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キノコ王国のきのこ鍋4

2010-10-23 11:04:54 | Weblog
写真は昆明のデン池脇の食堂「温馨飯店」の店内に掲げられていた鶏油菌のポスター。「薬菌仙-鶏油菌」との文字が赤字で書かれている。公共のバス路線がないせいか、デン池めぐりを楽しむ観光客のマイカーの路駐がすごい。街自体は、農家を主体としたマイカーを持たない人々が多いようだ。

なかなかキノコ鍋屋にたどり着きません。キノコの種類がなんといっても豊富で、モノによっては鶏肉のような味のするものまであり、ついつい長くなっています。このへんでしめましょう。

【運命の出会い】
 他にも、野生のキクラゲなど様々なキノコがありますが、全部、ご紹介しているときりがないので、最後に不思議な体験をした、あるキノコの話を一つ。

 人それぞれ体質があり、たとえば風邪薬一つとっても、人によって効き目のある薬が違うように体に合う成分は人ごとに異なります。私はどちらかといえば特殊体質。体にいいとされるスッポンなどの強力な食べ物を一口でも食べようものなら胃がひっくり返るほどの苦しみとなり、漢方の権威ある先生が体の当たりがやわらかいとされる薬として私に処方する漢方薬ですら、私にはおそろしい副作用をもたらすこともたびたび。

 そんな私に不思議なほど、よい薬効をもたらしたキノコが雲南にありました。その名は「鶏油菌」。
 外観は黄色く、ぬめりの少ないナメコ、といったところ。八月下旬から九月ごろの、やや秋風が混じるころが旬です。哀しいことに乾物や冷凍物などは一切なく、保存がきかないので、その時期の、現地でしか食べるしか食べる方法はありません。
くさーいデン池の傍らにある、あまりきれいとはいえない小さな街の大衆食堂で、運命の出会いはありました。

 胃腸が弱く、冷え性で、低血圧のこの私が、このキノコと豆腐の入っただけの、うすい塩味のスープを一口食べたとたんに、体の血が巡っているのを実感。やがて、ほどよく汗が噴き出て、目、肩や腰の尋常でないコリからも開放されたのです!

 よもや普通のスープと思っていたのにこの劇的変化。汗が噴き出て動きたくないので、かたわらの知人に、なぜか店に飾ってある各種キノコのポスターの該当箇所を読むように頼むと
「すごいよ。ビンゴだ。」
 と、血相を変えてもどってきました。そこには「薬仙キノコ」と書かれていたのです。薬効の優れた仙人のようなキノコとは・・。

 薬効が体を駆けめぐっている最中に目にしたものですから、のけぞるほど、驚きました。その食堂に入るまでは右足の付け根が痛くて、この先、どうすれば歩けるのだろう、という深い悩みに一人、沈んでいたのですが、おかげで助かりました。

 ちなみに本によると、カロチン、ビタミンC、タンパク質、カルシウム、リン、鉄などの成分があり、目、肺、胃腸、乾燥肌などによいそうです。

 さて、その晩は、もてる力以上に歩きすぎたためか、またもや痛みで苦しむはめに陥ったのでした。

参考文献:『菌縁:雲南野生菌煮★(★=食偏+壬)』 雲南菌縁餐飲管理有限公司編、雲南美術出版社,1998

コメント
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