たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

冬越して 枯れ越して なお生きる

2009-03-20 10:43:53 | Lyricism

今日は春のお彼岸。
国民の祝祭日で休日です。

祖先を敬い自然を慈しむ日となっています。
あっちの岸とこっちの岸がつながる日です。

草木はさまざまなチエで彼岸此岸をつないでいます。
夏、あるいは秋の野をにぎわした花木たちも、
冬までには枯れて、茎から落ちてしまう。

中には、冬の烈風にも、降雪にも耐え、
枯淡の風姿を残すものもある。

春の野を歩くと、萌え出る草木の中に、
新たな再生の萌芽を待つものに出会う。
写真はその中のいくつかを並べました。

「枯れる」はいろいろな言葉に付いて、意味をなす。

一番多いのは植物に関する言葉。
立ち枯れる、枯れ木、冬枯れ、枯れ草、枯れ葉、霜枯れ……など。
また現象的には枯渇など、水脈、才能が尽きる言葉もある。

人に付くとこうなる。
枯淡、枯れた味わい、
など人格の到達点、悟りや円熟さを言い表す。

もっとも大方は「枯れ木の賑わい」などと、
相手にされなくなるのが落ちである。

「枯れ木杭に火が着く」ような、種火の覚えもない哀しさ。
せめて、タニシの湧水田を枯渇させないように、
たにしの爺は「知の海」図書館に行く。


弥生3月 3日はお雛さま

2009-03-02 21:09:25 | Lyricism

日曜日に立ち寄った、お食事処に、
立派な雛壇が飾ってありました。

たにしの爺には、無縁な桃の節句。
最上段には、男女の内裏びなが並んでいます。



庭には、河津桜が咲き始めていました。
桃の節句に、桜咲く。
桜の花祭りは4月8日。
そのころにはアヤメが咲くのかな。


 童謡「うれしいひな祭り」 ♪♪

 1.あかりをつけましょ ぼんぼりに
 お花をあげましょ 桃の花
 五人ばやしの 笛太鼓(ふえたいこ)
 今日は楽しい ひな祭り

 2.お内裏様(だいりさま)と おひな様
 二人ならんで すまし顔(がお)
 お嫁(よめ)にいらした 姉(ねえ)様に
 よく似た官女(かんじょ)の 白い顔

 3.金の屏風(びょうぶ)に うつる灯(ひ)を
 かすかにゆする 春の風
 すこし白酒(しろざけ) 召(め)されたか
 赤いお顔の 右大臣(うだいじん)

 4. 着物をきかえて 帯(おび)しめて
 今日は私も 晴れ姿(はれすがた)
 春の弥生(やよい)の この良き日
 何よりうれしい ひな祭り

細身越年蜻蛉に吹く佐保姫の春風

2009-02-28 09:37:19 | Lyricism

今日で2月も終ります。
昨日はみぞれから雪に変わり、氷雨の一日でした。
13日に春一番が吹いて、半月近くも経って雪が降りました。
永田町の主に倣って、佐保姫(春の女神)もぶれているのでしょう。



春を告げるイトトンボに出会いました。
近くの自然公園には、細身越年蜻蛉(ホソミオツネントンボ)の生息地があります。
撮影した場所では良く見かけます。
いつもカメラを向けている人たちがいます。

トンボの命は10か月くらいで、ほとんどはヤゴで越年します。
この、ホソミオツネントンボは、生体で冬を耐えてすごします。
身じろぎもしない。
ちょっと目をそらすと、どこに止まっていたのか分からなくなる。
か細い身でじっと、春の訪れを待っているのでしょう。



