ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

日本車に未来はあるのか

2013年05月05日 | 雑記
ここ上海で、日本製品を扱う日系ショッピングセンターが軒並み不調であることを書いた。
中国人にとって日本製品は「高性能、高品質」ではあっても「プレミアム」ではない。バブル状態が続く中国は急速に貧富の2極化が進んでいて、その消費も富裕層は欧州ブランドに、庶民層は性能が上がってきている韓国製、中国製品へと2極化しているように感じる。日本製品はその狭間で苦戦している、もしくは今後更に苦戦するのではないか。

携帯電話で日本製品が全く海外で売れない理由はガラバゴス規格に縛られていたからグローバル対応ができなかったというのが定説だが、それに加えてアップルとサムソン、HTCの狭間で存在感がないということのように思える。
中国で日本ブランドの携帯はソニエリしかないが、HTCやギャラクシーに比べて特段のプレミアム感は無い。

家電にしても同様。日本製がプレミアムブランドを確立しているのは象印とタイガーの炊飯器だけだ。

私が危惧しているのは、車もそうなってしまう可能性が十分にあるということ。
実際ここ最近、尖閣問題のせいだけでは説明の付かない日本車不振が見え始めている。

中国では欧州ブランドが日本車量販価格帯に商品を投入し始めている。
価格が同じであればよりプレミアム感の高い欧州、とくにドイツブランドのほうが売れる。
日本車を選ぶ理由である「品質と技術」についても、現代、KIAはかなり日本車に追いついていて、それていて日本車よりやすい。
さらに、日本との合弁で技術を学んだ東風、一汽、広汽や、VWから技術を学んだ上海汽車の独自ブランド車もそれなりに実力をつけ始めている。

このままでは日本車を買う理由がどんどん希薄になる。
性能が良くて品質が良くて、かつコストを徹底的に削減した「味のない」「画一的な」車を日本メーカーがこの先も作り続けるとしたら、プレミアム感では欧州車に、価格では中韓車に負ける。(さらに付け加えるなら、最近の韓国車はかなりかっこいい。ソナタは買ってもいいと思うレベルだ。)
これは中国だけの話ではない。多分、世界中でそうなる。

まだ携帯電話や液晶テレビのようにその傾向は顕在化していないが、このままでは日本車に未来はない。
iPhoneのようなヒット商品となるブレイクスルーをしない限り負けてしまうが、日本のカーメーカーにその危機感はなく、未だに品質とコストだけを追いかけているように思えて仕方がない。