(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0389BpOilGas2016.pdf
(2015年は過去25年間で初めて埋蔵量が減少!)
(3)1990年~2015年までの合計可採埋蔵量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-1-G03.pdf 参照)
1990年末の世界の石油と天然ガスの埋蔵量はそれぞれ1兆275億バレルと109兆㎥(石油換算6,880億バレル)で合計埋蔵量は1兆7,155億バレルであった。因みに両者の構成比率は石油60%、天然ガス40%であるが、この比率は2015年まで殆ど変っていない。
1990年代を通じて埋蔵量は年率1~2%で漸増、1999年には対前年比8.2%と大幅に増加して合計埋蔵量は2兆バレルを突破した。2002年に2.3兆バレル記録した後、数年間は低い増加率にとどまったが、2007年以降は再び増加傾向を回復、2015年には石油1.7兆バレル、天然ガス187兆㎥(石油換算1.2兆バレル)の合計2.88兆バレルに達した。但し2015年はわずかではあるが前年を下回り、過去25年間で初めて埋蔵量が減少している。ちなみに2015年の埋蔵量は1990年の1.7倍である。
1990年から2015年までの過去25年間の平均成長率は1.9%である。次項(可採年数)に述べるとおり埋蔵量を生産量で割った可採年数は2010年まではほぼ一貫して上向いており、それ以降は漸減傾向を示している。このことから最近は石油及び天然ガスの探鉱・開発活動が低調に推移し、埋蔵量の追加が生産量の増加に追いついていないことを示している。
これは最近の石油価格の下落により石油企業の業績が悪化、各社とも石油・天然ガスの上流部門の投資が削減されたことが大きな理由であろう。
(続く)
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