石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

目覚ましいUAEの外交活動

2021-12-06 | 中東諸国の動向

積極的な外交活動を展開するUAE

 最近、中東地域の外交活動でアラブ首長国連邦(UAE)の積極的な姿勢が目立つ。それを牽引しているのはアブダビのムハンマド・ビン・ザイド・アル・ナヒヤーン皇太子(略称MBZ)である。UAEはドバイが経済問題を担い、その他内政、外交、軍事、財政全般はアブダビが掌握している。 MBZはハリーファ・アブダビ首長兼UAE連邦政府大統領の異母弟であるが、首長が病弱なため実質的なUAEの指導者とみなされている。

*「アブダビ首長家々系図」、「UAE連邦政府閣僚名簿」参照。

積極外交に走る三つの要因

 UAEが積極外交に走る要因は三つあると考えられる。その第一は米国が中東(アフガニスタンを含む)から撤退し、「自由で開かれたインド・太平洋」構想に軸足を移したことである。米国という重しを失った中東は一気に流動化し、各国の独自外交が重要になっている。第二の要因はUAEがイスラエルと国交を回復したことである。これまで敵対関係にあったアラブ圏の一角のUAEとイスラエルが結びついた結果、経済面で中東に新たなWIN-WIN(ウィン・ウィン)の関係が生まれ、ドバイを抱えるUAEの有利性が顕著になりつつある。第三の要因はUAEを含む湾岸君主制国家6か国から成るGCC(湾岸協力機構)のほころびがはっきりしてきたことである。ムスリム同胞団の扱いをめぐるカタールとサウジアラビア、UAE、バハレーン3カ国間の断交問題は昨年和解したが、サウジアラビアの威信は大きく低下した[1]。カショギ暗殺事件により同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)の評判が地に堕ちたこともあり、UAEはもはやサウジアラビアに遠慮する必要がなくなったのである。

 

 

MBZ及び外相ほかによる外交活動

 最近数カ月間のMBZ及びUAE外相などの活動実績をピックアップすればそのことが明白になる。例えば10月9日にUAE経済相がシリアと経済協力に合意し[2]、11月9日にはアブダッラー外相がダマスカスでアサド大統領と会談している[3]。因みにUAEは2012年にシリアのアサド政権と外交関係を断絶したが、2018年には大使館を再開、これがシリアのアラブ連盟復帰へとつながっている。11月19日にMBZはオースチン米国防長官と地域情勢について意見交換を行い[4]、25日にはエジプト及びイラク大統領と個別の電話会談を行っている[5]。さらに22日には今年2月まで外務担当国務相であったGargash大統領顧問がイランの外務副大臣とドバイで会談している[6]

 

 これらはUAEが米国の中東撤退後をにらみ独自の外交を模索していることを示しているが、その掉尾を飾るのがMBZのトルコ訪問である。MBZは11月24日、トルコを訪問、エルドガン大統領と会談を行った[7]。これまでUAEとトルコはいくつかの問題を抱えて冷え切った関係であった。2016年のトルコのクーデタ未遂事件ではトルコはUAEが反政府組織に財政的な支援を行っていたと非難した。またカタールがUAE等と断交した時はトルコがカタールに軍を派遣しており、さらにリビアの内戦問題ではトルコがリビア正統政府を支持したのに対し、UAEは反政府勢力のハフタール軍団を支援して首都トリポリを空爆するなど対立関係にあった。しかしMBZは今回のトルコ訪問で苦境に立つ同国経済を支援するため100億ドルの投資ファンドを設立すると表明した[8]。コロナ禍による不景気、高インフレ、通貨安が重なり同国の経済は危機的状況にあり、UAEの支援は干天の慈雨である。エルドガン大統領は今回のMBZの訪問がよほどうれしかったのか、来年2月にはUAEを答礼訪問すると表明している[9]

 

 UAEとイスラエルの関係改善もUAEに新しい活躍の場を提供している。UAEがイスラエルと国交回復したのは米国のトランプ大統領時代の2019年のことである。ユダヤ教とイスラームの共通の祖先にちなんでAbraham Accordと名付けられた協定を締結、UAEは湾岸諸国で初のイスラエル大使館を開設し、アブダビ国営航空がテルアビブに乗り入れた。最近ではUAEの資金提供によりヨルダンが太陽光発電を行い、その電力をイスラエルに輸出、見返りとしてイスラエルがヨルダンに天然ガスを供給するという3国間の経済協力プロジェクトが生まれている[10]

 