ついでに白梅も一輪添えました。
明日からは3月、特別いいことがありそうな予感もない。
余寒に身を縮める  たにしの爺です。


今日は立春 桜島大根 まるまる

2009-02-04 21:49:00 | Lyricism

今日は立春だった。3月並の陽気だそうだ。
かつては、春は名のみの寒さかな……
と詠われていた。

桜島大根が当家の珍客になった。
鹿児島では「ギネス挑戦・コンテストが
行われたという。

昨今は、本当に春みたいになっている。
2月は、寒中に冷やされた大地と大気が、
地表を覆い、寒さは一段と身の染む頃だ。

今年は雪も例年になく少なく、
新潟県など、日本海側にも雪が少ないそうだ。
暖冬、そんな声も聞こえる。

寒いとき寒くないというのは、健全な地球だとはいえない。
季節の移ろいは、ゆっくりでいい。
四季の境目が、あいまいになっている、
このことは、決して喜ばしいことではない。

1月晦日31日 しぐれる冬枯れの野

2009-01-31 11:17:50 | Lyricism

今日は1月の最終日。昨日から雨が降り続く。
霜枯れの原。花枯れの季節。茶枯れた冬景色。

カレンダーに3日節分、4日立春と記されている。

黄昏のタニシの爺には、そんなに早く季節は巡らなくてもいい。
もっと、ゆっくりしていてもらいたい。
季節よ、足踏みして、ゆっくり行ってくれ。

いまテレビの「食彩王国」で野沢温泉村の野沢菜をやっている。
氷が付いたべっ甲色の山盛りの「お葉漬け」。

ああ、食べたい。幼い日の食卓風景が蘇る。
帰省の味は「お葉漬け」に勝るものはなかった。

ああ、温泉に入りたい。一日中のたりのたりしながら、
温泉に浸かって、出てきては「お葉漬け」と地酒。
そうだ、温泉に行こう。早く来い来い「定額給付金」。

盛大に使いましょうと、あそう総理が云っている。
あっ、市民税滞納の督促状が溜まっている。
そっちで消えそうだ。
景気浮揚策にはならないよ。あそうさん。

日差し温くし 冬の枯れ野道

2009-01-18 21:43:03 | Lyricism
冬の道を歩いてきた。寒中とは思えない日差しが
枯れ野を包んで、辛夷の花芽が膨らみを増していた。
みのむしどんにも風に吹かれていた。

水面に春の波紋 冬池の噴水



誰もいない冬の木道 アオジ、メジロ



雑木林 静まりて 山眠る



通る人なき 枯れ葉道 がさがさ



枯れ野に 風が鳴る 冬一木


たにしの爺は思考停止中

寒中お見舞い申し上げます。ユキウサギ ぴょん

2009-01-08 21:47:19 | Lyricism

朝日山に棲むユキウサギさんから、
雪の写真とメールが届きました。
清冽な雪景色を借りて今年2回目の更新です。
     
>年が明けて 初めてのこんな青空です
>粉砂糖のような雪が降りました

>今日みたいな日は 手が冷たくても
>ほほが痛くても 散歩したいですね
>ぴょん 

     
今日明日は日本列島雪景色になりそうです。
5日は二十四節気の一つ小寒、寒の入りでした。
大寒を経て節分・立春までの1カ月は寒中です。

たにしの爺は、寒さこらえて耐えています。
アブクも吹きません。
フジ子ヘミングにはまっています。






2009年初更新です。今年は「世界天文年2009」

2009-01-01 01:11:44 | Lyricism
謹賀新年
年頭に当たり、
皆様のご多幸を祈念いたします。


旧年中、湧水田のたにしの爺の「あぶく綴り」を、
見て下さったすべての方に感謝を申し上げます。
また、ご不快になられたか方にはご勘弁ください。

いま日本に限らず、世界は100年に一度といわれる、経済的困難に直面しています。
そして、「日常がどこでも戦場と化す国際テロ」の恐怖が世界に満ちています。
「宗教」「民族」「領土」「貧富」が存在する限り、
人類は血を流し続ける。

翻って、悠久の宇宙は地上の諍いなど知らない。
今年は国連が定めた「世界天文年2009」です。

イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を夜空に向け、
宇宙への扉を開いた1609年から400年の節目の年。
国際連合、ユネスコ、国際天文学連合は2009年を
「世界天文年(International Year of Astronomy:略称 IYA)」と定めた。

