来年7月に終了する(予定の)アナログテレビ放送の周波数帯を活用した携帯端末向けの次世代放送、というのがある。
VHFの207.5MHz~222MHzの14.5MHz帯域が一社に割り当てられる。ここにNTTドコモやフジテレビジョン、日本テレビ、伊藤忠などが出資する「マルチメディア放送」と、KDDIと米クアルコムが出資する「メディアフロージャパン企画」が名乗りをあげている。
前者はISDB-Tmm規格、後者はクアルコムのMediaFLO規格。総務省は8月半ばにも決めるとしてきたが、17日の内定を見送り、電波監理審議会(総務相の諮問機関)に決定を委ね、近々に結論が出るらしい。
しかし、本当にこのビジネスは成立するのか?
携帯端末で映像コンテンツを楽しむ、というシチュエーションはいかなるものか。
家にいて携帯端末を見る必要はない。テレビもPCもある。つまりは、外出している時に観るものだろう。外出して、かつ他人とコミュニケーションをしていない時間が「対象となる市場」になる。
仕事中や友人と食事中に携帯画面でコンテンツを観る人はいない。
ということは、通勤時間や昼休み、待ち合わせの待ち時間などということになる。
はたして24時間中、これに該当する時間は人にもよるだろうが2-3時間というところか。
いずれにしてもマーケットは物理的に有限だ。
この「外出ヒマつぶし市場」には、さまざまなコンペティターが存在していてほぼ飽和市場だ、ということができる。伝統的な雑誌、新聞という紙メディア、携帯メール、携帯ゲーム機から、スマートフォンによるWEB閲覧、ツイッター、そしてワンセグTV、そして電子書籍も最近は市場に参入している。
もはや、楽園のような市場は存在しない。とくにiPhoneが出現してから、ヒマつぶし市場は激変している。
しかし、メディアでは
「無料のワンセグではビジネスモデルを構築できなかった反省から期待が集まっている」
という超楽観論ばかりだ。
無料ですらワンセグが言うほど見られていないのに、なぜ有料コンテンツがビジネスになるのか?
有望なキラーコンテンツのあてもないのに。
実際、米クアルコムはすでに07年から始めているMediaFLOの契約者数を発表していない。
こうしたコンテンツ購読ビジネスで契約者数を公表しない場合、ほぼ100%「ビジネスは不調」と見ていい。
広告代理店、携帯キャリア、放送局など多くのステークホルダーが関係しており、もはや勇気ある撤退なんて選択肢はとれないのだろう。
2社から1社を選定するというが、選定されないほうが幸せかもしれない。
このビジネスに勝算はないと思う。
VHFの207.5MHz~222MHzの14.5MHz帯域が一社に割り当てられる。ここにNTTドコモやフジテレビジョン、日本テレビ、伊藤忠などが出資する「マルチメディア放送」と、KDDIと米クアルコムが出資する「メディアフロージャパン企画」が名乗りをあげている。
前者はISDB-Tmm規格、後者はクアルコムのMediaFLO規格。総務省は8月半ばにも決めるとしてきたが、17日の内定を見送り、電波監理審議会(総務相の諮問機関)に決定を委ね、近々に結論が出るらしい。
しかし、本当にこのビジネスは成立するのか?
携帯端末で映像コンテンツを楽しむ、というシチュエーションはいかなるものか。
家にいて携帯端末を見る必要はない。テレビもPCもある。つまりは、外出している時に観るものだろう。外出して、かつ他人とコミュニケーションをしていない時間が「対象となる市場」になる。
仕事中や友人と食事中に携帯画面でコンテンツを観る人はいない。
ということは、通勤時間や昼休み、待ち合わせの待ち時間などということになる。
はたして24時間中、これに該当する時間は人にもよるだろうが2-3時間というところか。
いずれにしてもマーケットは物理的に有限だ。
この「外出ヒマつぶし市場」には、さまざまなコンペティターが存在していてほぼ飽和市場だ、ということができる。伝統的な雑誌、新聞という紙メディア、携帯メール、携帯ゲーム機から、スマートフォンによるWEB閲覧、ツイッター、そしてワンセグTV、そして電子書籍も最近は市場に参入している。
もはや、楽園のような市場は存在しない。とくにiPhoneが出現してから、ヒマつぶし市場は激変している。
しかし、メディアでは
「無料のワンセグではビジネスモデルを構築できなかった反省から期待が集まっている」
という超楽観論ばかりだ。
無料ですらワンセグが言うほど見られていないのに、なぜ有料コンテンツがビジネスになるのか?
有望なキラーコンテンツのあてもないのに。
実際、米クアルコムはすでに07年から始めているMediaFLOの契約者数を発表していない。
こうしたコンテンツ購読ビジネスで契約者数を公表しない場合、ほぼ100%「ビジネスは不調」と見ていい。
広告代理店、携帯キャリア、放送局など多くのステークホルダーが関係しており、もはや勇気ある撤退なんて選択肢はとれないのだろう。
2社から1社を選定するというが、選定されないほうが幸せかもしれない。
このビジネスに勝算はないと思う。