報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「東京中央学園上野高校文化祭」 前日

2023-03-27 20:30:38 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月2日16時00分 天候:曇 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 リサ「ちょうどお腹が空いてたのォォォォォ!!人間の肉ゥゥゥゥ食わせろぉぉぉぉぉ!!」
 栗原蓮華「人食い鬼が!成敗する!!」

 第1形態に戻ったリサが白い仮面を脱ぎ捨て、牙と長い爪を持って栗原蓮華に飛び掛かる。
 蓮華は鬼斬り用の真剣である打刀ではなく、模造刀である全く斬れない脇差を抜くと、それでリサに斬り掛かった。
 鬼斬りらしく、首を狙う。

 リサ「がはっ……!や……ら……れ……た……!」

 リサ、その場に倒れる。

 蓮華「人食い鬼、成敗」

 蓮華は脇差についた鬼の血を振り払うと、それを鞘に納めた。
 しかし、リサの体からは血は出ていないし、蓮華の脇差も血はついていない。
 リサはムクッと起き上がった。

 リサ「こういう感じでツアーは終了」
 蓮華「はー……とんだ茶番だわー……。何でこんなの引き受けたんだろ……」

 蓮華は右手を頭にやって溜め息をついた。

 愛原「蓮華さんだってノリノリじゃない。剣道着に袴まで穿いてきて」
 蓮華「こ、これは……剣道部の部活が……」
 リサ「運動部の3年生は、そろそろ受験とかで忙しくなるから、2年生に引き継いで引退って聞いてるけど……」
 蓮華「わ、私の進学先は学園大だからいいの!」

 付属の大学なので、高校の成績や功績次第では推薦で入学できる。

 愛原「で、こういうイベントを毎回ツアーごとに行うわけか」
 リサ「そう!」
 愛原「どうだろう?たまには蓮華さんが負けてみたら?」
 蓮華「ええっ?」
 リサ「それいい!袴だけ脱がして、公開おもらしショー!」
 蓮華「マジで首刎ねるぞ!!」
 愛原「そういうことじゃなくて。要は、ディズニーランドのシンデレラ城方式だよ」
 リサ「そんなのパクッて、後でオリエンタルランドからクレーム来ない?」
 愛原「だ、大丈夫だ。要は本来、人食い鬼であるリサを倒すはずの蓮華さんが負けてしまい、他の参加者が倒さなきゃいけないという状況になる。その誰かに倒してもらうというイベントだ」
 淀橋「それは面白そうですね!」
 リサ「ヨドバシ、裏切り者」
 淀橋「あっ……!」
 愛原「ま、いきなりの変更は難しいかもしれないけど、参考までに……」
 リサ「じゃあ、先生が監修して」
 愛原「ええっ!?」
 リサ「明日は先生も来るんでしょ?先生がツアーに参加した時に、鬼斬りセンパイがわたしにやられる。その時、先生が銃でわたしを撃って倒すというのはどう?」
 愛原「身内同士だと、八百長臭いからダメだ。誰かが銃を拾い、それでリサに撃って倒すというのはどうだ?」
 小島「でも、銃はどうやって用意するんです?本物なんか持ち込んだら危ないですよ?」
 愛原「銃は俺のハンドガンを使う。これは本物だけど、装填する銃弾は空包とする。これなら発砲音はしても、リサに対して殺傷能力は全く無い」
 リサ「まあ、本物でも、そんなものでわたしは殺せない」
 愛原「それでも被弾した時に血は出るから、制服が汚れるだろ?」
 リサ「それもそうだ」
 愛原「そういうことにしよう」

 面白いイベントにはなりそうだった。

[同日18時00分 天候:曇 同高校1階・家庭科室]

 愛原「家政部の料理はカレーか」
 リサ「これなら大量に作っておけるし、1日寝かせて、明日は更に美味しいカレーになるんだって」
 愛原「考えたな」

 愛原は帰ろうとしたのだが、家政部の中に『魔王軍』がいるということで、ついでに夕食を食べて行ってほしいと引き留められた。

 愛原「うん、美味い美味い」
 リサ「わたしも手伝ったんだよ!」
 愛原「リサが作ると、大辛になるからなぁ……」
 家政部員「一応、万人受けするように、中辛で作りました」
 愛原「うん、そうだね。こういうのでいいんだよ、こういうので」
 リサ「わたしには、ちょっと物足りないかな……」
 愛原「だったら、唐辛子入れればいいだろう」
 リサ「先生、朝ごはんは?」
 愛原「適当に食べてくるよ」
 家政部員「だったら朝カレーもありますよ?」
 リサ「だって」
 愛原「おいおい……。ていうか、リサ達はどうするんだ?」
 リサ「朝カレー食べる」
 愛原「マジか……」

