきっかけで、いきなりスピードアップするかもしれないのだ。

 愛原:「ん?」

 メールを送ってから5分としないうちに、事務所の固定電話が掛かって来た。
 モニタを見ると、デイライトからだった。
 恐らく、善場主任だろう。

 愛原:「はい、もしもし」
 善場:「愛原所長、お疲れさまです。善場です」

 案の定、善場主任だった。

 愛原:「善場主任、お疲れさまです」
 善場:「ざっとですが、メールの方、拝見しました。リサは今、どちらに?」
 愛原:「事務所です。今、応接室で休んでいます」
 善場:「今は特に具合が悪いというわけではないのですね?」
 愛原:「そうですね。今のところは……」
 善場:「分かりました。所長、日本版リサ・トレヴァーの暴走を防止する為には、食欲を満たせさせなければなりません」
 愛原:「分かっています。しかし、『1番』が急激にそうなったように、『2番』のリサも徐々にですが、普通の食事を受け付けなくなりつつあります」
 善場:「食べれない食肉は無いのですか?」
 愛原:「今のところ牛肉と豚肉がダメになったようです。鶏肉はまだサッパリしているのか、それはまだ食べれるようです」
 善場:「分かりました。要は脂分の少ない肉なら、受け付けるということですね」
 愛原:「恐らく……今のところは」
 善場:「今夜のメニューは何ですか?」
 愛原:「高橋に聞かないと分かりませんが、一応、肉系を中心にしたサッパリした料理を作るように言ってあります」
 善場:「分かりました。まずは、それで試してみてください。もしそのような料理も受け付けなくなったというのでしたら、また御連絡ください。夜間でも構いませんので」
 愛原:「分かりました」
 善場:「あと、私に考えがあります。所長、明日は時間がありますか?」
 愛原:「ええ、まあ……」
 善場:「明日、また改めて御連絡致します」

 電話連絡は終わった。
 まだ、他のクライアントに対する報告書の作成ができていなかったので、それをしてから帰ることにした。
 それも含めて、1時間ぐらいは残業しないといけないという計算だ。
 因みに私は経営者なので、残業代が出ることはない(高橋が残業したら、残業代を出す立場である)。
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“私立探偵 愛原学” 「リサの体調悪化」 3

2022-07-03 15:52:03 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月13日15:30.天候:曇 東京都中央区日本橋某 某ビル内診療所]

 リサが受けた検査は、まるで健康診断の検査のようだった。

 事務員:「そしたらですね、今度は御小水を取ってもらいますので、こちらの紙カップに御小水を……」

 検尿があったり……。

 検査技師A:「それでは採血です。腕を出して」
 リサ:「はい」

 血液検査があったり……。

 検査技師B:「愛原リサさん、次は心電図検査です」
 リサ:「心電図……。あのくすぐったいヤツ。また脱がなきゃ」

 電極を胸の辺りに着ける時、くすぐったい感覚を体験したことのある人は挙手!
 因みにリサは今日、体育があったので、下着はスポーツタイプのものを着けていた。
 リサが戸惑ったのは……。

 看護師:「愛原リサさん、次は検便です。今、出せますか?」
 リサ:「……出せない」
 看護師:「それでは、お浣腸をしますので、こちらに……」
 リサ:「カンチョー!?やだやだやだやだやだやだやだ!」

 リサは思いっ切り嫌がった。
 どうやら、アンブレラの研究所にいた時、それでかなり嫌な思いをしたらしい。
 恐らくマニアックなAVのタイトル風に言うと、『本物のJSロリ美少女に浣腸プレイさせてみた!』とか、『人間だったら逮捕必至!BOW美少女浣腸アクメ!!』とか、『マニア必見!ロリ少女、浣腸脱糞!!』とか、そんな感じだろう。
 因みにリサが日本アンブレラの研究所に捕まっていた頃、肉体年齢的には小学校程度だったので。

 愛原:「リサ、これはエロ実験とかじゃなく、本当に医療行為なんだよ?」
 リサ:「やだやだやだやだ!だったら、まだお注射の方がマシだよ!!」

 このままではリサが暴走してしまう。
 だが、リサはピタッと暴れるのをやめた。

 リサ:「先生がしてくれるなら……いいけど」
 愛原:「普通、逆だろ?!」

 女の子なら、まだ女性看護師さんに浣腸された方がいいだろう。

 リサ:「普通の人間じゃ……ないもん」

 この作品が18禁のエロクソモノなら、私がやってもいいのだが、さすがにこれは西村寿行先生の作品でも無いだろう。

 看護師:「それなら、下剤にします?」
 愛原:「そうですね。そうしましょう」
 リサ:「それもヤダ……」
 愛原:「薬が不味いのはしょうがないだろ」

 私も人間ドックに入った時、大腸検査の為に下剤を飲んだことがある。
 大腸の中身を空にしないと、内視鏡カメラが入らないからだ。
 前日からの食事制限も辛いものだが、当日の下剤2リットルの刑もなかなかどうして厳しいものだった。
 作者はよくあんなの毎年やってられるなぁ。

