石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

減少に転じた埋蔵量:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ(石油+天然ガス篇13)

2016-10-06 | BP統計

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0389BpOilGas2016.pdf

 

(石油・天然ガスの消費が急増する中国、日本は15年間で10%減!)

(5)主要5カ国の消費量推移(2000年~2015年)

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-3-G04.pdf 参照)

 米国、日本、中国、ロシア及びインドの5カ国について2000年から2015年までの各国の石油と天然ガスの合計消費量を見ると、米国の消費量は他の国を圧倒しており2000年時点で3,109万B/Dとロシア(875万B/D)の3.6倍、日本(679万B/D)の4.6倍、中国(513万B/D)の6倍あり、インド(271万B/D)に対しては10倍以上の差があった。

 

 米国の消費量は2012年まで横ばい状態を続けたが、最近3年間は増加傾向にあり、2015年は3,280万B/Dと史上最高となった。中国の消費量は爆発的に増加しており、2004年には日本を超え、さらに2009年にはロシアを追い抜き米国に次ぐ世界第2位の石油・天然ガス消費国となり、2015年の消費量は2000年比3倍の1,537万B/Dに達している。この結果かつて6倍であった米国と中国の差は2倍にまで縮まっている。

 

 インドも中国程ではないが年々増加しており2000年に271万B/Dであった消費量は、2004年には300万B/D、そして2009年には400万B/Dを突破、2015年の消費量は2000年比1.9倍の503万B/Dに達している。日本との差は未だ100万B/D以上あるが現在の趨勢が続けば近い将来インドの消費量は日本を上回ることになろう。

 

 日本の石油・天然ガスの消費量は2000年から2009年まではほぼ一貫して減少し、2009年には600万B/Dを下回ったが、その後は再び600万B/D台を回復、2015年の消費量は611万B/Dであった。しかしそれでもなお2000年を10%下回っている。比較した5か国の中で2000年の水準を下回っているのは日本だけであり際立った特徴を示している。これは景気低迷によりエネルギー消費が減少したこと及び省エネ政策によりエネルギー効率が向上したためと考えられる。省エネ政策や再生エネルギー利用は今後も継続的に発展することが見込まれるが、一方では原発の停止により火力発電用石油・天然ガスが増えることは避けられないであろう。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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