ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

トヨタ G-BOOK が価格改定

2005年04月11日 | ITS
トヨタのテレマティクス「G-BOOK」は、4月1日より利用料金を改定した。事務手数料が無料になり、利用料も10%-30%安くなった。

通信費込みの場合、事務手数料2100円が無料に、月払い(1カ月)1440円が1300円に、年払い(12カ月)1万6080円が1万2000円になる。

携帯電話接続(通信費はユーザー負担)の場合、事務手数料2100円が無料に、月払い(1カ月)470円が400円に、年払い(12カ月)5160円が3600円になる。

値下げ、である。昨年10月に日産カーウイングス、トヨタG-BOOK共にサービス価格の実質値下げを行ったが、トヨタは半年で追加の値下げ対策となる。
それほどに、我が国のテレマティクス加入者は停滞している。

3月に発表されたクラリオンの調査でも、「今後車に欲しいと思うアイテム」としてテレマティクスをあげた人はわずかに4.8%。
クラリオンはテレマティクスの要望が低い理由はテレマティクスという言葉自体の認知度が低いため、と分析しているが、問題はもっと根元的な所にある。
「消費者ニーズがない」としか言いようがなく、ニーズがないから言葉自体認知されないのだ。

これについては過去のブログで何回か指摘しているが、結局ナビと携帯電話があればユーザーが車のなかで必要とするサービスの9割以上は充足されてしまっており、それ以上のベネフィットにお金をかける意味はない。

702NKその後

2005年04月08日 | ITS
使い始めて1ヶ月近くたつので、ここらでノキアネタを。
激しくシェアを落としているボーダフォン、また同様激しくシェアを落としているノキア。この二つの接点となってしまった702NK(ノキア6630)は、たしかに微妙な商品だ。

しかし、私的には満足している。通話、メールがグローバルに出来て、かつロータスノーツR5のスケジュールとBTでシンクロする、これが私の要求であり、それはとりあえずは満たされている。
先日のロス出張でもCingularのネットワークにどこにいても接続が出来た。

良く報告されている電池の持ちの悪さも、まあ実用範囲内かなと思う。
スケジューラーのアラームをマナーモードにしておくと、止めるまでいつまでも振動し続け、うっかり机上に置きっぱなしにしておくとそれで電池が無くなる、という問題があるのだが、設定変更の仕方が判らない。

ノーツを終了させなくてはシンクロ出来ないという問題は、ノキアのサポートに照会したが、「ノーツを終了後、シンクロして頂きますよう、お願い申し上げます」というご丁寧なメールを頂き、未解決。まあ、多少不便なだけで、なんとかなっている。

ウェブブラウザ機能があるが、とてもこの画面の大きさでは見る気がしない。
一方、PCとBTで繋いでWEBを見るのは優れている。電話機はポケットに入れっぱなしでよく、PCに通信機が内蔵されたような感じだ。通信速度も速く、ストレスはない。でも、パケット料金を考えると、あまり現実的ではない。

PDA的に使うとすれば、最低英和辞書が欲しい。しかし、シンビアンOS用にはまだ開発されていないようだ。

まあ、結局の所は画面が小さい中途半端なスマートフォンであるが、私としてはスマートフォンの可能性について再確認したと思う。

道路情報表示板の入札で談合

2005年04月08日 | ITS
今日の日経の社会面で、道路情報表示板の入札で談合・公取委が6社に排除勧告をしたという記事が出ていた。

渋滞情報や気象情報を流す道路や河川の「電光式情報表示板」の入札で談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は7日、独占禁止法違反(不当な取引制限)に基づき、メーカー計6社にこうした行為をやめるよう排除勧告し、さらに発注者である日本道路公団に対し、表示板操作のための監視制御盤の仕様などの情報を業者に公開させるよう要求したそうだ。

私はこのブログ上で繰り返し、「DSRCやVICSを使って道路状況を車載器に表示するなんてことは大げさである、現行の電光表示板で十分じゃないか」と主張していたが、こうした現状を目の当たりにすると、なんだかなぁ、と思う。

勿論、だからDSRCに移行するべきだ、なんてことをいっているんじゃない。
むしろどう考えても不要と思われるDSRCが国民のニーズとは関係なく推進されていることに対して、この記事と似通った役所と業者の関係を感じてしまうのだ。

