たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

秋花の旬は 杜鵑 石蕗 敗蓮

2009-10-25 08:31:12 | Lyricism
 ホトトギス 咲きつる 道野辺の
ツワブキの群生 続く途をたどれば
行き着く先は やれはす池
 湧水田の周りも、すっかり秋が濃くなりました。
朝夕は秋冷えで、温もりが恋しいこの頃です。
日溜まりの中を、徘徊していると秋の花が目に入りました。

 ホトトギス 杜鵑草 ユリ科の多年草
花の点々が、不如帰と書く鳥の羽の模様に似ているところから、
付いた名前だといわれます。



 ツワブキ 石蕗 キク科の多年草
葉が蕗の葉に似ていて 艶があるところから
「艶のある葉のフキ」から艶蕗→つやふき→ツワブキに転じたとされている。



 やれはす 敗荷 破れ蓮 晩秋の蓮池の姿
華麗な花を咲かせたハスも、夏が過ぎて、
秋風に大きな葉も破られ、朽ちてゆく。
茎も折れ、かれはす(枯蓮)の池になる。



 春先に芽吹き、葉が茂り 花が咲き 実を付け、
枯れていく。その姿はどんなに惨めでも、
必ず翌年には美しくよみがえる。

 人間は、たそがれて、老残をさらして 消えていく。
絶対によみがえることはない。



天高く 秋草の 花のうつろい

2009-10-17 16:33:50 | Lyricism

秋と天は相性がいいようです。
秋天好日とか、天高く馬肥ゆる秋、とか……、
桐一葉落ちて、天下の秋を知る、とか……、

台風18号が駆け抜けた先週の金曜日など、たにしの爺は改めて、
こんなに天が高いものだったかと、見上げていました。

これは、移動性高気圧の乾いた空気のために澄み渡り、
秋の空は、いつもより、上空まで見渡せるからです。

一方、「女心と秋の空」などと、変わりやすいのも秋の天気です。
男心も、女心以上に変りやすいです。



移ろう季節・秋に寄せて、人の心を詠った名歌は数知れないほどあります。
新古今和歌集から拾ってみました。



吉野川 岸の山吹 吹く風に 底の影さへ うつろひにけり(紀貫之)



色見えで うつろふものは 世の中の 人の心の 花にぞありける(小野小町)



ものごとに 秋ぞかなしき もみぢつつ うつろひゆくを かぎりと思へば(読み人知らず)



秋風に 山の木の葉の うつろへば 人の心も いかがとぞ思ふ(素性法師)

この夏の総選挙で、落ちた先生も、かろうじて当選した先生も、
自民党のセンセイたちほど、「桐一葉」を実感している居ないでしょうね。

 たにしは、生まれ変わった自民党を待っています。
 その日のために、旧弊、旧牢、とくに福・森・古・町とかの、
自民党の汚物的長老を排し、新生自民党の構築を望んでいます。

いまの民主党が、どのような政策を執ろうとも、
 小沢センセイ  真紀子サンがいる限り、支持できない。

「天網恢恢疎にして漏らさず」―きっとその日が来るでしょう。
悪者は一時は逃げられても必ず捕らえられる。
天が悪事を決して取り逃がすことのない。

たにしの湧水田に秋風が渉って行った。


「縄張り」の始まりは ナイルの洪水から

2009-10-10 18:55:21 | Lyricism

今日は素晴らしい秋天日和でした。
天高く、読書の秋、勉強を趣味としている「たにしの爺」

うわさの巨著「虚数の情緒」(吉田武著)を読み進めています。
ようやく100ページあたり0章第8節「知性の誕生」にたどりつきました。

「尺度」幾何学の概念はナイルの洪水がもたらしたという。
世界4大文明はすべて川の周辺から始まっています。
「メソポタミア文明」「エジプト文明」「インド文明」「中国文明」みなそうですね。

ナイルの洪水は、肥沃な耕作地を作ったが、
洪水のたびに、耕作地はきれいに流出してしまう。
その度に、区画整理をしなければならない。
以前と同じ面積が公平に再配分されるためには、
幾何学的な知識と測量技術を必要とした。
ここに「数学」が発達するきっかけとなった。
とくにこの業務に従事した者は、
エジプトでは「縄張り師」と呼ばれていた。

