石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

減少に転じた埋蔵量:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ(石油+天然ガス篇9)

2016-09-30 | BP統計

 

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0389BpOilGas2016.pdf

 

 

3.世界の石油と天然ガスの消費量

(三大消費地域:アジア・大洋州、北米、欧州・ユーラシア!)

(1)2015年の石油と天然ガスの地域別合計消費量

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-3-G01.pdf 参照)

 2015年の世界の石油消費量は日量9,501万バレル(以下B/D)であり、これに対して天然ガスの消費量は年間3兆4,686億立方メートル(以下㎥)であった。天然ガスの消費量を石油に換算すると5,978万B/Dとなり、従って石油と天然ガスを合わせた1日当りの消費量は1億5,478万B/Dとなる。両者の比率は石油61%、天然ガス39%でほぼ3:2の割合である。

 

 消費量を地域別に見ると、アジア・大洋州が4,453万B/D、北米4,025万B/D、欧州・ユーラシア3,567万B/Dと並んでおり、これら3地域が世界に占める割合は8割弱に達する。但し各地域の石油と天然ガスの比率にはそれぞれ違いがあり、アジア・大洋州は石油の比率が73%に対して天然ガスは27%である。一方欧州・ユーラシアは石油と天然ガスの比率がそれぞれ52%と48%でほぼ均衡しており、北米の場合は石油59%に対して天然ガスは41%である。世界的に見ると上述の通り石油がエネルギーの太宗を占めているが、欧州・ユーラシア地域はロシア・中央アジアなど天然ガスの生産地と西ヨーロッパの消費地が陸続きのためパイプライン網による天然ガス利用が発達したという歴史的経緯がある。ヨーロッパでは天然ガスは家庭用・発電用燃料として使われ、一方石油の用途は輸送用燃料(ガソリン、ディーゼル)或いは石油化学原料が一般的であり、天然ガスと石油の利用が相半ばしているのである。

 

 これら以外の3地域(中南米、中東、アフリカ)は全て併せても20%強に過ぎず、それぞれの世界消費に占めるシェアは中東12%、中南米6%、アフリカ4%である。石油及び天然ガスの消費が先進国及びアジアの新興工業地帯に集中していることがわかる。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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