ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

auフルブラウザ定額で思うこと

2005年04月18日 | ITS
先々週ロスへ出張する際、成田の免税売店でSONYのノイズキャンセラー付きヘッドフォンを衝動買いしてしまった。どうも空港の売店というのは衝動買いをしやすい。
それを使って、機上でPCのHDDに入ってるMP3を聞いていた。周囲の騒音が全くなくなる訳ではないが、確かに大幅に軽減する。

さて、ちょっと古い情報だがAuが5月からフルブラウザ定額を開始する。
(随分まえにジョンさんから頂いたネタ)

やはりWEB接続は通信従量制では利用が見込めないという。その通りだろう。
なお、私が使っているボーダフォン702NKもフルブラウザ定額対応だが、定額の場合は閲覧可能サイトに制限があり、制限が緩い接続の場合は従量制で、とてもブラウザを起動する気にはならない。

いずれにしても、携帯通信料金の定額制は今後の流れなのかもしれない。まだPC接続は対象外で、まずは専用端末上でのフルブラウザ定額だが、その先にあるものはデータ通信定額制だろう。
これが、今後の車内環境にどう影響するのだろうか?

私の基本的なスタンスとしては、通信料金の高さもハードルであるが、それ以上にインターネット接続が運転者にとってのメリットのないことを主張してきた。
その一番の理由は、運転者は運転をしなければならないという、まったく当たり前の事である。自動運転が実現すれば話は別だが、まだしばらくは運転業務に集中する必要がある。インターネットという情報の海を見に行くことは許されない。
そして、ここのところを勘違いしやすいのだが、運転の妨げにならない程度の情報には対価を支払う価値がない、ということである。

何でもあり、無制限がインターネットコンテンツの魅力だ。
内容、表現、リンクなどに制限のあるコンテンツに魅力はない。多分、I-modeが言うほど盛んにならなかった理由はその辺にあるのだろう。

そうはいっても、運転中に知りたい情報というものは存在する。それをインターネット接続で提供するのだ、という主張もある。
しかし、冷静に考えて欲しい。渋滞、地図、天気、重大ニュース、車の状態、ロードサイドアトラクションなど、欲しい情報はもう十分に提供されていないか?ナビ、計器板、ラジオ、路側看板で事足りていないか?運転中に「あー、お金を払ってでもこの情報がほしい!」ということがあるか?

確かに、空いている駐車場を案内する、グルメ情報、リアルタイムな穴場情報を検索する、近くのレストランのメニューを表示する、等のビジネスチャンスはありそうだが、それって本当にユーザーから対価が取れるほどのものになるのだろうか?

実は先月、家族で箱根に一泊旅行をした。その前数週間はブログのアップもままならないほど忙しく、事前に旅行情報を集めることも出来ず、まさに行き当たりばったりの旅となった。そこで感じたことは、結局路側看板や各種施設のパンフレットなどでPOI(Point Of Interest : 観光名所)の情報はいやでも手に入るということだ。普通に手に入る情報なんて、氾濫していて価値はないのだ。

では車内インターネットに未来はないか、というと、そんなことはない。この前書いたように、後席モニター向け接続は大いに可能性ありだ。
家族で旅行するときに、後席の子供達がネットをたぐって穴場情報を探り出す、なんて使い方は全然有りだと思うし、乗員の暇つぶしとしては最高である。

なかなか進展のないインターネットITSだが、車のネット接続は結局の所リヤシートでのネットサーフィン、なんていう最も単純な物が一番可能性を秘めているのではないかと思う。