 明日の文化祭までに、『魔王軍』達で完食しちゃうんじゃないのかと心配になった愛原だった。

[同日19時00分 天候:雨 同高校女子水泳部室・シャワー室]

 愛原はホテルへと引き上げ、『魔王軍』メンバー十数名が残った。
 メンバーの中には非正規員もおり、彼女らは他の出し物に参加する為、今回は泊まらない。
 泊まるのはリサと四天王、そして正規員だけであった。

 リサ「ふう……」
 淀橋「良かったね。シャワー借りられて」
 リサ「ん」

 リサはシャワーから出ると、体を拭いた。

 小島「女子水泳部にも七不思議の噂があるんですよね」
 リサ「女子水泳部員の幽霊の話か。ロッカーの中にマネキン仕掛けておいて。あとは、わたしが特異菌仕掛けて動くようにするから」

 女子水泳部員が活動中に溺死するという事故が過去に起きた。
 それ以来、その部員が使っていたロッカーを使うと、呪われて自分も溺れるという。
 そのロッカーがどこかは分からないが、もしも扉を開けて、彼女の幽霊と遭遇した場合、ただ単に溺れるだけでは済まない……という噂であった。

 上野凛「はーい」
 桜谷「上野さん、楽しそうね?」
 凛「まあ、女子陸上部には怖い話は無いから。男子陸上部には、キナ臭い話はあるけどね」
 リサ「ああ。昔、男子バスケ部ともめた話か……」

 まだバスケがそんなに人気があるわけではなかった頃、男子陸上部に期待の新人が入った。
 しかし、当時の男子バスケ部のキャプテンは、そんな新人こそバスケ部の強化に必要と、引き抜きを画策した。
 当然、男子陸上部は面白くない。
 となれば、トラブル勃発は必至だった。
 人間の歪んだ情熱が起こした怖い話という、お化けも幽霊も登場しない珍しい怪談話である。

 リサ「わたしも聞いたけど、あれ、男子だから直接的なケンカで済んだけど、女子だったら陰湿で、もっと怖い話になってたと思うよ?」
 凛「え、ええ。それは……言えてますね」
 リサ「こうしてみると、この学園、百不思議くらいあったから、それを全部ツアーにして回ろうとすると、文化祭が1週間は欲しいよね」
 桜谷「一応、私も怖い話を聞いて、インパクトになった部分を絵にして描いてみましたが、やっぱり大変ですよ」
 小島「『魔王様』に厳選して頂くしか無いですね」
 リサ「分かってるよ」

 リサは体操服のブルマを穿いた。
 これが今夜の『魔王軍』の夜着である。
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“私立探偵 愛原学” 「東京中央学園上野高校文化祭」 前日

2023-03-27 17:21:05 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月2日15時00分 天候:曇 東京都台東区上野 上野アーバンホテル→東京中央学園上野高校]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 明日は東京中央学園上野高校で文化祭が行われる。
 生徒達もその準備の為に遅くまで残って準備をするそうだが、『魔王軍』のように泊まり込む生徒もいる。
 学校内は私の監視委託の対象外のはずだが、善場主任からは強化中なので、それはダメだと言われた。
 しかし、いくらPTA会長代行とはいえ、私の泊まり込みは認められない。
 そこで、学校近隣のビジホに泊まって、何かあったらすぐに駆け付けられるようにしておいた。
 都心にある学校ならでの措置か。
 宿直室もあるのだが、宿直制度が無くなった今、そこは警備会社の警備員の休憩室兼仮眠室になっているので、そこも泊まれない。

 愛原「ちょっと出てきます」
 フロントスタッフ「行ってらっしゃいませ」

 空はどんよりと曇っていて、何だか降りそうだ。
 因みに今、事務所は高橋に任せている。
 私はホテルから徒歩数分の高校へと向かった。
 事務室の窓口で入構手続きをして、それから校内に入る。

 リサ「あ、先生」

 そこから新聞部の部室に行くと、リサがいた。
 リサは新聞部員ではないが、新聞部が毎年恒例で“学校の七不思議”特集をしている為、ここを明日の活動拠点にするらしい。
 手作りの『学校の七不思議ツアー受付』という看板も、部室のドアに掲げられている。

