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12月12日のロシア憲法記念日によせて

2009-12-25 | ラジオ
12月12日はロシア憲法記念日に当たっている。
国の基本法である憲法は、今から16年前の1993年12月12日に国
民投票によって採択された。
この日はロシアの国家発展体制に向けた、新たな段階での出発点
となった。
ソ連時代の基本法憲法と現行憲法との違いは、市民の自由と権利
の擁護が優先されている点だ。
これ以前の憲法では新たな民主的ロシアの発展利益を保障できる
ものではなかった。

新憲法作成に携わった(?)教授は新憲法を承認する際には、多くの
困難があったと振り返り次の様に語っている。
「新憲法が必要とされていた。
何故なら当時、効力を持っていた憲法は、本質的にソ連憲法だった
からだ。加えて一つの憲法を他のものに変えるため、すなわち新た
な憲法採択のために議会によって多くの修正が加えられた。
憲法には内容に矛盾があり(?)大会議が、ロシア連邦のあらゆる問
題を解決する権利があるとされていた。
概してこの憲法に沿って生活することは不可能だった。
異なる見解を持つ人々は矛盾する憲法のなかで、それぞれの立場
を表明することが出来た」
教授はこのように語っている。

複数の専門家達は1993年の憲法は、欠陥があるとの考えを示してい
る。
とりわけ司法家たちは大統領が有する権限が大きいと指摘している。
一方で憲法の(???)者らは、ロシアでは国のトップの個性が重要視さ
れており、カリスマ性を持ったリーダーが国を主導しなくてはならないと
の考えを表している。

尚、教授は1993年に制定された憲法では、大統領の個人的性格が強
調されたと考え次の様に話している。
「現行のロシア憲法は大統領が一番重要だと考えられていると述べる
人に、私は1993年4月末にボリス・エリツィン大統領によって提出された
提案に目を通すよう勧めた。この提案は他の政府機関、議会、裁判所な
ど何処にも権限を与えていない。
ですからこれに関しては、実際に非常に大統領が重要視されたものであ
ったと言うことが出来るだろう」

今から1年と少し前、ロシア憲法に初めて修正が加えられ、大統領の任
期が6年、下院議員の任期が5年まで延長された。
改正のイニシアチブを取ったのはメドヴェージェフ大統領だ。
しかしこれが現行憲法の最後の改正にならないと見られている。
憲法は変化する現代世界の現実に、常に早急に合致する必要がある。
一方で多くの専門家達は憲法改正は、今後も基本部分には触れない形で
行われると見ている。
世論調査センターのデータによれば、ロシア国民の多くが憲法の条文を大
きく修正することは、この先20年はしない方が良いとの考えを表している。

尚、ロシアの名高い2人の弁護士はロシア憲法を改正してはいけない。
何故ならあらゆる修正は、望ましくない前例や(???)を生み出すため、政府
当局が憲法を今後も自分達の望むように修正する恐れがあるからだと、同
じ見解を示している。
両弁護士はロシア憲法は神聖であるため、改正するのは危険であるとの考
えを示している。
モスクワ弁護士会会長は(???)の見解として、国民が理想的な生活をおくる
ために練り上げられたこの憲法に、従っていくことが必要不可欠であるとの
考えを示している。

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(???)は女性アナウンサーの不明瞭な発音で聴き取れない

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渋谷 秀樹
岩波書店


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12月12日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル