ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

自動運転の将来

2013年10月14日 | 自動運転
本日、世界ITS会議東京が開幕した。
今回の目玉はなんといっても自動運転だろう。最近の国際モーターショーでも最もホットな話題となっている。
デモ走行を用意しているDSRCのITSのスポットはその蔭にかくれてしまったかのようだ。

高速道路の自動運転に関して言えば、今ある技術で通信をつかわなくとも自律機器だけで実現可能だ。
レーダーとカメラによる画像解析の組み合わせで、アクティブ型のクルーズコントロールは既に実用段階にある。
またカメラを使ったレーン認識によるハンドル操作も難しいことではない。

最大の障害は、前方に割り込んでくる車など、レーンを走る車の乱れだ。
だから、ガードレールを備えた自動走行レーンを作って、そこには途中から侵入/退出できないような仕組みが作れれば、高速道路の自動運転は今すぐ実現できる。
しかし、装置が普及しないのに囲われた専用レーンは作れないし、専用レーンがなければ装置は普及しない。
官主導で動かないとこれもなかなか始まらないだろう。高いお金をかけて東名高速を二重にしたんだから、そこで実験すればいいんじゃないか?

一方で、最近ボチボチ報道されているのがアナログTV波空き地を使った車車間通信。
先行車のアクセル、ブレーキ操作を通信で後続車に発信し、正確な運行情報を伝えることにより自動運転の制御をより確実にする、という。
トヨタが実用化に向けて検討中、カーメーカーの垣根を越えて仕様を共通化する、なんて言っているけが、これも技術的には可能だろうが一体実現に何年かかるか。
他の車にもその装置がついていないと車々間通信はできない。
多分、ある程度の車が装着していれば全体の交通流を把握して適切なブレーキ操作介入などができるのだろうが、実用に足るレベルにまで装着車が増えるのには相当な時間がかかる。

私はこの普及にいつまでかかるか分からない通信型が実現する前に画像認識+レーダーによる自立型自動運転の技術が確立すると思う。