 愛原「様子を見に来たぞ。……別にリサのことが信用できないんじゃなく、善場主任から、監視強化だって言われただけだ」
 リサ「分かってるよ」
 愛原「で、どうすんるんだ?明日はどんな感じでツアーやるんだ?」
 リサ「学校の七不思議の場所となった所を皆で回るの。で、わたし達が語り部になって、その場所を案内する」
 愛原「ふんふん」
 リサ「で、わたしがたまに演出する。特異菌を使って」
 愛原「特異菌使うのかよ!?」
 リサ「明日だけは、わたしも第1形態までなら正体を現そうかなって思ってる」
 愛原「鬼の姿だで?大丈夫か?」
 栗原蓮華「イザとなったら私が首を刎ねますので、愛原先生は安心してください」

 剣道着に袴姿の栗原蓮華がやってきた。
 左足は義足だが、袴を穿いていると、それが分からない。

 愛原「蓮華さんか」
 リサ「最後はわたしが暴走したフリをして、鬼斬りセンパイに斬られるパフォーマンスでツアー終了」
 愛原「そういうオチか!」
 蓮華「ついでに本当に跳ね飛ばしてもいいんだよ?」
 リサ「デイライトに逮捕されますよ?」
 蓮華「言うねぇ!」
 リサ「何が?」
 愛原「まあまあ!ケンカはやめろ!蓮華さんは泊まらないのか?」
 蓮華「私は『魔王軍』ではないので、泊まりません。うちのクラスで出し物はしますので、その手伝いです」
 愛原「蓮華さんは3年3組だっけ?何をやるの?」
 蓮華「焼きそばをやるので、食べにきてください」
 愛原「おー、それはいいね。さすがは本所吾妻橋」
 蓮華「ありがとうございます」

 蓮華は生粋の江戸っ子ではない(霧生市出身)が、親族がそこに住んでいるので。

 リサ「それより先生。先生もコースの下見、手伝ってよ」
 愛原「あー、そうだな。一応、どういった感じでやるのか、俺も把握させてもらおう」
 リサ「ちょっと待って。今、メンバー呼んでくる」

 リサはスマホを取り出した。
 グループLINEを使って呼び出すのだろう。
 スマホやケータイが無かった頃、こういう女子のグループって、どうやって仲間集めしていたのだろう?

 淀橋「お待たせしました!」
 小島「愛原先生、こんにちは!」
 上野凛「まさか本当に、愛原先生が来るとは……」
 桜谷「四天王、全員集合です」
 リサ「オッケ」
 愛原「いやいやいや!全員、タイミング悪いんじゃないか!?」

 科学部の淀橋さんは白衣着たままだし、文芸部の小島さんは本持ったまんまだし、陸上部の凛はジャージ着たままだし、美術部の桜谷さんは絵の具で汚れたエプロン付けたまんまだで!?

 リサ「そんなの関係無い。『魔王』の呼び出しに、『四天王』は必ず従う掟」
 淀橋「その通り」
 小島「その通りです」
 凛「はい、そうです」
 桜谷「仰る通りです」
 蓮華「全員、目が死んでるのはどうしてかな?」
 愛原「昭和のスケバングループ並みの重い掟だな……」

 こういう時、気づく。
 リサの実年齢って、私より10歳以上年上の50代なんだって。
 今から40年くらい前、1980年代って、まだまだスケバン達が元気に存在していた頃だろう。

 愛原「ていうか、『魔王軍』って同好会扱いなんだろ?リサ以外それぞれ部活に入っているのに、掛け持ちしていいの?」
 蓮華「同好会なら、掛け持ちはしていいんですよ。部に昇格されたらダメですけど。その代わり、同好会では部費は出ません」
 リサ「そういうこと。だから、鬼斬りセンパイも是非……」
 蓮華「お断りだ、バカ!」

 蓮華は手持ちの刀を抜きかけた。
 真剣であるが、栗原家の権力なのか、ちゃんと許可が取れている。
 絵恋さんの斉藤家は成り上がりの富豪だが、栗原家は江戸時代から脈々と続く旧家であるので、何かしらの力を持っているのかもしれない。

 愛原「リサが『魔王』なら、蓮華さんは『勇者』かな?」
 蓮華「そんな御大層なものではないですよ。パーティーも組めませんし」
 リサ「ボッチ?」
 蓮華「んなわけあるか!……皆、度胸が無いだけですよ」
 淀橋「そりゃあ、『魔王様』に立ち向かえるのはねぇ……」
 小島「栗原先輩くらいなものですよ」
 リサ「それより先生。ツアーの下見」
 愛原「ああ、そうだったな」
 リサ「ここで受付をお願いします」
 愛原「はいはい。コースって選べるの?」
 リサ「時間ごとにコースが違います」
 愛原「なるほど。そういう風にしているのか。旧校舎コースって、今は旧校舎に入れないだろう?」
 リサ「旧校舎は外から見る形だね」
 愛原「まあ、やっぱそうなるか」
 リサ「それじゃ、久しぶりに……」

