3.世界の石油消費量(続き)
(石油を爆食する米国と中国、両国だけで世界の石油の3分の1を消費!)
(2) 国別消費量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-3-T01.pdf 参照)
国別に見ると世界最大の石油消費国は米国で、2014年の消費量は1,904万B/D、世界全体の21%を占めている。第二位は中国の1,106万B/D(シェア12%)である。米国と中国を合わせたシェアは33%であり両国だけで世界の3分の1の石油を爆食していることになる。
3位の日本の消費量は430万B/Dで前年より5%減少している。消費量の多い上位10カ国の中で前年より減少したのは日本の他は第9位のドイツ(1.5%減)と第10位カナダ(0.5%減)の3カ国だけであるが、その中でも日本の減少幅が突出して高い。日本の消費量は米国の4分の1、中国の4割弱である。4位以下はインド(385万B/D)、ブラジル(323万B/D)、ロシア(320万B/D)、サウジアラビア(319万B/D)と続いている。この中でブラジルおよびサウジアラビアの2か国は対前年増加率が各々5.9%、6.2%と高く、大幅に減少している日本と対照的である。
石油は米、日の先進2カ国及びBRICsと呼ばれる中国、インド、ロシア、ブラジルの新興4カ国に大産油国でもあるサウジアラビアを加えた7カ国で世界の半分を消費している。この他ベストテンに入っているのは第8位韓国(246万B/D)、第9位ドイツ(237万B/D)、第10位カナダ(237万B/D)である。2013年と比較すると、国別順位ではブラジルがロシアを追い抜いて5位に浮上している。
国別消費量を前章の国別生産量(第2章(2))と比較すると興味ある事実が浮かび上がる。米国と中国は消費量世界一位と二位であるが、生産量についても米国は世界1位、中国は世界5位である。両国は石油の消費大国であると同時に生産大国でもある。そしてサウジアラビア及びロシアは生産量で世界2位、3位であり、消費量では7位と6位でいずれもベストテンに入っている。その他消費量10位のカナダは生産量世界4位であり、消費量5位のブラジルも生産量世界13位である。このように石油消費量上位10カ国のうち6カ国は石油の生産量も多い国々であるが、消費量ベストテンに入っていても生産量が皆無もしくは非常に少ない国は日本、インド、韓国及びドイツの4カ国である。このように石油を大量に消費する国といえどもその状況は各国によって大きく異なる。従って「消費国」と言うだけで結束して産油国(例えばOPECなど)に対峙することは容易ではないのである。
(続く)
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