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雲南の牛6 

2015-11-11 15:30:16 | Weblog
写真は文山州広南県の村で、人間と息を合わせて畑を耕し続けていた牛。この牛の背中には特徴的なコブがある。飼育牛の2大系統は北方系とインド系に大別できると以前、書いたが、この牛はインド系ということになる。

 耕す人は裸足で帽子もかぶらず、ラフなズボンと青いシャツ姿で気取りもなにもないが、牛の毛づやはツヤツヤと輝き、飼い主が作業を止めたときに草を食むと、優しそうな目で飼い主を見ていた。
 山間の盆地の閉鎖的な空間見渡す限りの中で大きな生き物はこの一人と一頭に見えるほどの静かな場所のなか、信頼の太い糸が見えるようだった。


【雲南6大銘牛3・文山黄牛】
 そもそも、山一つ越えただけ、隣村に行っただけで、まったく違う牛がいるのだなあ、と初めて牛に興味がわいたところが雲南中東部の文山州でした。
 
やたら目のくりくりしたかわいらしい栗色の小さな牛がいるかと思えば、いかつく肩にヒトコブある黒毛の大牛がいる。角も上向き、横向き、前向きと様々。牛ってこれほどバラエティに富んでいるの? と魅力にはまってしまったのです。

その文山が雲南6大銘牛の一つに数えられていると知り、やはり、雲南でも珍しい地域だったのだなあと、改めてと納得しました。

この文山黄牛は、いままでご紹介したヤクやミタンのように、なにか別の種の牛というわけではありません。

山や谷の多く複雑な地形と湿潤な気候に合わせて生きられるほど丈夫で繁殖力も強く、力仕事にもよく耐え、性格も温和で、肉質もよい、このあたりの一般的な家畜牛の総称です。背中にコブのあるものもいれば、ないものもいる、大きさも色もまちまち。「文山黄牛」と一つも名前で括っていいものかと疑問に思うほどのバラエティに富んだ、文山の牛です。

文山州の歴史的な中心地である広南県から毎年、県外、遠くは外国にまで2万頭近くを肉牛もしくは種牛を輸出するほどの一大ブランドとなっているとのことです。
(つづく)
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