 リサ:「下剤飲まされて、おもらしさせられたこと……あるもん」

 リサは俯いて、目に涙を浮かべながら、必至に悔しさを堪える顔をした。
 どうやらアンブレラにいた頃は、実験という名の浣腸プレイの他、下剤プレイもさせられたらしい。
 何てマニアック且つ変態連中の集まりだったんだ!
 アメリカのアンブレラ本体は、マッドサイエンティストの集まりだったが、日本は変態の集まりだったようだな。

 看護師:「おもらししなくていいのよ?」
 リサ:「えっ、いいの!?」
 愛原:「いいに決まってんだろ!さっきの検尿だって、別におしっこプレイじゃなかっただろ?」
 リサ:「……確かに!」

 というわけでリサは看護師に連れて行かれ、そこで浣腸されてトイレで検便をしたのであるが……。

 リサ:「……!!」

 リサは憤慨した様子でトイレから出て来た。

 愛原:「こ、今度は何だ!?」

 まさか、間に合わずにおもらししてしまったのだろうか?
 その割には、特に下半身が汚れてたりはしないが……。

 リサ:「トイレが和式だった」
 愛原:「えっ!?」
 リサ:「トイレが和式だったの!!」
 愛原:「い、いや、それくらいで……!」

 こういう医療機関で和式トイレとは珍しいが、検便するなら実は洋式よりも和式の方が採取しやすいのは事実だ。
 だが、リサの話をよくよく聞いてみると、どうやらリサが使わされたトイレ、埼玉の斉藤家にあるトイレや、アンブレラの研究所にあるトイレと同じだったらしい。
 即ち、和式便器に排便した後、水を流す操作をすると、便器に穴が開いて、そこから大便が全て下に落ちるというものだ。
 研究員達は、その大便を検査するのである。
 この診療所にも、そういうトイレがあるというのだ。
 試しに私もトイレに行ってみたが、男子トイレは何の変哲も無かった。
 個室は3つあったが、どれもが全部洋式トイレだった。
 斉藤家みたいに和式と洋式が切り替えできる構造になっているのかと思ったが、そうできる仕掛けが施されている様子は無かった。
 女子トイレだけなのだろうか?
 診療所なので、それとは別に車椅子対応の多目的トイレもある。

 リサ:「もう帰りたい」
 愛原:「えっと……もう終わりなのかな?」
 看護師:「最後に先生の診察があります。どうぞ、こちらへ」
 愛原:「私も付き添っていいですか?」
 看護師:「どうぞ」

 私はリサと一緒に診察室に入った。
 中には聴診器を手にした、年配の医師がいた。
 診察の仕方が、やっぱり健康診断のそれと同じだ。

 医師:「はい、目を大きく開いて。ライトを当てます」

 今のリサは第0形態なので、瞳の色も黒だ。
 しかし、ペンライトの光を当てると、若干茶色に変化した。

 医師:「それでは、次は喉の奥を見ます。このアイスの棒みたいなヤツで」
 リサ:「あ……ん」

 リサ、口を大きく開く。
 第1形態では異様に発達した犬歯が目立ち、第2形態では全ての歯が尖る(いわゆるギザ歯)のに対し、第0形態では特に歯の形に変化は見られない。

 医師:「次は、胸の音を聴かせてください」

 リサはブラウスの前を開いた。
 下は黒いスポブラを着けている。
 医師はリサの胸に聴診器を当てた。
 リサの左腋の下には、『2』という数字の入れ墨が見える。
 医師はその他、背中にも聴診器を当てた。
 リサの肩甲骨の辺りには、赤黒い痣がある。
 これは第2形態以降、触手が生えてくる場所だ。
 だが、リサにとってはツボにも当たるのか、ここをグリグリとマッサージしてやると、リサはトロけた顔で気持ち良さそうな顔をするのだ。

 医師:「ふーむ……」
 愛原:「先生、どうでしょう?」
 医師:「えーと、保護者の方ですね?」
 愛原:「そうです」
 医師:「ちょっと話がありますので、よろしいですか?」
 愛原:「ええっ!?」

 診察室からはリサだけが退出させられ、私が残って医師と話をすることにした。

 医師:「実は、ここに来た日本版リサ・トレヴァーは、『2番』のあのコだけではありません」
 愛原:「ええっ!?」

 他にも日本版リサ・トレヴァーが来ていた!?
 『1番』か!?

 愛原:「それは……『1番』ですか?」
 医師:「『1』という数字があったので、恐らくそうでしょう。彼女は、『食欲が無くなった』という理由で診察に来ました」
 愛原:「食欲が無くなった!?」
 医師:「結果的に言えば、人間の血肉以外の食欲が無くなったということです。『1番』は急激にそうなったようですが、『2番』のあのコは緩やかではありますが、その兆候が見られます」
 愛原:「ええーっ!?すると、それじゃ……」
 医師:「このままでは、『1番』と同じ運命を辿ることになるでしょう」
 愛原:「た、対処法は……?」
 医師:「肉を食べさせることです」
 愛原:「し、しかし、リサは普通の肉を受け付けなくなっているのですよ?」
 医師:「本当に全ての食肉を受け付けなくなりましたか?もしそうなら、次は食人だけということになります。そうなると、デイライトさんを通じてBSAAに対応してもらう他無くなります」
 愛原:「それは……!」

 リサを殺処分するということだ。
 一体、どうすればいいんだ?
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