 リサは白い仮面を着けた。
 それは日本アンブレラが、日本版リサ・トレヴァー達に着けさせていた仮面である。
 真っ白い仮面で、目の部分に2つ、横長の切れ目があるだけである。

 リサ「これで行く」
 愛原「ついでだから、服もセーラー服にしたら?それも、この学園の旧制服の」
 リサ「絶対ヤダ!」
 蓮華「“トイレの花子さん”ですね」

 アンブレラの研究所では、『制服』と称して、セーラー服を着せられていたが、どうも白井の趣味だったらしく、リサ・トレヴァーの少女達はセーラー服を着たまま性的実験をさせられていた。
 だからリサも幼心にそんなトラウマを植え付けられたせいで、セーラー服を着たがらない。
 もしも東京中央学園の制服がブレザーでなかったら、転入の話を断っていたという。
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“私立探偵 愛原学” 「再びの長距離旅行準備」

2023-03-26 20:55:51 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月1日16時00分 天候:晴 東京都千代田区外神田 JR秋葉原駅]

 実家への電話を終えた私は、その足でJR秋葉原駅に向かった。
 高橋は事務所またはマンションで留守番である。
 今度は仙台方面ということで、秋葉原駅に新幹線のキップなどを買いに行ったのだ。
 都営地下鉄の岩本町駅に近い昭和通り口にも“みどりの窓口”はあったが、そこは廃止され、代わりに指定席券売機が設置されている。
 前回は駅レンタカーの予約の関係もあり、“みどりの窓口”でないとダメな事情で不便を感じたものだが、今回はレンタカーの予定は無いので、新幹線のキップだけで良い。
 そこでキップを買っていると……。

 リサ「先生!」

 後ろから声を掛けられた。
 振り向くと、東京中央学園上野高校の制服に身を包んだリサの姿があった。
 今は人間の姿に化けている状態であり、角とか尖った耳とかは見受けられない。

 愛原「おー、リサか。この時間に下校か」
 リサ「文化祭の準備があったの」
 愛原「おー、文化祭か。もうすぐ文化の日だもんな」
 リサ「そう。何してるの?」
 愛原「また週末、東北へ出張だよ。オマエは何か予定はあるか?」
 リサ「特に無いよ」
 愛原「そうか。上野医師の足取りを探るんだってさ。オマエの記憶が戻る可能性もあるから、一緒に来てもらうぞ」
 リサ「分かった。一緒に帰ろう?」
 愛原「ああ」

 私は購入したキップをしまうと、リサと一緒に岩本町駅に歩き出した。

 愛原「今度は何をやるんだ?まさか、また“バイオハザード”で、オリジナルのリサ・トレヴァーの役をやるんじゃないだろ?」
 リサ「あれはさすがに評判悪かったからね」

 評判が悪かったというよりは、リサがよりオリジナルに近づける為に第3形態くらいまで変化したら、学校中が恐怖のどん底に陥っただけのことである。
 第3形態に無断変化ということでBSAAにも通報が入り、学校上空を何機もの軍用ヘリが飛び交う、リアル“バイオハザード”と化してしまった。

 リサ「うん。不評不評」
 愛原「さすがにもうやらないよな?」
 リサ「今度は“学校の七不思議”ツアーをやることにしました。『魔王軍』で」
 愛原「七不思議って、その殆どにオマエが登場しているだろうが……」
 リサ「わたしは演出役」
 愛原「や、やり過ぎるなよ?またBSAAが誤報で出動したりしたら、シャレにならんぞ?」
 リサ「分かってるよ」

[同日16時12分 天候:晴 千代田区神田岩本町 都営地下鉄岩本町駅→都営新宿線1512T電車先頭車内]

 地下鉄岩本町駅に到着する。
 まだ夕方ラッシュが始まる前ではないが、リサのような学生の姿が目立った。
 岩本町駅も、なかなか地下深い場所にある。
 それでも、ホームは地下3階にある。
 あくまでも、3層目にあるという意味での地下3階なので、ビルの地下階にしたら、地下7階とか、そういう階層になるのではないだろうか。

〔まもなく4番線に、各駅停車、本八幡行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕

 ホームで電車を待っていると、接近放送が鳴り響いた。

 愛原「明日は文化祭前日だから、もっと帰りが遅くなるとか?」

 するとリサ、ニヤリと笑う。
 白いマスクをしているので見えないが、牙が覗いたことだろう。
 一体、何だというのだ?

