石油と中東

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首位を固めるシェル:五大国際石油企業2018年4-6月期決算速報(4)

2018-08-08 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートはマイライブラリーで一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0448OilMajor2018-2ndQtr.pdf

 

 

 

2018.8.8

前田 高行

 

2.2017年第2四半期以降の四半期別業績の推移

五社の売上高、利益(全体、上流部門および下流部門)、設備投資、原油・天然ガス生産量に関する2017年4-6月期以降今期までの四半期ごとの業績推移は以下の通りである。

 

(1) 売上高の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)

 2017年第2四半期から2018年第2四半期に至る四半期ベースの売上高は原油価格の上昇を受けて各社とも増収基調にある。5社の中ではShellが721億ドル(17 2nd Qtr)→758億ドル(3rd Qtr)→854億ドル(4th Qtr)→892億ドル(’18 1st Qtr) →968億ドル(’18 2nd Qtr )と5期連続で売り上げトップを続けており、しかも2位、3位のExxonMobil及びBPとの格差は拡がり5社の首位を固める気配である。Shellに次ぐのがExxonMobilでありその売上高は629億ドル(17 2nd Qtr)→662億ドル(3rd Qtr)→665億ドル(4th Qtr)→682億ドル(’18 1st Qtr) →735億ドル(’18 2nd Qtr )である。またBPの売上高は565億ドル(17 2nd Qtr)→600億ドル(3rd Qtr)→678億ドル(4th Qtr)→682億ドル(’18 1st Qtr) →754億ドル(’18 2nd Qtr )であり、最近の3四半期は両者の売上はほぼ同額である。

 

この間の四半期平均原油価格(1バレル当たり)の推移をShellの決算資料で見ると45.62ドル(17 2nd Qtr)→47.06ドル(3rd Qtr)→55.28ドル(4th Qtr)→60.66ドル(’18 1st Qtr) →66.09ドル(’18 2nd Qtr )であり、昨年第2四半期以降、原油価格は45%上昇している。

 

(2)利益の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)

 過去1年間の四半期ごとの利益水準は各社によって異なるものの、いずれもプラスであった。5社の中ではExxonMobilは34億ドル(17 2nd Qtr)→40億ドル(3rd Qtr)→84億ドル(4th Qtr)→47億ドル(’18 1st Qtr) →40億ドル(’18 2nd Qtr)と毎期40億ドル前後の利益を計上、特に17年第4四半期は84億ドルと他社の2倍以上の利益を記録している。Shellは昨年第2四半期は15億ドルの低水準の利益であったが、その後は41億ドル(3rd Qtr)→38億ドル(4th Qtr)→59億ドル(’18 1st Qtr) →60億ドル(’18 2nd Qtr)とほぼ一貫して上向いており今期は他の4社を引き離す高い利益を計上している。

 

Totalは昨年第2、第3四半期に20億ドル台の利益を計上したが、第4四半期は10億ドルに落ち込んだ。その後再び増益に転じ今期は37億ドルと過去1年間で最も高い利益を出している。Chevronも昨年第2四半期以降4期連続の増益であるがShellに比べその伸びは低く、今期は34億ドルと5社中の4位にとどまっている。

 

 BPは5社の中で利益水準が最も低い状態が続いている。昨年第2四半期及び第4四半期は収支トントンの状況であった。しかし最近の2四半期は20億ドル台後半の利益を計上している。

 

(3)売上高利益率の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)

 1年前の昨年第2四半期の五社の利益率はExxonMobilが5.3%と最も高く、Totalがわずかに低い5.1%であった。そしてChevronは4.2%、Shellは2.1%であり、BPが最も低い0.3%であった。続く第3四半期には全社で利益率が向上したが、第4四半期には各社の明暗が分かれ、ExxonMobilは12.6%という高い利益率を示したのに対しTotalは2.2%、BPは0%の利益率にとどまった。今年第1四半期はExxonMobil以外の4社の利益率が向上、Chevronが5社最高の9.6%の利益率を達成した。今期はChevron、Shell及びExxonMobilの利益率は前期より落ちたがChevronが8.1%で5社のトップを維持しており、2期連続で利益率がアップしたTotalが7.1%でこれに続いている。BPは前期よりわずかに改善したものの5社の中では利益率が最も低い状態が続いている。

 

(続く)

 

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                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

 

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