2018.8.13
前田 高行
3.世界の天然ガスの消費量
(需給がバランスしていない欧州とアジア・大洋州!)
(1)地域別消費量
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-3-G01.pdf 参照)
2017年の世界の天然ガス消費量は3兆6,704億立方メートル(以下㎥)であった。これは日産3,551億立法フィート、年産31億6千万トンである。
地域別では北米が9,428億㎥と最も多く全体の26%であり、次いでアジア・大洋州の7,696億㎥(21%)である。この両地域で世界の消費量の半分弱を占めている。これに続いてロシア・中央アジア(5,746億㎥、16%)、中東(5,365億㎥、14%)、欧州(5,317億㎥、14%)の各地域が5千億億㎥で並んでいる。その他の地域は中南米1,734億㎥、アフリカ1,418億㎥であった。アフリカの天然ガス消費量は世界全体の4%で北米の6分の1にとどまっている。
各地域の消費量と生産量(前章参照)を比較すると、北米の生産量シェアと消費量シェアは同じ26%である。その他の地域はロシア・中央アジア(生産量シェア22%、消費量シェア16%)、中東(同18%、14%)、アジア・大洋州(同16%、21%)、欧州(同5%、7%)、中南米(同5%、5%)、アフリカ(同6%、4%)である。
北米及び中南米は生産と消費の比率が等しく地域内で需給がほぼバランスしていることがわかる(域内消費型、地産地消型)。これに対してロシア・中央アジア、中東及びアフリカは生産が消費を上回っており、一方アジア・大洋州及び欧州は消費が生産を上回っている。このことから天然ガスはロシア・中央アジア、中東及びアフリカの各地域からアジア・太平洋或は欧州地域へと地域を超えた貿易が行われている様子がうかがえる(域外貿易型、なおガス貿易については次章で詳述)。
(続く)
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