(ロシアと日本がそれぞれ輸出入世界一!)
(5) 2015年の天然ガス貿易(パイプライン + LNG合計)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-4-G06.pdf 参照)
2015年のパイプライン(以下P/L)とLNGを合わせた天然ガスの輸出(入)量は世界全体で1兆424億㎥であった。輸出量トップはロシアの1,906億㎥であり、内訳はP/Lによるものが1,761億㎥、LNGが145億㎥であった。世界の輸出全体に占める同国の割合は18%である。これに次ぐのがカタールの1,262億㎥であり、内訳はLNG輸出が1,064億㎥、P/L(ドルフィンP/L)はUAE向けの198億㎥である。第3位はノルウェーの1,155億㎥で、同国の場合は殆どがP/Lによる欧州各国向けの輸出である。上記3カ国が天然ガスの三大輸出国であり、3カ国の合計シェアは世界の42%に達する。その他の主な輸出国はカナダ、アルジェリア、トルクメニスタン、オーストラリアなどである。
一方輸入国としては日本が1,180億㎥と最も多く、次いでドイツの1,040億㎥が世界第2位である。日本は全量がLNG、ドイツは全量P/Lと両国の特色が分かれている。世界第3位の輸入国は中国(598億㎥)であり、第4位以下にイタリア(562億㎥)、トルコ(472億㎥)、韓国(434億㎥)と続いている。なお米国はGrossの輸入量は770億㎥であるが、一方505億㎥を輸出している。これを差し引いたNETの輸入量は265億㎥となり、世界12位の輸入国となる。さらに米国は近年シェールガスの開発生産が急増、国内での自給率が高まっている(第3項消費量(5)「主要国の需給ギャップ」参照)。従って輸入量は引き続き減少し、いずれ天然ガスの純輸出国になるものと思われる。
輸入上位2カ国(日本、ドイツ)の世界全体に占める割合は21%であり、輸出上位2カ国(ロシア及びカタール)のシェア30%に比べてかなり低い。輸出は少数の国に握られ、輸入は多くの国が群がっていると言えよう。
(続く)
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