アメリカのカーナビ事情

2005年04月03日 | ITS
ロスの空港(LAX)にいる。早く着きすぎたのでスタバで書いている。
レンタカーを借りなかったので、ホテルからタクシーで来たが、この町では殆どタクシーを見かけない。自分の車がないと全く生活が出来ない町だから、タクシーの需要がないのだ。

昨日来、アメリカのテレビ、新聞は寝たきりで生命維持装置を外すの外さないのでもめていた女性(テリー・シャイボ)が亡くなったことで、大騒ぎをしている。
彼女のバイオグラフィーとか、元気だった頃の趣味だとか、ありとあらゆる事が報道されている。尊厳死の是非という極めて社会的問題より、既に医療過誤賠償金を手に入れている夫との関係などのゴシップ的も興味があるのだろうが、いずれにしてもたかが一市民の死(といってはいけないのだろうが)になんでこんなに大騒ぎをするのだろう。
一方で湾岸戦争では全く無辜の市民が巻き添えになることを承知でミサイルを発射しても、それは正義の為だから問題なし、というこの国の考え方には違和感を覚える。

さて、本題に入ろう。

アメリカのナビゲーション事情について。
ロスのオートバックスも見てきたが、ナビゲーションの売り場は小さく、商品もほとんど無い。
特に日本でいうAVN(オーディオビジュアルナビ)はほとんど無い。

仏系企業「タレスグループ」がマゼランというブランドで、簡易型のカーナビ(写真)を販売しているが、GPS単独機能しかないのに1000ドルを超える高額商品である。(HDD内蔵)
実際にこのマゼランをつけた車に乗ったのだが、アメリカは道路が広く且つ道路間の間隔も広いので、自律航法補助がなくともGPS+マップマッチングだけで事足りてしまうのだろうと思った。

実際にアメリカの街を運転してみればわかるが、ナビは絶対に必要なものでもない。
電話で道案内が出来る国だ。
しかし、今回話をした複数の米人の意見からは、カーナビはこの1-2年で急激に消費者の関心を引き始めており、あと数年で完全にホットアイテムになると思われる。

但し、日本にあるような別体型の液晶ディスプレイは無理だろう。これは米国に限ったことではないが、おそらく1週間以内に盗まれてしまう。最低、取り外し式にする必要がある。

デポジット方式のETCカード、モニター募集

2005年04月01日 | ITS
日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団は、クレジットカード契約をしなくてもETCが使えるETCカードの発行を準備中で、モニターを募集している。

あらかじめ保証金を預託し、通行料金を金融機関の口座から引き落とすという方法だそうだ。
今回のモニターは郵貯からの引き落としとなる。

この裏事情はこうだ。
実は、我が国の高速道路を仕事で使用する事業者の10%以上が、信用調査が通らないためにクレジットカードでもあるETCカードが作れないのだ。
このままでは、ETC利用率アップの妨げになるばかりか、究極の目的である全車RTC利用は絶対に達成できない。勿論、それに加え個人でもクレジットカードが作れない人も多いだろう。

デポジット方式のカードはいずれにしても必要となる。
まあ、最初から判っていたはずだが。

アメリカの衛星ラジオ事情

2005年04月01日 | ITS
引き続きロスからです。
昨日の昼間、沢山のチョウチョが同じ方向に飛んでいくのを目撃。春になると渡り鳥のように旅行をする蝶で、なんとオレゴンまで行くらしい。

さて、米国の車載衛星ラジオについて。
北米ではかなり前からサテライトラジオが事業化されていたが、立ち上がりはパッとしなかった。事業者はシリウスXMだが、実際XMは一度倒産しかかっている。
最初は、コンボイドライバーのように州間移動を主にするドライバーに限られていたようだ。

しかし、ここに来て事情は変わってきており、日増しに加入者が増えているらしい。
その理由はコンテンツだ。勿論、POPS、ジャズ、クラシック、ヒップホップといったジャンルが豊富にあるのは当たり前として、ニュース、スポーツからディスカバリーチャンネルのラジオ版まで、数え切れないコンテンツが存在する。

車載器は100ドル、聴取料は12ドル/月と、決して安くはないが、一度衛星を使うとやめられないと言っていた。

まあ、アメリカ人はケーブルテレビが普通で、放送にお金を払うことに抵抗がないということと、移動距離が長いのでFM1局ではカバーできないということがあると思う。

もばHOは「車には音楽ユースを狙っている」といっているが、このビジネスモデルは日本ではうまくいかないだろう。