 UAEの積極外交の第3の要因はサウジアラビアによるGCCの締め付けが弱まったことである。GCCはこれまで米国を後ろ盾にしたサウジアラビアの強い指導力によりUAE、カタールなど他の5か国はほぼ無抵抗にサウジに従属してきた。サウジアラビアはユダヤ教のイスラエル、シーア派のイラン、さらに同じスンニ派ながらムスリム同胞団をイスラーム過激派集団と断じ、これらの勢力が湾岸絶対君主体制の脅威であるとして他のGCC諸国に共同歩調を強要した。しかしカタールはトルコと手を組むことでサウジの圧力をはねのけ、さらにアフガニスタン問題ではタリバン政権と諸外国の橋渡し窓口になるなど国際的な存在感を高めている。

 

 UAEがサウジアラビアに先んじてイスラエルと国交回復したこともGCCの結束を弱めている。サウジアラビアでは対イスラエル外交方針でサルマン国王とムハンマド皇太子(MBS)の意見が一致せず、さらにはカショギ暗殺事件によりMBSの国際的信頼が失墜したこともありGCC亀裂の一因となっている。この結果、UAEはサウジアラビアの意向を忖度する必要性が亡くなったのである。

 

外交活動の自由度が高まったUAEは中東に限らず世界を視野に入れた国威発揚を図ろうとしている。現在ドバイで開催中の万博にとどまらず、最近ではInterpol(国際刑事警察機構)のトップのポストを獲得[11]、また来年カイロで開かれるCOP27(国連気候変動会議)に続く2023年のCOP28開催国に名乗りを上げている[12]。UAEが今後どのような外交活動を展開するのかきわめて興味深い。

 

以上

 

 

本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

荒葉一也

Arehakazuya1@gmail.com

 

[1]地に堕ちたサウジ外交 Part1:無条件和解した GCC サミット」(2021年1月)参照。

[2] UAE and Syria agree to ‘enhance economic cooperation’

https://www.arabnews.com/node/1945311/middle-east

2021/10/10 Arab News

[3] UAE foreign minister meets with Bashar Assad in Damascus

https://www.arabnews.com/node/1964731/middle-east

2021/11/9 Arab News

[4] Abu Dhabi crown prince and US defense secretary discuss strategic bilateral relations

https://www.arabnews.com/node/1972511/middle-east

2021/11/21 Arab News

[5] Abu Dhabi crown prince holds separate talks with Egypt, Iraq leaders

https://www.arabnews.com/node/1975641/middle-east

2021/11/26 Arab News

[6] UAE and Iran to develop ties in ‘new chapter in relations’

https://www.arabnews.jp/en/middle-east/article_60222/

2021/11/24 Arab News

[7] Erdoğan hosts MBZ as Turkey, UAE seek to repair bilateral ties

https://www.dailysabah.com/politics/diplomacy/erdogan-hosts-mbz-as-turkey-uae-seek-to-repair-bilateral-ties

2021/11/24 Daily Sabah

[8] UAE announces $10 billion fund for investments in Turkey

https://www.arabnews.com/node/1974661/business-economy

2021/11/24 Arab News

[9] Turkey’s Erdogan says he will visit UAE in February

https://www.arabnews.com/node/1977636/middle-east 

2021/11/29 Arab News

[10] Jordan, Israel, UAE ink energy-for-water agreement

https://www.arabnews.com/node/1973331/middle-east

2021/11/23 Arab News

[11] UPDATED: Interpol elects United Arab Emirates official as president

https://english.ahram.org.eg/NewsContent/2/8/443272/World/Region/UPDATED-Interpol-elects-United-Arab-Emirates-offic.aspx

2021/11/25 Ahram Online

[12] Egypt officially selected to host UN COP27

https://english.ahram.org.eg/News/439514.aspx

2021/11/11 Ahram Online

 

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石油と中東のニュース(12月4日)

2021-12-04 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・OPEC+各寮会合、1月も従来同様40万B/D追加増産。 *

*「OPEC+の国別生産枠」参照。

・OPEC+決定でBrent原油70ドル回復、それでも週間値下り幅戻らず

・ExxonMobil、2030年までにCO2をMin.30%削減

(中東関連ニュース)

・イラン核協議進展なし。来週再度会合。ヨーロッパ諸国に失望感

・林外相、イラン外相と電話会談。核協議の進展求める

・UAEが仏に大きなクリスマスプレゼント。戦闘機180億ドル購入契約

・イラククルド人地区にIS襲撃12人死亡。年末の米軍撤退控え憂慮広がる

・レバノン情報相辞任。サウジの圧力に屈服

・トルコの11月インフレ21%、2018年11月以来の高さ

・ヨルダン:ペトラ遺跡に観光客足戻る

 

 

