4/23-24の2日間にわたりカタールのドーハでInternational Energy Forum(IEF)(*1)で第10回世界エネルギーフォーラムが開催され、日本の二階経済産業相ほか世界59カ国及び6の世界機関が参加した。
原油価格が70ドル/バレルに急騰し、またOPEC加盟国であるイランの核疑惑問題或いはナイジェリアの内紛による石油供給不安の中で、産油国と消費国が石油の価格と供給安定及び需要抑制に共同で取り組む体制作りが期待された。しかし会議では産油国の石油開発投資不足を指摘するIEAなど消費国側の意見に対し、精製能力の不足が価格不安の原因であり原油は十分に供給されているとする産油国側の主張がすれ違ったままで、閉会式の議長総括でも常識論と将来的な対策に触れるだけに終わった。
二階大臣とOPEC議長との会談が実現、また石油企業トップ相互間及び産油国との情報交換が行われたと思われ(4/23 Arab Times)、イラク石油省幹部が同国への石油開発参入を呼びかける(4/22 Gulf Daily News)など、むしろ会議場外での情報交換に終始したように見受けられる。
世界の4分の1を消費する米国が参加せず、また開催国のカタールの取り組みも奇妙なほど熱意が感じられなかった(*2)ことが印象に残る。
* 1 International Energy Forum
石油等のエネルギーの生産国と消費国の閣僚レベルでエネルギー政策に関わる情報交換、意見交換を行うことにより、共通理解を図ることを目的として、91年に第1次会合をパリで開催。2002年8月、大阪で第8回会議が開かれた。
* 2 ハマド首長が顔を見せないカタールの熱意の無さ、ひょっとして首長家に異変?
カタールのハマド首長は開会式にも姿を現さず、タミム皇太子が挨拶を行った。最近のカタールは国際会議の招聘に熱心であり、同国で開催される国際会議ではハマド首長が欠かさず挨拶を行っている。また同首長は頻繁に外遊しており、自らの力を誇示することに非常に熱心である。今回のような世界各国のエネルギー関係閣僚や巨大石油企業のトップが集まる国際会議は、自らのプレゼンスをアピールする絶好の機会にもかかわらず、ハマド首長が表面にでなかったことはどうしてだろうか。
また日頃首長の動向を詳細に報道しているGulf Times, The Peninsula各英字紙のインターネット版は、このところその動静を全く報道しておらず、Gulf Timesなどは2日以上内容が更新されない状態である。
IEFを軽視しただけではなく、ハマド首長自身に何らかの理由があったのではないかと憶測する。
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