石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計2009年版解説シリーズ:石油篇(5)

2009-06-23 | その他

*HP「中東と石油」に本シリーズ(1)埋蔵量~(5)原油価格が一括掲載されていますのでご覧ください。

 

BPが毎年恒例の「BP Statistical Report of World Energy 2009」を発表した。以下は同レポートの中から石油に関する埋蔵量、生産量、消費量及び石油価格のデータを抜粋して解説したものである。

石油篇(5):原油価格

   1976年以降の原油価格の推移を見ると、1973年の第一次オイル・ショックでバレル当たり10ドル台となった原油価格は、1979年の第二次オイル・ショックにより1980年には40ドル近くにまで跳ね上がっている。(上図参照。青の実線はWTI原油の年間平均価格。拡大図はhttp://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2D-2-97SpotCrudePrices.gif )  

しかし石油の消費量は1979年をピークとしてその後長期にわたり低迷したため、価格も1980年代後半には10ドル台に下落した。原油価格が20ドル台を回復するのは2000年に入ってからである。

 ところが2003年以降、価格は急騰し、2004年には第二次オイル・ショック時の価格を突破、その後も毎年大幅に上昇して、2008年7月には史上最高の147ドルに達し、同年の年間平均価格も100ドルの大台を突破し100.06ドルとなっている。2002年の年間平均価格26.16ドルに対し実に4倍弱に跳ね上がっている。

  このように名目価格としては2004年の年間平均価格(41.49ドル)はオイル・ショック時の1980年を追い抜いているが、1980年当時の価格を2008年のベースに換算すると96.62ドルに相当する(上図参照)。2008年の年間平均価格は100.06ドルであるから、同年は名目的にも実質的にも史上最高の価格水準であったと言える。

(以上で石油篇を終わります。次回からは天然ガス篇です。)

(これまでの内容)

石油篇(4):世界の石油精製能力

石油篇(3):世界の石油消費量

石油篇(2):世界の石油生産量

石油篇(1):世界の石油の埋蔵量

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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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