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http://mylibrary.maeda1.jp/0446BpOil2018.pdf
2018.7.12
前田 高行
5.世界の石油精製能力(続き)
(対照的なインドと日本、設備拡張に走るインドと過剰設備解消が大命題の日本!)
(2) 国別石油精製能力
(表http://bpdatabase.maeda1.jp/1-5-T01.pdf 参照)
世界で最も高い精製能力を有する国は米国で、2017年は1,857万B/D、世界全体の19%の設備を所有している。第二位は中国の1,451万B/D(シェア15%)であり、両国だけで世界の3分の1の精製能力がある。精製能力1千万B/D以上はこの2カ国だけであり、第3位のロシアは658万B/Dである。
2011年に日本を追い抜いたインドの2017年の精製能力は497万B/Dで対前年比7.6%増である。一方の日本は前年より7.1%減の334万B/Dとなり両国の差は広がっている。石油消費量でも日本の399万B/Dに対してインドは469万B/Dと日本を上回っている。日本では石油企業の合併により精製設備の集約が推し進められる一方、インドは慢性的な精製設備不足に悩まされており(次項「精製能力の推移」及び主要国の「製油所稼働率」参照)、両国の精製能力の格差は今後ますます広がるものと思われる。
日本に次いで高い精製能力を有するのは韓国(325万B/D)で、さらに第7位以下はサウジアラビア(282万B/D)、ブラジル(229万B/D)、イラン(211万B/D)である。サウジアラビアは原油の生産国であり国内に数ヶ所の輸出専用製油所が稼働、石油製品の輸出により付加価値の増大を追求しているが、それと共に国内の石油製品の需要が急増しているため製油所の新設が相次いでいる。
精製能力を前年と比較すると世界全体では+0.6%とほぼ横ばいであるが、上位10カ国の中ではインド(+7.6%)、イラン(+6.0%)、中国(+2.4%)などが高い伸びを示している一方、日本(-7.1%)、サウジアラビア(-2.7%)などは精製能力が減少している。
(続く)
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