ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETC再セットアップの問題点

2008年07月13日 | ITS
車を買い換えたり、中古車にETCが付いていたりする場合、再セットアップをしなくてもETCが使えることが結構知れ渡ってしまっている。
「ETC 再セットアップ」で検索すれば、車のランクが変わらなければしなくても大丈夫、というアドバイスが沢山出てくる。

ETCの路側機はナンバープレート情報との照合機能は備えているのだが、誤作動を配慮してそれによるゲート遮断はしていない。とりあえずはお金を払ってくれるならOK、状態なのだ。
中古車業者では、シガーライターで電源をとる「ポータブルETC」を自作して使っている人もいるらしい。

まあ、それはそれでいいし、再セットアップの度に手数料を支払う現在の仕組みの方が消費者にとっては不愉快なものだ。

しかし、現在の状況がこのまま続けばETCの情報とナンバープレート情報が異なる車がどんどん増加する。是正しようにもその際の混乱が大きすぎて、目をつぶるしかないような状況に陥る。
多分、このままでは永遠にナンバープレートとの照合は出来ないだろう。

そうなるとこれはETC機器と利用者をひもつける利用車番号構想(ETCの街なか利用)を根底から揺るがすことになる。

エコキャップ運動

2008年07月13日 | インチキ・疑似科学
エコキャップ運動というのがある。PETボトルのキャップ(PP樹脂?)を集めて、素材リサイクルを行い、その利益で発展途上国の子供にポリオワクチンを寄付するということで、いくつかの団体があるが、基本的には「400個集めると10円になり、20円でポリオワクチン注射が一回可能」という。

一番大手で活動されているように見える団体の報告では、この一年間で回収35,624,085個、売却益890,602円、ワクチン44,530人分という。

4万5千人の子供にワクチンを提供したという実績はたいしたものだと思うが、年間で90万円弱程度の寄付を得る活動にしては極めて規模が大きく、あまりに経済効率が悪いのではないか?

この団体を維持する費用を考えても、その予算は90万なんてものじゃないだろう。
それ以上に、協賛する企業や個人がキャップを収集し、それを本部まで運ぶ費用だって相当なものだ。

キャップのリサイクルでCO2発生を抑えるという環境面のメリットも謳われているが、日本でのPET容器の回収率は60%。キャップを資源として再利用するなら、この仕組みに乗せるほうが余程効率的。ボランティアは結構だが、小規模な活動は効率が悪いし、むしろ活動による排出エネルギーを考えるとマイナスになっちゃうかもしれない。

まあ、PETリサイクルには違う問題もあるのが事実。60%が回収されるが、リサイクルされるのは、20%程度で、多くが中国へ輸出されているらしい。政府はリユースの検討を始めるという。

いずれにしてもキャップを400個集めて、送料負担で送付し、それで10円しか寄付できない活動というのは、どうも釈然としない。
負担する送料分を募金した方がよほど良いように思うのだが。

7月16日追記 昨日発売の週刊新潮にまったく同じ趣旨の記事が掲載されてました。結びの文章も同じ。