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イランの核問題に関するロシア安全保障会議書記の発言によせて

2009-12-11 | ラジオ
ロシアのニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記は、イランの核
問題に関し発言し、ロシアはイランが核兵器を保有することには
反対だが、イランが原子力を平和利用する権利はあるとの声明を
表した。
イランは自国でウランを濃縮するため、新たに10ヶ所のウラン濃
縮施設を建設すると発表したが、ロシアは同地域の安定を保護
する目的で、イランとの建設的な対話を継続する意向だ。
この話題に関しロシアの声記者は、次の様にまとめている。

11月末イランのアフマディーネジャード大統領は、イランの核プロ
グラムに関して完全な透明性を保障するよう求めた、IAEAの決議
に激しく反発した。
同時にイランは核兵器の製造は計画していないが、ウラン濃縮施
設の建設は行うとし、国際対話への参加を拒否する可能性がある
との声明を表した。

イランの大統領は事実上、国際社会の見解を無視し、イランの核問
題を平和に解決しようと努めるロシア、アメリカ、中国、イギリス、フ
ランスそしてドイツによる6ヵ国の尽力を蔑ろにしている。
またイランが自国の手段によって、どのような政治的利益を引き出
そうとしているのかも理解に苦しむところだ。

しかしイランが近い将来、10ヶ所のウラン濃縮施設を建設することが
出来ないことは完全に明らかなものだ。
そして何故イランにこれほどの数の、ウラン濃縮施設が必要なのだろ
うか。
イランよりも遥かに大きな国土と、高いエネルギー需要を持つ国々で
も同様の施設は、イランが計画するほどの数は無い。
例えばロシアには30の原子力発電所があるが、その内ウラン濃縮に
関する施設は4ヶ所、アメリカには100基の原子炉と8ヶ所のウラン濃
縮施設がある。

そして最も理解に苦しむのはイランが、ロシアと中国そしてそのパー
トナー国らによる平和的な問題解決への援助を、(?)しに阻止するのは
何のためなのかと言うことだ。
何故ならロシアと中国は、イランに対する厳しい措置に首尾一貫して反
対の立場を取っているからだ。

これに関してロシア化学アカデミー世界経済国際関係研究所の専門家
は、次の様に話している。
「イラン大統領は国際情勢を限界まで緊迫させることで、国民を団結さ
せ、最終的にイランの野党勢力を排除することを目的としているのは疑
いの無いことだ。
実際に対外脅威を前にして、国民が団結していることは明らかだ。
国民に大きく呼びかけることで、全ての国民が団結して自国の保護に立
ち上がるだろう。
これが大統領の大きな目的だ。
しかし他の目的もある。アフマディーネジャード大統領は、自分の立場の
強さを過大評価してると言えるだろう」
専門家はこの様に述べている。

複数の専門家達は、イラン指導部は非常に危険な政治ゲームを目論んだ
と指摘している。
イランが表したロシア、アメリカ、中国、イギリス、フランスそしてドイツとの6
ヵ国協議から脱退する用意があるとした声明と、新たなウラン濃縮施設を10
ヶ所建設するという決定は、国際社会がイランに対して厳しい措置を取る方
向に扇動している。

しかしこれに対してイランは、武力が用いられることは無いと確信している。
何故なら現在アメリカはイラクとアフガニスタンにおいて、複雑な状況にあるか
らだ。
しかし観測者達はイランは自ら深刻な過ちを犯しているとの考えを示している。
イランはイスラエルがイランの核施設に、(?)を加える可能性があることを考慮し
てはいない。
12月3日、パトルシェフ安全保障会議書記は、イスラエル首脳部との(?)を行い、
ロシアのジャーナリストらと会談し、イスラエルはイランの核プログラムに関して
深い懸念を持っている。
ここにはいわゆる意見の食い違いがあるとは言え、イスラエルの懸念は理解で
ぎるものだと指摘した。

さにらに書記はロシアもイランが核兵器を保有することは望まないが、我々はイ
ランが原子力を平和利用することは出来ないと語るこ
とは出来ない、これらは区別する必要があると指摘した。

(?)は電波が弱く聴き取れず

イラン 世界の火薬庫 (光文社新書)

宮田 律
光文社


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12月4日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル