2000年5月 歩行4:50 休憩3:10
8時15分登山開始。先ずは石段を上って小高い大地に鎮まる戸隠神社に向かう。石段の両脇には深紅のユキツバキやカタクリ、ミヤマカタバミ、黄花イカリソウ等が見られ未だ歩き始めたばかりなのに足が前に進まない。神社右手の登山道に入り少しの間、木の階段を上るとそこはカタクリの群生地で辺り一帯、地が隠れるほど密に咲き登山道にまでその領域を広げている。私はこれほど広範囲に咲くカタクリを今まで見たことが無い。
カタクリが疎らになると今度はイワウチワやショウジョウバカマ、イワナシ等が足元を飾りサイゴクミツバツツジが芽吹きの始まった木々の中で一際 鮮やかに紫の花を咲かせていた。
後方の黄はマンサク 白はタムシバ
背後に越後三山が幻の様に浮かび上がる三合目で最初も休憩。圧巻はマンサクの林だった。見渡す限り全てがマンサクなのだ。一つ一つの花は地味でもこれだけ本数が有るとその存在感は物凄い。「わーい、マンサク街道だ~マンサク街道だ~」と浮かれている者もいた。
登るにつれ雪も目立ってきた。道標も無ければ赤布もない感だけが頼りの雪上であるが雪は結構締まっていて何ら問題は無い。枝の先端を雪に埋めた木が今にも撥ね起きそう、実際、近くでバサッと音を立て起き上がった枝もあった。
入山から1時間50分程で弥三郎清水に着いた。大岩の下から豊富に湧き出る水は痺れるほど冷たく痺れるほど美味しい。
この先も鮮やかな新緑と一斉に咲き競う花に魅了されつつ登りは続く。モッソリとした山と言う触れ込みだったが私に言わせれば息も付かせない花で固めた山、そう訂正すべきだろう。それだけではない。登るにつれ周囲に雄大な景観が広がる展望の山なのである。花の百名山の著者である田中澄江さんはこの山の存在を知っていただろうか。
雪が多くなってきたなと思ったころ下権現堂山に着いた。10時40分だった。冬の間、外されていた鐘を雄さんが取り付け一打ちすると澄んだ音が白い山々や白い谷に鳴り響く。
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