たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

高齢者の「あくがれて行く」日々

2020-01-26 11:55:15 | Journalism

今朝・令和2年1月26日、早暁に、
FM放送のイヤホーンから耳に入った日本語単語、
「あくがれ」というフレーズがありました。

NHKFMの番組に毎週日曜午前5時から、
「邦楽百番」という時間があります。
名前の通り筝曲や清元をたっぷり聴かせてくれます。
「たにしの爺」筝曲や清元に全く知識がありません。

それが何故、邦楽か、ということになる??
枕元にラジカセイヤホーンが在って一晩中、
耳に入れれば放送が聴ける状態になっている。

ラジカセはNHKFMに固定されていて、
もっぱらクラシック番組を聞いています。

最近のNHKFMはクラシック音楽より、
若者向けのポップス系の時間が多くなり、
高齢者には肌合いが合わない感じですね。

トイレから戻って時計を見たら5時を回っていました。
1時にトイレに起きてから5時ですから、
最近になく、よく眠れた夜でした。



イヤホーンを耳に入れると響いたのは、
筝・琴の張りつめた弦の共鳴音でした。

筝の連弾音って、なんか典雅で清浄感に満ちていて、
朝起きの「ぼーっと」した脳内をクリアにしてくれる。
そんな風に「たにしの爺」は感じています。
「個人の感想です」

今朝の放送の3曲目に若山牧水作詞の「あくがれ」を、
筝と十七弦の演奏でバリトン歌手が謡われました。
十七弦の低音と筝の高音が短い詩の間を繋ぐものでした。

爺がこの記事を書く気になったのは、
全く知らない世界の「筝曲」のことではなく、
若山牧水作詞の「あくがれ」という曲題名の、
「あくがれ」という単語でした。

「あくがれ」→「たそがれ」をイメージしていました。
「黄昏・たそがれ」なら徘徊爺の境地です。

PCに入力してみました「あくがれ」、
転換キーを押すと→「悪枯れ」と出ました。
えっつ??ホント~~転換ミス??
「悪枯れ」…「立ち枯れ」「霜枯れ」「冬枯れ」と同類語句か。



「あくがれ」の正しい意味は、牧水の詩から、
*けふもまた こころの鉦を 打ち鳴らし 打ち鳴らしつつ あくがれて行く

「あくがれ」は「憧れる」の意味だと分かりました。

・Goo辞書によりますと(引用します)、
《本来は、あるべき所から離れる意》
1 いる所を離れてふらふらさまよう。
2 物事に心が奪われる。うわの空になる。
3 胸を焦がす。思い焦がれる。ーーなど

遍歴放浪の詩人・若山牧水の詩の意味は、
山から海へ、旅から旅へ憧れて、
心の鐘を鳴らして今日も旅行く、
そいう歌でした。

今朝、早暁に聴いた「十七弦」の音色は、
牧水の「あくがれ」る心の鐘、
「琴線」を揺らし鳴らすものでした。
たそがれの爺にも響きました。



1 いる所を離れてふらふらさまよう。
「徘徊」も居る所が分からなくなることですね。

「たにしの爺」も牧水並みに「徘徊の日々」、
まあ、「あくがれて行く」と言えますな~

ずれずれ妄言を、
最後までお読みくださった皆さまありがとう。
掲載の写真は近江路を遍歴した時のものです。