(2000年以降の天然ガス貿易の年平均伸び率は4.7%!)
(2)天然ガスの貿易量(2000年~2017年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G01.pdf 参照)
2017年の世界の天然ガス貿易の総量は1兆1,340億立法メートル(以下㎥)であり、内訳はパイプラインによるものが7,410億㎥、LNGとして取引されたものは3,930億㎥であった。パイプライン貿易が全体の65%を占めており、LNG貿易は35%である。天然ガス貿易に関与している国の数はパイプライン及びLNGを合わせ60か国以上にのぼる。これらの国の中には日本のようにパイプラインによる輸入がなく全てLNG輸入に依存している国がある一方、カザフスタンのようにパイプラインによるガス輸出のみを行っている国、更には米国とカナダのようにパイプラインで相互に輸出と輸入を行っている国、あるいはカタールのようにLNG輸出から始まり今や近隣国にパイプラインによるガス輸出も行っているなど様々な形態があり、天然ガス貿易は多様化している。
2000年以降の天然ガスの貿易量を見ると、2000年に5千億㎥を突破した後ほぼ2年毎に1,000億㎥ずつと言う高い伸びを示し、2011年には1兆㎥を突破している。同年以降は伸びが鈍化し、2014年には一旦1兆㎥を割ったが、その後は再び毎年4%台後半の伸びを示している。2000年から2017年までの年平均増加率は4.7%である。貿易に占めるパイプラインとLNGの比率は2000年にはパイプライン74%、LNG26%であったが、その後LNGの比率が徐々に増加、2010年には30%を超え、2017年はパイプライン65%に対しLNG35%となっている。
2000年と2017年を比較するとパイプラインによる貿易量の伸びが1.9倍であったのに対してLNGの伸び率は2.9倍である。LNGは最近の伸びが特に著しく2010年には対前年比24%という高い増加率を示している。天然ガス貿易はパイプライン或いはLNG設備が完成すれば貿易量が飛躍的に伸びるという特性があるが、LNG貿易は近年ロシア、豪州の設備新設或は米国のシェールガス液化等により供給力が増加したことが貿易量の増大につながっている。
(続く)
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