早くも七草の日がきます。
元日から全く何もしないで過ごしました。
ブログアップのネタもないので、今年は故郷が大河のご当地になっています。
その辺のことを書き連ねてみました。
「明日は、お前、死ぬる身じゃな」
急に、女のささやきが聞こえてきた。
槍を両腕に抱いたまま、ようやく、仮眠の中に分け入ろうとしていた向井佐平次の耳朶へ、
女の熱い息がかかり、
「死ぬ前に、女の躰、抱きとうはないかえ‥‥」
と、いう。
闇の中で、なまぐさいまでにただよう女の濃密な体臭には、血の匂いもまじっているかのようだ。
「ほれ‥‥」
背後から女の手が、佐平次の腕をつかみ、引き寄せた。
たちまちに、佐平次の掌が、たっぷりと量感をたたえた重い乳房にふれた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「どうじゃ、若い人‥‥」
うしろから、くびすじへ巻きつけてきた女のふとやかな腕を振り払い、向井佐平次は
「いらぬ」
一語を投げつけたのみで、立ち上がった。
女の、ふくみ笑いがした。
武田勝頼勢の最後の砦、高遠城陥落前夜のことです。
こんな書き出しで始まる池波正太郎の「真田太平記」(文庫版、全12巻)。
真田親子・兄弟、信長、秀吉、家康、それに忍びの者が絡み合う、
長編で壮大な戦国ロマンが描かれます。
冒頭に登場する、向井佐平次、忍びの女・お江は、幸村に生涯をかけて尽くす。
今年のNHK大河ドラマは「真田丸」ということで、
NHKは大河人気の復活への切り札として連日、
番宣キャンペーンを張っています。
地元の上田市も真田一族の歴史を観光資料として、
一大地元キャンペーンを展開して”燃えています”。
大河ドラマ「真田丸」上田市推進協議会の公式ホームページ
爺としては池波版「真田太平記」の印象が強くあって、
10日から始まる「真田丸」にどれだけなじめるか迷います。
NHKの大河ドラマは10年以上見たことがありません。
ちょい見の印象で言えば、一生懸命なのは好いけれど、
冗長すぎて全く面白くない。
真田一族の戦歴・エピソードは、
多くの資料や小説、講談本で広く知られています。
大河「真田丸」がこれらの史実をどのように見せるのか。
ドラマ展開に期待したい。
3年前に真田の庄・湯の丸の保養施設で開いた高校クラス会の後、
立ち寄った上田城です。
十勇士のうち、5人に出迎えを受けました。
美形の戦士に「お江」かと訪ねると、
「十勇士には女はいません」と返されました。