(英語版)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(74)
第28章 バーチャル管制(1)ブルジュ・ドバイ(2/3)

「まず右翼後方の二番機。直ちにアラビア半島方向へ向かえ。」
マフィアは言われるままゆっくり右に旋回し仲間の2機から離脱した。後方から米軍機が追いつき、並走を始めた。お互いに相手のパイロットの顔が識別できるほどの近さである。
マフィアは米軍機のパイロットに向かって親指を突き上げて見せた。交信を禁じられたマフィアとしては、それは救援に感謝する意思表示であった。しかし相手のパイロットはそれに応えず操縦桿を握りしめ、少し下降してマフィア機の下に潜り込むと、何かを確認するようにマフィア機の胴体腹部を見上げた。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)