この本を開く度に、たにしの爺は「知の海」に浸る。


今日から 10月スタート 実る季節

2009-10-01 07:43:06 | Lyricism

散歩が心地よい季節になりました。
タニシの爺、周辺の黄金の稲穂が すっかり刈り取られました。
林間や自然公園を徘徊すると、実りの秋です。

ところが、怖い殺し屋が潜んでいます。
スズメバチ。彼らも必死に自分のテリトリーを護っているのです。
近づかないのが一番のようです。



昨晩(09・09・30、8時)NHKの「ためしてガッテン」で放送していました。
以下、番宣からの抜粋です。

緊急報告!街の殺し屋スズメバチ被害急増中
メニュー
* 番組のテーマ
* 都市型スズメバチの攻撃力に迫る!
* 何度でも刺せる毒針の秘密
* 毒液の恐るべき破壊力!
* 毒液に隠された「攻撃開始」の合図!
* 都市に進出してきた理由とは?
* スズメバチ対策の鉄則はこれ!

毎年、毒ヘビやクマを上回る死亡被害者を出すスズメバチ。
まさに日本最恐の野生生物だ。

ちょうど今の時期、夏の終わりから秋にかけては被害のピーク。
その上、近年、住宅街や都市でスズメバチが急増しているのだ。

いったいなぜ都市部でスズメバチが増えているのか?
スズメバチはどのようにして人を襲うのか?
その毒針や毒液に秘められた攻撃力とは?

番組ディレクターからのひとこと
スズメバチの脅威を疑似体験

「住宅街や都市でスズメバチが急増している!」と聞き、始めた取材。専門家の案内で最初に出会ったスズメバチは、予想していたよりもはるかに小さく、せいぜいアシナガバチ程度の大きさでした。
聞けば「キイロスズメバチ」という種類とのこと。

「なーんだ。たいしたことないじゃん」と思ったのもつかの間。カメラを担ぎ、接近してみると、その攻撃力は強烈でした・・・。
防護服で完全防備していても、思わずひるむその迫力を疑似体験していただければ、改めてスズメバチの怖さが分かります。


9月が終る 何もなかったし 速かったな~

2009-09-30 22:35:42 | Lyricism
 9月が終ってしまった。
 大型連休もあったけれど、何もなかった。

 読み始めた「虚数の情緒」(吉田武著)も遅々として進まない。
 総ページ1001。まだ73ページだ。
 1ページごとに、含蓄のある文章が詰まっていて、
 うんそうだ、近ごろの先生に教えてやりたい、
 など思っているうちに、時間が過ぎる。
 ようやくだ8節「知性の誕生」に入る。

 「科学者や技術者に 優れた文章家が古今東西、大勢居るが、
 文学者や語学者に 科学や技術の理系分野において、
 活躍した人はあまり居ない。」


 なるほど、そう言われてみればその通りだ。

青刈り稲わら しめなわ 正月飾り

2009-09-10 21:20:42 | Lyricism

各地はいま、黄金色の風景、稲刈りの最中です。
ほとんどというか、全部コンバイン作業です。

のこぎりカマで、一株ずつ、ザクッザクッと刈り取る。
たにしの爺の少年時代は家中の仕事でした。

そんな中、伝統行事に出会いました。
正月飾り用の「青刈り」です。
背の高いヤマトニシキの青わらがいいそうです。

稲穂が実る前の青い間に稲を刈り取り、
天日乾燥で天然の青刈わらつくりです。
真夏に青刈りして、乾燥して保管する。



たにしに爺、田圃の畦道に座り、ぶつぶつ。

民意の圧倒的支持によって民主党が、
政権交代を公約に衆院第一党になった。
しかし、行政改革の目玉であった「郵政民営化」を、
後戻りさせることを党是としている国民新党が、
政権の閣内に入ることを、想定して支持した人はいただろうか。

爺は、けなげに頑張る瑞穂さんを応援していましたが、
イチロウ、マキコのいる政権にすり寄るなんて、
思いもしなかった。
みずほさん、政権の甘いささやきに酔わされてはなりません。
得る物より、喪失する物の方が多くなることを、
爺はせつない。



今日から9月 すすき見るころ

2009-09-01 06:45:54 | Lyricism

>ススキなんですが 手を合わせているような
>ススキの出始めは こんなだったのかと思いました(*^_^*)

朝日山に棲んでいるユキうさぎさんから、
高原の秋が届けられました。
お月さんが大きくなると、
うさぎさんも跳ねたくなりますか(*^_^*)

