ちょっと古いけど、東洋経済オンラインに民主党元衆議議議員 北神圭朗氏の連載が掲載されている。
http://toyokeizai.net/articles/-/13302
「尖閣問題で感じた、我ら日本人のビビリ根性」という扇動的なタイトルが気になって読んでみたが、正直この人の主張がいまひとつよくわからなかった。
その前の連載記事 『日本には「国家の物語」が欠落している』
http://toyokeizai.net/articles/-/13108
では「消費税導入が難航するのは日本人に自己犠牲の精神がないからであり、その精神は愛国心に拠る」といっていると思われる。
その上で日本人の愛国心の欠落を問題視しているように思われるが、結びの一文「私が言う愛国心は、外国に旅行してみそ汁が懐かしくなるような次元の話ではありません。小さな小さな島のために、命を要求する、峻烈な愛情なのです。」から推察するに、領土をかけて戦争をも辞さないという国民感情が愛国心であり、それがビビリの日本人には欠落している、ということなのだろうか?
そもそも自分が属する集団に対する帰属心及びそれを守ろうとする気持ちは、自ら(及び家族=自分の種)を守るための動物的本能に起因している。
それは国に限らず、都道府県単位でも学校や会社に対しても存在する。
こんなことは多分、人類文化学とかで散々語られていることだろう。
私も動物だから、自らが帰属する組織に加担するという感情が存在する。また、日本に生まれ、日本人であることに誇りを持っている。
でも、見たこともない島のために命を捨てようとは夢にも思わない。誰だってそうだろう。
それを確保することが経済的に日本の利益になるのなら、国民はそれを応援するだろう。
でも、武力行使をも辞さない愛国心をもって守れ、といわれてもねえ。
また、消費税にしてみても、私はさっさと増税してほしいと思っているが、それはこのままでは国家財政が破綻し自分や家族が困るからであって、決して愛国心による自己犠牲ではない。もう少し理性的な判断だ。
消費税導入が難航するのは日本人に自己犠牲を伴う愛国心がないからだ、という理屈には全く与することができない。難航する理由は国民に理性的な判断が欠落しているからであり、その根幹はマスコミが受けのいい感情的な報道を繰り返すことと、増税を言うと選挙に負けちゃう、という「次の選挙に勝つ」ことだけを目的にしているかのような政治にある。
というか、事業仕分けをすれば増税なんてしなくていいのだ、といって政権をとった民主党の人間がよくこんな事いえるよね。
そもそも過剰な愛国心くらい迷惑なものはない。
愛国心を、自らが属さない組織への過剰な敵愾心へ転換してしまう人間が面倒を起こすからだ。
会社生活をしていても、こうした輩は会社の全体最適よりも自分の部や課を守る行動にでることが多い。
感情論と感情論がぶつかるとたいていの場合、悲惨な結末が待っている。
理性的に対処するべき消費税や領土問題に愛国心論を持ち出すなんて、私には危険な発想だとしか思えない。
http://toyokeizai.net/articles/-/13302
「尖閣問題で感じた、我ら日本人のビビリ根性」という扇動的なタイトルが気になって読んでみたが、正直この人の主張がいまひとつよくわからなかった。
その前の連載記事 『日本には「国家の物語」が欠落している』
http://toyokeizai.net/articles/-/13108
では「消費税導入が難航するのは日本人に自己犠牲の精神がないからであり、その精神は愛国心に拠る」といっていると思われる。
その上で日本人の愛国心の欠落を問題視しているように思われるが、結びの一文「私が言う愛国心は、外国に旅行してみそ汁が懐かしくなるような次元の話ではありません。小さな小さな島のために、命を要求する、峻烈な愛情なのです。」から推察するに、領土をかけて戦争をも辞さないという国民感情が愛国心であり、それがビビリの日本人には欠落している、ということなのだろうか?
そもそも自分が属する集団に対する帰属心及びそれを守ろうとする気持ちは、自ら(及び家族=自分の種)を守るための動物的本能に起因している。
それは国に限らず、都道府県単位でも学校や会社に対しても存在する。
こんなことは多分、人類文化学とかで散々語られていることだろう。
私も動物だから、自らが帰属する組織に加担するという感情が存在する。また、日本に生まれ、日本人であることに誇りを持っている。
でも、見たこともない島のために命を捨てようとは夢にも思わない。誰だってそうだろう。
それを確保することが経済的に日本の利益になるのなら、国民はそれを応援するだろう。
でも、武力行使をも辞さない愛国心をもって守れ、といわれてもねえ。
また、消費税にしてみても、私はさっさと増税してほしいと思っているが、それはこのままでは国家財政が破綻し自分や家族が困るからであって、決して愛国心による自己犠牲ではない。もう少し理性的な判断だ。
消費税導入が難航するのは日本人に自己犠牲を伴う愛国心がないからだ、という理屈には全く与することができない。難航する理由は国民に理性的な判断が欠落しているからであり、その根幹はマスコミが受けのいい感情的な報道を繰り返すことと、増税を言うと選挙に負けちゃう、という「次の選挙に勝つ」ことだけを目的にしているかのような政治にある。
というか、事業仕分けをすれば増税なんてしなくていいのだ、といって政権をとった民主党の人間がよくこんな事いえるよね。
そもそも過剰な愛国心くらい迷惑なものはない。
愛国心を、自らが属さない組織への過剰な敵愾心へ転換してしまう人間が面倒を起こすからだ。
会社生活をしていても、こうした輩は会社の全体最適よりも自分の部や課を守る行動にでることが多い。
感情論と感情論がぶつかるとたいていの場合、悲惨な結末が待っている。
理性的に対処するべき消費税や領土問題に愛国心論を持ち出すなんて、私には危険な発想だとしか思えない。