スローガンは、
THE UNIVERSE: YOURS TO DISCOVER
宇宙 … 解き明かすのはあなた

一方、地球の未来に黄信号が灯っている。
化石燃料をエネルギーとして使い続けてきた人類は、
地球環境の危機に直面して、宇宙に救いを求め始めた。
生活エネルギーを「太陽光発電」に切り替えようとしている。
大気の水素を燃料とする「燃料電池」などによる、
クリーン・エネルギーのベストミックス実用化元年にもなるだろう。
今日もたにし頭上には、
冬の星座の瞬きが宇宙に広がっている。


冬の陽差す 枯れ葉の道に 白水仙

2008-12-21 11:04:33 | Lyricism

枯れ葉みち 誘惑するのか 白水仙

冬日の途でいきなり目に入った。
予期せぬ花に、一瞬とまどった。
思わず一枚撮ったが根元が切れていた。

なぜここに、一本だけ咲いているのかわからない。
私を誘うが如ときに、笑むごとに、立ち塞がった。

美少年か、美少女の化身が立ち現れて……
危ない白日夢の世界に誘う(いざなう)……
なんてことにならないかな。
タニシの爺、最近いい夢見てないな。


大雪の朝 冬の薔薇 ふゆそうび 一輪

2008-12-07 22:35:19 | Lyricism

今日は大雪(たいせつ)。二十四節気の一つ。
この日から冬至までの期間。

タニシの写真ステージ・自然公園のモミジ山が、
今週まで開放されているので、撮影に行きました。

途中のバラ園を歩いていると、
冬の薔薇が咲いていました。

冬薔薇。ふゆそうび、と読むのだそうです。
冬、とくに1月の季語で、四季咲きの薔薇が、
冬にも咲き残っている状態をいうのだそうです。

真っ赤でもなく、真っ白でもなく、黄でもない。
なんとも云えない淡紅色に縁どられた一輪。

つるばらの 冬さくばらの 白さみよ 万太郎

モミジ山の紅葉も撮ってはきたが、
大雪の今日は、この冬薔薇につきる。




今日から師走 アラフォー 寒さ身に染む ゾクっ グー

2008-12-01 19:54:58 | Lyricism

今年の、師走の風景は 寒むっ~
気象庁が発表した冬の3カ月予報によると、
12月は日本付近に寒気が流れ込み、
冬型の気圧配置になることが多く、
西日本を中心に寒さが厳しくなるという。

国会周辺は国の樹・イチョウが黄に染まっている。
しかし国会のセンセイたちは、青黒く寒色に満ちている。
いま最も寒い風景は、永田町界隈だろう。
冷気が吹きすさび、温かい空気が全くない。
これほど、国民に冷気を吹き込んだ首相がいただろうか。
日々、発する言葉は、国民に冷や水をぶっ掛けるものばかりだ。

自民党や民主党、公明党なんぞ壊れてもいい。
日本と、国民を壊さない下さい。

日本株式会社の経営従業員・公務員は全員、
暮れの賞与を返上して、失業者の救済に奔走せよ。
厚労省、農水省の役人が、賞与に値するようなことをしましたか。

(この項未完)

空澄みて ものみなあらわ 透ける秋

2008-11-22 10:14:08 | Lyricism

水車馬を囲む 小藪や 烏瓜   正岡子規
地と水と人をわかちて秋日澄む  飯田蛇笏
草々の呼びかわしつつ枯れてゆく 相生垣瓜人

晩秋から初冬へ。大気が澄みわたり、
遠くにあった里山や木々が近づく。

夏の間、葉や枝に絡み付いて伸びた蔓草。
繁茂していた藪垣も、葉が散り果てて、
覆い隠していた姿が透けてくる。

真夏の宵に、糸状に裂けた白い妖しい花。
夜の蛾を誘い受粉した、カラスウリの花。
この季節になると、赤い実となって姿を現す。

やがて霜が降り、赤い実も色が抜け灰色に変わる。
秋が終わり冬の訪れである。
タニシには、最も自然の気配が身にしみて、
たそがれを感じるときだ。


秋彩る 光のしずく 日本の色

2008-11-15 10:52:32 | Lyricism

いま日本列島は、秋色に染まり、一番美しい季節だ。
全国の紅葉の名所には人が押し寄せているでしょう。
真っ赤に染まる神社仏閣の紅葉もいい。
赤・黄・茶のまだら模様の山・高原もいい。