〔4番線は、各駅停車、本八幡行きです。いわもとちょう、岩本町、秋葉原〕

 電車の先頭車が私達の前で止まり、ホームドアと車両のドアが開く。
 やってきたのは、都営の車両だった。
 乗り入れてくる京王電車と違い、落ち着いた緑色の塗装が特徴だ。
 電車に乗り込んでから、リサは言った。

 リサ「学校に泊まる」
 愛原「えっ!?」

 そして、短い発車メロディが鳴った。

〔4番線、ドアが閉まります〕

 そして、電車のドアとホームドアが閉まる。
 閉まり切ると、運転室の中から発車合図のブザーの音が聞こえ、運転士がガチャッとハンドルを操作する音が聞こえた。
 そして、電車が走り出す。

〔次は馬喰横山、馬喰横山。都営浅草線、JR総武快速線はお乗り換えです。お出口は、左側です〕

 愛原「学校に泊まるって、泊まる所あるの?」
 リサ「うん。講堂があるじゃない?その上にあるの」
 愛原「へえ!」
 リサ「ちょっとした合宿所みたいになっててね。男子用と女子用に分かれていて、どっちも2段ベッドが並んでるの」
 愛原「藤野の研修センターみたいな感じ?」
 リサ「あそこまで立派な物じゃないよ。ベッドだって、パイプベッドの2段ベッドだもん」
 愛原「何だ。風呂とかは付いてるの?」
 リサ「あそこは寝るだけ。でも、水泳部がシャワー貸してくれるって」
 愛原「そうなんだ」
 リサ「『魔王軍』の中には、水泳部もいるからね」
 愛原「あ、そうか。『魔王軍』って別に、文化部だけじゃないんだ」
 リサ「そりゃそうだよ。リンだって、陸上部じゃん」
 愛原「そうだった。……ん?クラスじゃなくて、『魔王軍』で泊まるのか?」
 リサ「うちの学園、少し変わっててね。『クラスごとに出し物』か『部活や同好会ごとに出し物』かって分かれてるの。わたしは今回、後者だね」

 何だ?
 『魔王軍』は同好会か何かの扱いになっているのか?

 愛原「それで、今回は“学校の七不思議”ツアーをやると?」
 リサ「うん、そう。今回泊まる宿泊施設だって、七不思議のオンパレードなんだから」

 どういうわけだか知らないが、その宿泊施設にも幽霊やら妖怪だかの噂があるらしい。
 ただまあ、仮に本当だとしても、人食い鬼のリサに勝てる化け物がいるかどうかは【お察しください】。

[同日16時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 まだ時間も早いので、私とリサはマンションではなく、事務所の方に戻った。

 高橋「何だよ。先生と一緒だったのか?」
 リサ「うん。ちょこっとデート」
 高橋「くぉらぁ!」
 愛原「それより、留守中何かあったか?」
 高橋「ねーちゃんから電話があって、新幹線のキップを買ったら、先に精算するんで、領収証送ってくれってことっス」
 愛原「あ、そうなんだ。じゃあ、そうしよう」

 もちろん私は、領収証も発行していた。
 キップと同じ紙質であるが、指定席券売機で新幹線代の領収証も発行できる。
 但し、ちゃんとした領収証が欲しい場合は、“みどりの窓口”に行かないとダメだ。
 デイライトさんの場合は、券売機で発行された領収証でも良いとのことである。

 高橋「じゃあ、俺は夕飯の支度がありますんで」
 愛原「ああ、頼むよ」
 リサ「今日の夕飯なに!?」
 高橋「あぁ?トンカツ定食にしようって思ってるぜ」
 リサ「やった!」

 高橋が出て行くと……。

 愛原「そういや学校に泊まるって言ってたけど、食事はどうするんだ?風呂はまあ、水泳部のシャワー室が借りられるとして……」
 リサ「ふっふっふ。家政部が料理の試作のついでに、夕食作ってくれることになってるの。それを頂く」
 愛原「ちゃっかりしてるなぁ……」
 リサ「まあ、実際は材料費カンパしたり、わたし達も手伝ったりはするんだけどね」
 愛原「そりゃそうだ。タダメシはダメだぞ」
 リサ「はーい」
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“私立探偵 愛原学” 「晩秋初めの仕事」

2023-03-26 16:05:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月1日10時00分 天候:晴 東京都港区新橋 NPO法人デイライト東京事務所]

 私達は先日の業務報告をしに、善場主任を訪ねた。

 善場「先日はお疲れさまでした」
 愛原「いえいえ、こちらこそ、大した仕事はできませんで……」
 善場「とんでないです。『一般人がたまたま白骨死体を発見した』ことが重要なのです」