今日から秋ですね。



吹き荒れた「政権民意」を拭い去るように、
台風11号が列島を吹き抜けていきました。

 4年前の「郵政民意」は一体なんだったのか。
今度の「政権民意」はどうなるのやら???。
 選挙のたびに国民は期待して夢を見ては、
裏切りと失望を味わう。

小泉チルドレンが消えたように、
4年後は一郎チュードレンが消える番になる。
選挙に長けた金権本流のシナリオによる
「政権交代劇場」が始まる。
民意・観衆を気持ちよくしてくれるか。
主役になるのか。それは疑わしい。
久しぶりに、
たにしがアブクを噴いた。

今日は立秋 暦の季節は 速すぎる

2009-08-07 06:08:02 | Lyricism

今日は立秋です。
暦の上では、秋の気配の始まりです。

秋立つや躓きつつも捗りて (山田弘子)
4日に九州北部・中国・北陸地方が、
梅雨明けしたばかりでした。
東北地方は、まだ梅雨の最中です。
秋立っても、梅雨のまま、ということなのでしょうかね。

 たにしの爺の周りの田んぼも、稲の出穂(しゅっすい)期が過ぎました。
少し日照不足のようですが、これから盛り返してくれるでしょう。



 隣りの蓮畑は、すっかり蓮の実ばかりになってしまいました。
「気味が悪い」という人も居ます。
たにしの爺は、E.T.に似ていると思います。

 花を付け始めたハギの枝越しに見る空は、
何とはなしに、秋の空の雲行きです。



 世間はまもなく、セミの声も打ち消されるような、
センセイたちが「就活」で声をからす日々が始まります。
学生たちは自費で「就活」に汗を流しているのに、
このセンセイたちは、国費でやっている。
試験官は私たちです。「変な」センセイを選ばないようにしましょう。

 そう言えば「国会議員」を「選良」とも言います。
だれがそんなことを言い始めたのでしょうか。
よほど、善良なお人だったのではしょう。
いまは、だれもそう思う人はいません。

ヒグラシの 声聴くときぞ 朝時雨 (爺)
 たにしのあぶ句です。



 8月はまた、祷りのつきです。



8月のはじめは、花であいさつ

2009-08-01 11:21:41 | Lyricism

七月はまた立葵 色とりどりの/また葡萄棚 蔭も明るい/
烏揚羽がゆらりと来て/艶な喪服をひるがへす(三好達治)

8月がスタートしました。どうやら冷夏の様相。

ネタの夏枯れで、7月中に聴いたN響のプログラムメモを。
  演奏NHK交響楽団、指揮ジェームズ・ジャッド(イギリス)、
ピアノジョナサン・ビス(アメリカ)
  幕開け曲はドヴォルザークの序曲「謝肉祭」作品92。
 カーニバルの情景を力強く打楽器で華やかに描写し、木管と弦が故郷・チェコの自然を思わせる調べを奏でる。ジャッドの指揮で高潮と静けさが繰り返される素晴らしい開幕曲だった。
  2曲目はジョナサン・ビスのピアノで、モーツアルトのピアノ協奏曲第21番。
 この曲は数あるモーツアルトのピアノ協奏曲のなかでも美しいメロデーで知られている。ビスは大きな体と長い手で、アメリカ的な響きを聴かせた。また、第2楽章ではすべての弦によるピチカートのソフトな音調が印象的だった。
  終曲のプログラムは、ブラームスの交響曲第4番ホ短調。
  圧倒的な重奏と多彩なメロデーが繰り返され、ジャッドの巧みな表現の指揮によって聴く者を高揚させた。

少し眠いモーツアルトでした。
今夜のNHKクラシック番組アマデウスは「ブラームスの交響曲第4番ホ短調」です。(2日追加)

7月も今日で終り、花筏の実が膨らんでいた。

2009-07-31 23:31:45 | Lyricism
 
梅雨明けは早かったが、夏空が少ない7月だった。

雨の合間に、いつも行く自然公園を歩いた。
「ヤマユリの園」が開放されていて、
大きな花が、細い茎に支えられて揺れていた。



「7月は鉄砲百合」と言ったのは詩人の三好達治。

七月は鉄砲百合/烏揚羽がゆらりと来て/遠い昔を思はせる/
七月はまた立葵 色とりどりの/また葡萄棚 蔭も明るい/
彼方の丘の松林 松の香りに蝉の鳴く/
こんな明るい空のもと/
昔のひとはどこへいつたか/忘れたふりをしてゐるが/
風だから声はやまぬか
/来ただけはどこやらへゆく/その道の上 七月のまつ昼ま/
まてしばし/烏揚羽がゆらりと来て/艶な喪服をひるがへす
…………………………………………
鉄砲百合とヤマユリの違いは判らないが、
ユリの写真を出そうと思ったが、
後日に回して、「花筏の実」を出してみました。

