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http://mylibrary.maeda1.jp/0446BpOil2018.pdf
2018.7.3
前田 高行
(年々増加する中国とインド、減少が続く日本、経済成長・省エネのいずれが真の勝者か!)
(4) 四大石油消費国(米、中、印、日)の消費量の推移
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/1-3-G03.pdf 参照)
2017年の世界の三大石油消費国は米国、中国及びインドである。日本はつい2年前まではNo.3であったが、2015年にインドに追い抜かれその差は年々ひろがっている。これら4カ国の1970年以降の消費量の推移には先進国(米国・日本)と開発途上国(中国・インド、サウジアラビア)それぞれの特徴が如実に表われている。
世界最大の石油消費国である米国は1970年(1,471万B/D)から1980年(1,706万B/D)まで消費が大きく伸びた後、1980年代前半は需要が減退している。しかし1985年(1,573万B/D)以降再び消費量は着実に増加、2000年代前半には2千万B/Dを突破した。そして2005年に2,080万B/Dに達した後は減少と停滞に転じ2017年の消費量は1,988万B/Dであった。
日本については1970年の消費量は388万B/Dで米国の4分の1であったが、それでも中国(55万B/D)、インド(39万B/D)を大きく引き離していた。1975年には479万B/Dに増加したが、1979年の第二次オイルショックを契機に石油消費の伸びは低下、1985年は443万B/Dであった。1990年代に入り世界経済の発展と共に石油消費量も500万B/Dを超える水準が続いたが、1995年の577万B/Dをピークにそれ以降は毎年前年を下回るマイナス成長となり2017年の消費量は399万B/Dである。
これに対して中国及びインドは一貫して増加している。中国の石油消費量は1970年代前半に100万B/Dを突破、特に1990年以降は大きく伸び、1990年の230万B/Dが2000年には470万B/Dに倍増した。2000年に入ると伸びはさらに加速して2003年には日本を追い抜き米国に次ぐ世界第二の石油消費国となっている。2005年は690万B/Dと1990年の3倍に達し、2010年は944万B/D、そして2012年には1千万B/Dを突破、2017年の消費量は1,280万B/Dで、これは日本の3.2倍である。
インドの場合も1970年の消費量は39万B/Dにすぎなかったが、1988年に100万B/Dを超すとその後は10年毎に100万B/D単位で増加、2000年の消費量は226万B/D、2010年は332万B/Dを記録しており、2015年にはついに日本を追い抜き米国、中国に次ぐ世界第3位の石油消費国になった。2017年も消費量は大きく伸びて469万B/Dに達している。
日本が省エネ技術により石油消費を抑えたのに対し、中国及びインドはエネルギー多消費型の工業化を推進しており、いずれのタイプが石油消費国として勝者になるか興味深い。
(続く)
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