 あまり意味の理解できない善場主任の発言だが、BSAAの都合でもあるのだろう。

 愛原「白骨死体からだと、DNA鑑定とかが難しそうですね」

 歯の治療痕などで身元が分かる場合もあるが、今回はかなり損傷が激しい死体だったので、上手く行くのかどうか……。

 善場「そこは専門機関の尽力に期待する他はありません。リサの方ですが、調子はどうですか?」
 愛原「今のところは、大きな暴走も無く、いつも通りです。今朝は新しい制服を着て、登校していきました」
 善場「そうですか」
 愛原「段々と絞り込めそうな感じですか?ついにリサの肉親が、上野という名前の医師だとか……」
 善場「そうですね。少し、話が大きくなりそうですので、もしかすると愛原所長方の出番はしばらく無いかもしれません」
 愛原「ど、どういうことですか?」
 善場「上野医師は医療ミスで患者を死なせてしまった為、福島県桧枝岐村に逃亡したというのは大まかに分かっていることですが……」
 愛原「はい」
 善場「その経緯は不明です。警察の捜査から逃れる為に、なるべく山間の田舎に……というのは心理だと思います。今から50年前……1970年代と言いますと、ろくに国道も開通していなかったでしょうし……」

 なるほど。
 私達が通った国道352号線だの401号線だの、番号の遅い国道は、比較的国道としての指定が最近であることが多い。
 特に、400番台はそうだ。

 善場「縁もゆかりもない村に、どうして上野医師が向かったのか不明です」
 愛原「アンブレラと関係があると……?」
 善場「白井がダイレクトに上野医師を襲撃したことが気になります。実は上野医師は、アンブレラと繋がりがあったのかもしれません。ただ……」
 愛原「ただ?」
 善場「上野医師が勤めていたという病院は今もあるのですが、何しろ50年前ということもあり、記録が残っていません」
 愛原「ああ……確かに」
 善場「医療ミスということは刑事事件になっている可能性がありますので、警視庁に照会中ですが、ちょっと気になる情報がヒットしまして……」
 愛原「何ですか?」
 善場「その上野医師が医療ミスを起こした患者というのは、暴力団員であったということです」
 愛原「ヤクザさんですか!」

 ということは上野医師は警察から逃げていたのではなく、ヤクザから逃げていたのか?
 そのヤーさんがどんな地位の人間だかは知らないが、報復しようとはするだろう。
 今は法律でがんじがらめになっている為、今のヤクザにそこまでできるかどうかは不明だが、半世紀前なら、まだまだヤクザも元気に活動していただろうから、やりたい放題だっただろう。
 警察に駆け込んだら駆け込んだで、今度は刑事罰が待っているだろうし。
 それで逃亡したか。

 愛原「……それじゃ、確かに民間人の私は……出る幕は無さそうですね」
 善場「そういうことです」

 警察からもヤクザからも追われる身になって、医者というのは大変だ。
 ……と、この時はそう思っただけだった。

[同日15:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 愛原「ヒマだな……。デイライトさんの仕事は、来ればデカいんだが、引き受けている最中は、他の仕事が受けられないっていうのが難点だな」

 午後は全く仕事の依頼もなく、ヒマだった。

 高橋「斉藤社長がマトモだったら、こういう時に雑用でも仕事をくれたから助かってたっスね」
 愛原「絵恋さんのお守りとかな」
 高橋「そうっス!あのレズガキの世話係!」
 愛原「あと、事務所の移転先とかも探さないといけないし……」
 高橋「俺の知り合いにも当たっていて、いくつか候補があるんスけど、先生のお気に召さないようですし……」
 愛原「全部繁華街とか、ガラの悪い所ばっかじゃねーか。しかも空き店舗になった理由が、犯罪臭プンプンで、とても安心して入居できるもんじゃない」
 高橋「交通の便はいいから、客も来ますよ?」
 愛原「そういう問題じゃない。事務所だけならそういう所でも百歩譲れるが、住む所も一緒に探すんだからな」
 高橋「はあ……」

 だいたい、新宿の歌舞伎町とか池袋の繁華街とか、確かに便利な所ではあるものの、その分、家賃も高い。
 にも関わらず、家賃がここより安いって、事故物件以外の何物でもないだろう。
 暴力団の組事務所に近かったり、半グレの拠点に近かったりと、危険極まりない。
 そういう所で、営業許可を警察に取らないといけない探偵業が事務所を開いていいとは思えない。
 と、そこへ電話が掛かってきた。
 やっとこさ、依頼の電話だろうか?

