ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ペースメーカーと携帯電話

2011年01月23日 | モバイル・ウエアラブル
携帯電話と心臓ペースメーカーの関係について。

どうやら、色々調べてみる限りでは未だかつて携帯電話に起因したペースメーカーの事故はないようだ。
携帯電話のみならず、空港のセキュリティやショッピングセンターの盗難防止ゲートでの事故の記録もないらしい。

携帯電話に関しては、3Gであれば2-3cmまで近づけなければ問題発生の可能性はなく、仮に発生しても離せば復帰するわけで、直ちに心停止になるわけではない。
こうした状況から、現在の規制は過剰ではないか、車内で携帯の電源を切るという指導をしているのは日本だけだ、という議論がある。

特定機種で15cmで問題発生の可能性があり、それに安全率をかけて「22cmはなすこと」と総務省が発表したのが1997年。それ以降15年が経過し大幅に状況は変わってきているのだが、この基準は正式に緩和されてはいない。
総務省は、第二世代携帯が市場に残っている以上はこの基準は変えない、としている。

安全にかかわる基準を緩和するのにはリスクが伴うので、よほどの理由がなければだれもやりたがらない。
で、優先席付近では携帯の電源をお切りください、とか、病院内での携帯電話禁止、とかいっておけば、実際に守られようが守られまいが別段誰も困らないので、現状を維持しているのだろう。
かといって、優先席付近で律義に電源を切っている人はあまり見たことがないし、病院内でのメール受送信はほとんど黙認されているように感じる。

名古屋の市営地下鉄は混雑時に22㎝以内に携帯が接触することは避けられないという考え方で、あえてホームを含め圏外にしているという。一方で、営団、都営、大阪市の地下鉄はトンネル内の電波を整備することにした。
この辺がちょっとダブルスタンダードのような状況で気持ちが悪い。しかし、地上を走る電車は車両内に電波はきているおり、それに起因する事故も起きていないので、ことさら地下鉄のトンネルの電波を遮断することに合理性はなさそうにも思える。

一方で、私の母はペースメーカーを入れている。
医師からは携帯電話のリスクについて説明されており、その内容はやはり1997年の総務省見解に沿ってるので、結構神経質になっている。(とはいっても、商店の盗難防止ゲートはその存在すら認識できていないようだが)
自身の命にかかわる話だから、神経質になるのは当然だろう。

実害があるかないとということと、実際にペースメーカーを入れている人がどう感じるかは別問題であり、これはそんなに単純な話ではないと思う。