民主党政権、鳩山由紀夫内閣の前原誠司・国土交通大臣が群馬県長野原町の「八ッ場ダム建設中止」に取り憑かれている。かつて「偽メール」に取り憑かれたように……。
政権マニフェストにある、それだけの理由で、何が何でも「中止」だという。
これは、地元住民、人間の声には耳を貸さない「マニフェストの暴走」である。
関東の耶馬溪といわれる「吾妻渓谷・川原湯温泉、吾妻川」をダムの湖底に沈められる住民たちの、50年に及ぶ苦渋の選択、賛成派・反対派の葛藤は、注ぎ込まれた国費以上の計り知れないものであったろう。
完成まであと6年、ここでいきなり中止では、住民が怒るのは当たり前である。
中止による損害は、国費で補償するという。
冗談じゃない、
保障するとしたら、ずたずたに引き裂いてきた住民たちの心情と、破壊してきた自然風景、国土の原状回復をすべきだ。金では償えないのだ。
前原さん保障するなら、「あの美しい名勝、天然記念物でもある吾妻峡、名湯、川原湯温泉街を元の姿に戻せ」と言いたい。
タニシの爺が怒るわけは、畏敬する俳人・歌人が吾妻には幾人も居り、何回も訪れ、この風景がダムの底になる無念さを、共にしてきたことによる。
それに、一番肝心なことは、
今夏の総選挙では、この選挙区には民主党候補者が居なかったことだ。
「八ッ場ダム建設中止」のマニフェストを掲げて住民に訴えていない。
現場では逃げて、全体公約をもって、現場を混乱させるなんて許せないのだ。
第45回衆議院議員総選挙 (小選挙第5区)
当選 小渕優子 152,708 自由民主党
落選 土屋富久 53,048 社会民主党
落選 生方秀幸 9,406 幸福実現党
群馬県比例代表得票数
民主党431,422
社民党49,801
国民新党
与党計481,223
共産党63,048
自民党347,040
公明党114,706
みんなの党56,515
野党計518,261
得票数で見ても、地元住民の民意は「ダム中止」ではない。
民主党のマニュフェストには「地方分権」も重要な項目になっていた。
地元民の意思を踏みにじることは、
政権公約違反ではないのだろうか。
前原誠司氏といえば、あの「偽メール事件」が強烈に思い出す。状況から「あのメールはヤバイ」とだれもが忠告しているのに、最後まで本物だといって、突っ走って自滅した。
この「ダム中止」も住民の声に、聞く耳を持たないで突っ走っていると、鳩山・小沢政権の命取りになる。
そうなると、「天下り廃止」など、いろいろいいことをやってくれそうだと、期待し始めた国民への大裏切りになる。
民主党じゃ「やっぱりダメか」