 愛原「お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所でございます」
 善場「愛原所長、お疲れ様です」
 愛原「ああ、善場主任。お疲れです」
 善場「午前中の話の続きなのですが、今、お電話よろしいでしょうか?」
 愛原「あ、はい。どうぞ」
 善場「愛原所長は、仙台にご実家がありましたね?」
 愛原「はい、そうですが?」
 善場「仙台市若林区○○ですね?」
 愛原「そうです」
 善場「出身中学校はどちらになりますか?」

 私は自分の出身中学校の名前を行った。

 善場「それは好都合というものです」
 愛原「は?」
 善場「上野医師には、数人の女性の姿が周囲にありました」
 愛原「それで?」
 善場「白骨死体のうちの1つなのですが、とても若い女性でした。年齢は10代から20代と思われます。ところが、当時の上野医師の妻や、桧枝岐村で再婚したという未亡人とは年齢が合いません。そこで、もう1人を調べてほしいのです」
 愛原「10代から20代……って、ちょっと待ってください。上野医師って、桧枝岐村にいた時って、いくつくらいだったんですか?」
 善場「50代前半と思われます」

 私は開いた口が塞がらなかった。
 50代前半で、10代から20代の奥さんがいただと!?
 リサだって、私の押しかけ女房みたいなこと言っているが、その年齢差以上だで?

 愛原「その……上野医師の若い奥さんが、私の出身中学校と同じ中学校卒だったんですね?」
 善場「そうです。彼らの足取りを辿れば、何か分かると思いますので、次はその調査をお願いします」
 愛原「分かりました」

 私は電話を切った。
 えーと、1970年代か……。
 卒業アルバムでも見ればいいか。
 今はさすがに個人情報保護の観点から、住所録なんてものは無いと聞くが、当時はあっただろう。
 それと、もう1つ、気づいたことがあった。

 愛原「俺の母親も、同じ中学校卒なんだよな……」
 高橋「そうなんスか?」
 愛原「母親は24~25歳で、俺の父親と結婚して、俺を生んでいる。まあ、1980年代だったから、女性のそのくらいの年齢で結婚というのは平均的だっただろう。つまり、母親はその10年前、1971年くらいに中学校を卒業しているわけだ」

 母親と同窓生だったらウケるが、そう都合よくはいかないか……。
 うーむ……。
 私はスマホを取り出し、それで実家に電話してみることにした。
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“私立探偵 愛原学” 「夜の帰宅」

2023-03-24 20:49:02 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月30日20時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 夕食を終えた私達は、やっとこさマンションに帰宅した。

 愛原「おー、荷物来てる」

 マンションの宅配ボックスを覗くと、リサ宛の荷物が届いていた。

 愛原「新しいサイズの制服だな。あと、何だこれは?」
 リサ「多分、わたしが注文したブルマじゃない?」
 愛原「あー……」

 それを持って、マンションの部屋に入る。

 愛原「やっと着いたな」
 高橋「風呂沸かしますね」
 愛原「ああ」
 リサ「先生、早速着てみていい?」
 愛原「そうだな。一応、合わせてみよう」
 リサ「んしょっと……」

 リサはパーカーを脱いだ。
 気が抜けたからか、第1形態に戻っている。

 愛原「ここで着替えるな!自分の部屋で着替えろ!」
 リサ「えー……」
 愛原「えー、じゃない」

 リサは渋々、自分の部屋に向かった。

 高橋「先生、明日の朝飯は魚でいいっスか?」
 愛原「いいよ。魚なんてあるんだ?」
 高橋「冷凍なんで、日持ちは卵よりもいいんスよ」
 愛原「それはいいな。そうしてくれ」
 高橋「うっス。洗濯機回すんで、洗濯物はここに入れてください」
 愛原「宿泊先がビジホなら、コインランドリーで洗っちゃうところなんだがな」
 高橋「まあ、そうッスね」

 私も荷物を片付けていると、リサが部屋から出てきた。

 リサ「先生、見て見て」

 リサは制服の冬服を着ていた。

 愛原「おー、さすが新品はきれいだな」

 モスグリーンのダブルのブレザーに、エンジ色のリボン、冬はグレーのプリーツスカート。

 リサ「因みにブルマも穿いてみた」

 リサはスカートを捲り上げた。
 制服のブレザーよりは、もっと濃い無地の緑のブルマがそこにあった。

 リサ「これもピッタリ」
 愛原「ああ、うん。それは良かった」
 リサ「夏服はまだ無いの?」
 愛原「それはまた後で買おうと思うんだ」

 スカートが夏用のモスグリーンのプリーツスカートなので、これが1番高い。
 半袖のブラウスと盛夏服のポロシャツも似たようなものだ。

 リサ「そうなんだ。あっ、せっかくだから体操服も着てみようかなぁ!」
 愛原「そう?」

 リサが再び部屋に戻る。
 しばらくすると、ジャージを着たリサが出てきた。
 こちらは、明るい緑色である。
 あまり濃い緑だと、芋っぽく見えるからかもしれない。
 中学生くらいまでならそれでもいいのかもしれないが、高校生ともなると……。