同じ公園に1本だけあるハナイカダ。
緑の樹間に実をつけていました。

明日から8月。

春眠 けろろ 「蛙の目借り時」

2009-04-29 10:43:36 | Lyricism
けろろ
毎日新聞朝刊一面に「季節のたより」という、浮世絵版画と一句を季節の催事に合わせ、坪内捻典さんが監修している小さなコラムがあります。
4月26日の句にこんなのがありました。

いつまでも同じページを目借時 尾池和夫

「春は眠いが、それは蛙が人の目を借りるからだという。この眠い春が季語「蛙の目借り時」。「目借り時」と縮めて用いることが多い。」という注釈が付いていました。

たにしが最近、仕事中にほんの数分、爆睡するらしい。
はっと気がつくと、周りはシーンとしている。
たぶん、蛙に目を貸した瞬間なのだろう。
それとも、脳内欠陥が進行中なのだろうか。

「蛙の目借り時」をWebで探ったらいろいろ知ることが出来ました。

春眠暁を覚えずは、誰もが知っている孟浩然の詩の一節です。春は眠くてたまらない。
この時期を「蛙の目借り時」という春の季語になっています。こんな季語あるとは初めて知りました。

人が眠いのは実は、蛙が人の目を借りていくためで、蛙は何故この時期、人の目を借りようとするのでしょうか。
「目借り」は蛙がメスを求める「妻狩(めか)る」から転じた語と、辞書に記されていました。
 春はオタマジャクシが蛙に孵って、恋人探しに池や沼に集まるシーズン。
大勢のライバルから、自分に合う相手を探すには、よい目が必要になります。
そこで人の目を借りるのだということのようです。

たにしの目を借りた蛙君、たにしの細君のようにきっと、素晴らしい伴侶を見つけたに違いない。

アハハ、たにしの目は当てになりませんよ。

春の宴 ベニシジミとハルジオン

2009-04-19 22:11:19 | Lyricism
春の野は生の営みが輝いている。
春先から、晩秋まで、草の生える場所には、
どこにでも咲いているハルジオンの花。
白とピンクがある。



年中咲いているので蝶たちにとって、
嬉しい花といえる。

ベニシジミ蝶が無心に、
蜜を吸っていた。









白拍子の舞いに似たる 一人静

2009-04-11 22:07:02 | Lyricism

前々からこの花を、たにしのアルバムに撮りたかった。
ようやく、撮り下すことができました。

毎年、時期が早すぎたり、
散った後で出会えなかったでした。
二人静は、近くに群生地があるので、
すでに2006年5月16日の一人静、二人静に吹く舞い風で咲いています。



里山の林下や土手で見られる多年草。
毎年同じ株から、
4月から5月にかけて花を付ける。



 白いブラシ状の花で、
 白拍子の舞いに似ていることから、
 源義経の妻「静御前」に因んだ名とされている。

 ヨシノシズカ(吉野静)、マユハキソウ(眉掃草)
 という別名もある。

 花言葉は「静謐」「隠された美」

色付く細身越年蜻蛉(ホソミオツネントンボ)

2009-04-01 21:21:34 | Lyricism

その後の、「「細身越年蜻蛉(ホソミオツネントンボ)」」です。
成虫のまま冬を耐えてきて、春の訪れと共に褐色から青色へ。

冬枯れの草木の中に、褐色の隠れ蓑をまとい冬を越してきたが、
春の陽光を浴びて、体色が淡い空色に戻り始めた。
やがて美しい瑠璃色に染まる。
前回の種と同じかどうかは分からない。




撮れたて ミズバショウ 水芭蕉

2009-03-21 17:25:18 | Lyricism

3月22日は「世界水の日」です。

自然の水の貯水装置は里山と湿原です。
早くもミズバショウが咲いていました。
今年撮れたての水芭蕉です。

花は中心部の黄色いところ、
白い部分は花ではなく仏炎苞です。
花言葉は「美しい思い出」「変わらぬ美しさ」

第5回世界水フォーラムが16日からトルコ開かれました。
地球は「水の惑星」といわれています。
しかし、きれいな水の恩恵を受けている国は日本など、ごく限られています。
世界の大半は深刻な水問題を抱えています。

日本で初めての「水」にチップをはらう「TAP」(水道という意味)「キャンペーン」が広域品川圏で行われているという。
たにしの爺、昨日は枯淡の境地でしたが、
今日は瑞々しいアップです。