でも湧水田のタニシが見上げるこの紅葉がいい。
光の演出がすべての日本の色を描き出している。

手前のドウダンツツジの垣根に走る、一条の光。
木の幹の明と暗。黄昏の予感にみちた朽ち葉色。
タニシは癒されていく。


日本の色表現は、見た感じからうまれたという。
植物・花の姿を見てその明暗・濃淡が色の表現になったという。

 webで見た解説に以下のようなものがあります。
朽葉

平安時代の貴族は朽葉色の陽光のような明るい黄赤を非常に好み、
朽葉には黄色味が強い「黄朽葉」、
赤色味の強い「赤朽葉」、
青みの残る落ち葉を模した緑色系統の「青朽葉」
などの派生が「朽葉四十八色」と言われるほど存在する。

このうち青朽葉以外はみなクチナシとベニバナを重ね
染めしたもので染料の配合のみ変えて染めた。
重ねの色目では「朽葉色の襲」は表が朽葉色で裏が黄色
「赤朽葉」が表が赤朽葉、裏が黄色、
「青朽葉」が表が青朽葉、
裏が黄朽葉ですべて秋に着る衣装に用いるとされた。

氷焔のごと 火打ちの 立冬

2008-11-08 09:34:32 | Lyricism

朝日山に住む、ユキウサギさんが、

秋の景色を眺め浸っていたいのに
やはり 冬が近いと思うと ぴよん!
なんか そわそわしてしまいます。ぴよん
過ぎ去れば 特に何もないのでしょうけど……

「新しく降った雪です。11月30日でした」
と冬構えの感懐と写真を送ってくれた。
タニシの里に、雪が来るのいつだろうか、ブツブツ


朝日山といえば、来年はNHK大河ドラマ『天地人』のご当地。。

戦国武将・上杉景勝に仕えた上杉家の家老直江兼続。
戦国時代に「義」と「愛」に生きた知勇兼備の「義の武将」「戦国ヒーロー」「民と故郷への愛を貫いた」直江兼続。謙信亡き後の、上杉家存亡を主君景勝とともに戦う様と、それを支えた女たちを描くという。

池波正太郎の「真田太平記」にも、直江兼続については、真田昌幸、幸村親子が一目置いた知将として描かれている。

北信五岳を挟んで越後と信州、
知と勇と畏敬の歴史山河があった。

今日から11月。秋のささやき。キクの花。冬支度。

2008-11-01 09:24:17 | Lyricism

11月になりました。
べつに云うこともありません。

解散風も止み。消えた年金もそのまま。
世界金融恐慌とか、危険な食べ物とか、
国民の生活不安は、そのまま持ち越し。
世は何事もなしのように過ぎ行くのみ。

ブッシュの戦争に加担する「テロ特措法」が、
また民主党の人質になっている。
4日に、オバマが勝って「日本は給油はもういいです」なんて事になったら、
麻生さん「チョー、恥ずかしい」

タニシの棲みかは火の車だ。今週もまた、
市役所から市・県民税第2期43,000円の催促状と
国民健康保険料第4期31,100円の督促状が来た。
まだ何期か続く。固定資産税も残っている。

所得税も挽かれているし、介護保険料も摂られている。
毎日、消費税も払っている。たまにはガソリン税も。
そうだ、毎晩ビールを飲むから、アルコール税も払っている。
「定額給付」も税金に逆戻りするだけだ。

悪代官から収奪される昔の農民みたいだ。
一揆を起した、昔の農民の方が勇気があった。

麻生さん、得意げに、高速道路料金下げるから、
3年寝たら「消費税上げます」という。
冗談じゃない、ゼイゼイ、青息吐息で死にそうだ。

まあ、こんなときはこんな音楽でも聴いて、
ああ、日本はどこかの国より、いい国だと思いましょう。

秋のささやき