 愛原「どう?きつくない?」
 リサ「キツくない」

 リサはジャージの上を脱いだ。
 その下には、半袖の体操服がある。
 丸首と袖の部分は、スクールカラーの緑が縁取りされている。
 ジャージのズボンを脱ぐと、ブルマではなく短パンがあった。

 愛原「まあ、これでもいいっちゃいいんだけどね……」
 リサ「で、ブルマ」

 ブルマだけは学校指定ではない為、同じ緑色なのだが、やっぱりちょっと色合いが異なる。
 今の短パンと同様、無地であるところは合わせているのだが。
 1度は廃止になっているので、当時のメーカーが再販しないのである。
 『魔王軍』がブルマを復活させたが、無地の緑であることだけは共通していて、その色合いやメーカー、ディテールなどはバラバラである。
 リサが最初に購入した緑のブルマも、バレーブルマのようなダーツ線が入っているタイプであった。
 後に、まだ東京中央学園にブルマがあった頃、ダーツ線は無かったということで、リサもダーツ線無しのタイプを購入している。
 かつての写真を見ると、ダーツ線の入っているブルマを穿いていた女子生徒の写真があったので、リサもそれを真似したようなのだが、後の調査で、女子バレー部の当時のユニフォームのブルマだったことが判明している。
 その女子生徒が、どうして体育の授業で、バレー部のブルマを穿いていたのかは不明である。
 ただ、リサが間違うくらいだから、体育用のブルマと大したデザインの違いは無かったのかもしれない。
 だからなのか、女子陸上部のレーシングブルマは、更に目立つラインを入れて区別しているようだ。

 愛原「うん、いいね」
 リサ「短パンは穿かないから、先生にあげる」
 愛原「いやいや。予備に取っておけよ」
 リサ「でも、ブルマも2枚あるし」
 愛原「それでも、必要な時は必要なんだろ?それと、あれは?ブルマが廃止になった代わりに導入された、黒いスパッツ」
 リサ「ああ、あれね」
 愛原「平成後期~令和の今、制服女子のスカートの下といったらそれだろう」

 リサは部屋から一分丈のスパッツを持って来た。

 リサ「これもブルマがあるから、今は要らないんだよね」
 愛原「まあ、あくまでも予備に取っておけよ。私服とかで使う機会もあるんじゃないの?」
 リサ「どうだかねぇ……」
 高橋「おい、リサ。洗濯機回すから、早く汚れた服出せよ」
 リサ「ちょっと待って。先生に匂いを嗅いでもらってから」
 愛原「何でだよ!」
 リサ「え?先生、『教え子の下着を盗んで愉しんだ件について』ってエロ動画……」
 愛原「観てない観てない!」
 高橋「くぉら!リサ!先生をバカにすんじゃねぇ!」

 高橋、リサにゲンコツを食らわせる。

 リサ「いってーっ!」
 高橋「先生、そんな変態動画観ちゃダメっス!」
 愛原「だから、観てねーっつってんだろ!」
 高橋「もし何でしたら俺のオススメ、『アッー!な男子校パラダイス』っつー動画が……」
 愛原「そんなホモビ、余計観ねーわ!」
 リサ「これは先生の下着~。下着はネットに入れて洗う~」
 愛原「男の下着なんて、そんな御大層な扱いしなくていいんだよ。リサの下着こそ、ネットに入れて洗わないと」
 高橋「ちょっと待てや、コラ!先生の下着を洗うのは、不肖の弟子のこの俺の仕事だ!」
 リサ「お嫁さんの仕事でしょ?」
 高橋「誰が嫁だ、コラァ!」
 愛原「ぶっちゃけ、押しかけ女房的な所はあるな」
 リサ「ほら!聞いた!?先生、認めてくれたよ!?」
 高橋「先生、マジっスか!?特異菌に感染してるんじゃないっスか?!」
 愛原「『的な』とは言ったけど、『ガチで』とは言ってないよ。そもそもリサ、婚姻年齢に達していないんだから、法律的にも無理だって」

 民法改正で、女性が結婚できる年齢は16歳から18歳へ引き上げられた。
 リサは10月1日生まれだから、来年がそうなるのか。

 リサ「ぷっくーっ!」

 リサは頬を膨らませた。

〔ピピッ♪ もうすぐ、お風呂が沸きます〕

 愛原「おっと。もう風呂が沸くみたいだな。俺は先に風呂に入らせてもらうよ」
 高橋「は、はい。その服も、洗濯しますんで」
 愛原「よろしく」

 何だか、日常に戻ったようなやり取りだった。
コメント
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