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今週の各社プレスリリースから(11/28-12/4)

2021-12-04 | 今週のエネルギー関連新聞発表

11/29 JX石油開発

ベトナム沖15-2鉱区操業にかかる覚書締結について

https://www.nex.jx-group.co.jp/newsrelease/2021/15-2.html

 

11/29 Aramco

Aramco awards contracts worth $10bn for vast Jafurah field development, as unconventional resources program reaches commercial stage

https://www.aramco.com/en/news-media/news/2021/aramco-awards-contracts-worth-$10bn-for-vast-jafurah-field-development

 

11/30 JOGMEC/JX石油開発

インドネシア国営石油会社プルタミナとの覚書再締結について

https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_00005.html

 

12/1 ExxonMobil

ExxonMobil announces corporate plans to 2027 – supports approximately doubling earnings and cash flow potential, reducing emissions

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/1201_ExxonMobil-announces-plans-to-2027-doubling-earnings-and-cash-flow-potential-reducing-emissions

 

12/1 Shell

Shell completes sale of its Permian business to ConocoPhillips

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/shell-completes-sale-of-its-permian-business-to-conocophillips.html

 

12/1 Chevron

Chevron Announces $15 Billion Capital and Exploratory Budget for 2022

https://www.chevron.com/stories/chevron-announces-capital-and-exploratory-budget-for-2022

 

12/2 ENEOS

国内初、AI技術による石油化学プラント自動運転に成功 ~熟練運転員の操作を自動化させるAIシステムを開発~

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20211202_01_01_2006437.pdf

 

12/2 OPEC

23rd OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting

https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/6736.htm

 

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国際石油企業5社、アラムコ及びENEOSと出光興産の2021年7-9月期業績を比較する(4完)

2021-12-03 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートはマイライブラリーで一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0549IocAramcoEneosIdemitsu2021-3rdQtr.pdf

 

(30%近い利益率を誇るアラムコ、Chevronは二桁14%!)

3.売上高利益率 

(1)当期売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-13.pdf 参照)

  売上高利益率を比べてみると、bp(▲6.7%)とShell(▲0.7%)がマイナスで、その他6社の利益率はプラスである。アラムコの利益率は28%であり、これに次ぐChevronの14.4%と比べても極めて利益率が高い。ExxonMobil及びTotalEnergiesの利益率は9%前後であり、コロナ禍以前の水準に戻っている。また日系企業はENEOS4.5%、出光3.5%と安定していると言えよう。

 

(損失率▲50%以上が続出した悪夢の2020年!)

(2)2019年10-12月期以降今期までの推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-23.pdf 参照)

  2019年10―12月期から今期(2021年7-9月期)までのIOC5社の売上高利益率の推移を見ると、2020年は各社とも大幅な下振れを経験しており悪夢の一年間であったと言えよう。

 

2019年10-12月期の売上高利益率はアラムコの24%を別格として、ExxonMobilが8.5%と最も高く、Chevronは8社中でただ一社▲19.1%の大幅なマイナスであった。2020年に入るとまず1-3月期にbp及びExxonMobilがマイナス損失率に転落、4-6月期には日系2社を含め7社がマイナスとなり、さすがのアラムコも利益率は18%に落ち込んだ。同期の損失率はbp▲81%、Shell▲56%、Chevton▲52%と記録的な低さであった。

 

このとき出光、ExxonMobil及びENEOSもそれぞれ▲8.3%、▲3.3%、▲0.3%であったが日系2社はその後今期までプラスが続いており、比較的安定した利益率を示している。一方、ExxonMobilは10-12月期には▲43%の大幅なマイナスを記録するなどIOC各社いずれも厳しい決算を余儀なくされた。

 

2021年に入り各社とも業績が回復、1-3月期は全社の利益率がプラスとなり、この傾向は4-6月期も続いた。但し7-9月期にはExxonMobil、Chevron及びTotalEnergies3社の利益率がさらに改善した一方、bp及びShellはプラスからマイナスに転じており、明暗が分かれた。このような中でアラムコは昨年後半以降再び利益率が好転、今年に入ると毎期30%近くの極めて高い利益率を示している。

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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石油と中東のニュース(12月2日)

2021-12-02 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・OPEC+会合を前に原油わずかながら下落。 Brent $68.79, WTI $65.77

・サウジ、アジア向け1月積み価格$1.2値上げの見込み

・UAE、2022-26年に石油上下流に1,270億ドル投資

(中東関連ニュース)

・IAEA、イランのFordow核濃縮プラント査察の予定

・イラク総選挙、73議席獲得のサドル派が勝利宣言

・トルコ財務相交替。Nebati副大臣が昇格

・サウジ、在アフガニスタン大使館で領事業務再開

・サウジとUAEでもオミクロンコロナ感染者発生

・サウジで米国外では最大のシェールガス開発。フラッキングに海水利用

・世界一暮らしにくい都市はイスラエルのテルアビブ、大阪は10位

・トルコ-リビア間の地中海フェリーが就航

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国際石油企業5社、アラムコ及びENEOSと出光興産の2021年7-9月期業績を比較する(3)

2021-12-01 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートはマイライブラリーで一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0549IocAramcoEneosIdemitsu2021-3rdQtr.pdf

 

(ENEOS売上高はアラムコの2割、ExxonMobilの3割!)

2. 売上高[1] 

(1)当期売上高 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-12.pdf 参照)

2021年7-9月期のENEOSの売上高は2兆5,073億円、出光は1兆5,647億円であった。これをENEOSは1ドル=110円、出光は1ドル=109.8円で換算すると(換算レートは各社の決算説明資料から引用、以下同様)、ENEOSは228億ドル、出光は143億ドルとなる。

 

これに対してアラムコの同期間の売上高は1,081億ドルであり、またIOC5社のそれは最も多いExxonMobilが738億ドル、ついでShell 600億ドル、TotalEnergies 547億ドル、Chevron 426億ドル、bp 379億ドルである。ENEOSはアラムコの2割、ExxonMobilの3割である。出光は比較した中では売上高が最も少なく、アラムコの1割強、ExxonMobilの2割弱である。

 

(原油価格に忠実なアラムコとIOC各社、売り上げの伸びが小さい日系2社!)

(2)2019年10-12月期以降今期までの推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-22.pdf 参照)

 2019年10-12月期から今期(2021年7-9月期)までの売上高の推移を見ると、2019年第4四半期の売上高は851億ドルのShellを筆頭に、アラムコが833億ドル、bp711億ドル、ExxonMobil672億ドルと続き、TotalEnergiesは493億ドル、Chevronが346億ドルであった。これに対して日系2社はENEOS 233億ドル、出光144億ドルであった。

 

その後、2020年第1四半期から第2四半期にかけて各社とも売上高が急激に減少した。特に第2四半期は新型コロナ禍の影響で経済活動が大きく減速し、各社は販売価格及び販売量の両面で過去2年間では最も厳しい売上の減少を強いられた。この期のアラムコの売上高は370億ドル、ExxonMobil、Shellが330億ドルであり、以下TotalEnergies260億ドル、bp210億ドル、Chevron160億ドル、ENEOS140億ドル、出光90億ドルであった。2019年10-12月期を100とした場合、最も減少幅が小さかったのは出光の64であり、大半の企業は2分の1以下に落ち込みbpは3割未満にとどまっている。

 

その後、bp、ENEOS及び出光3社の売上回復の足並みは遅い。その他各社の売上は多少のばらつきはあるものの5期連続して増収となり、今期(2021年7-9月期)はアラムコ、ExxonMobil、TotalEnergies及びChevronは2019年10-12月期を超えている。特にアラムコの売上高は2年前の1.3倍に増加、1千億ドルを超える状況である。

 

売上高の変動に大きな影響を与えるのが原油価格であるが、代表的な油種であるBrent原油の各四半期の平均価格を見ると以下の通りであった(価格はドル/バレル)。

 

63.08ドル(‘19年10-12月期)→50.06ドル(‘20年1-3月期、前期比▲20.6%)→29.55ドル(‘20年4-6月期、前期比▲41.0%)→42.94ドル(‘20年7-9月期、前期比+45.3%)→44.16ドル(‘19年10-12月期、前期比+2.8%)→61.12ドル(‘20年1-3月期、前期比+38.4%)→68.97ドル(‘21年4-6月期、前期比+12.80%)→73.51ドル(‘21年7-9月期、前期比+6.6%)

 

これに対してIOC5社の対前期比売上高の平均増減比率は、▲25.5%(‘20年1-3月期)→▲41.6%(‘20年4-6月期)→+53.9%(‘20年7-9月期)→▲2.9%(‘19年10-12月期)→+23.5%(‘21年1-3月期)→+10.0%(‘21年4-6月期) →+8.6%(‘21年7-9月期)であった。両者を比較すると全期間を通じて売上高と原油価格との相関関係が極めて高いことがわかる。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

[1]  「売上高」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Total revenues and other income          

Shell:Total revenue and other income         

bp:Total revenue and other income

TotalEnergies:Sales         

Chevron:Sales and other operating revenues

ENEOS:売上高

出光:売上高

 

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