読書。
『後宮小説』 酒見賢一
を読んだ。
1989年の第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
調べてみると、翌年の1990年3月21日に、確か金曜ロードショーの枠で、
『雲のように風のように』というタイトルでアニメ化されていました。
ということは、小学6年生の終わりに観ていたんだなぁ。
内容はさして覚えていないのに、何故か心にきゅんとしたものが残った作品。
原作が『後宮小説』という名前のものだということを知って、
いつか読んでやろうと思い20年…、
ついに、そのオリジナルの世界に心を投じることに相なった次第であります。
予想以上にえっち。
というか、性に関する記述が多いのです。
そりゃ、「後宮」が舞台ですからね、当然といえば当然なのですが、
ほら、アニメ化されていたでしょう、だから、もっと軽いファンタジー
なんじゃないかと高をくくってイメージしていました。
いやいや、ちゃんとした小説でしたねぇ。
中国を思わせる架空の国が舞台。
よって、漢文の書き下し文っていうのかな、
もう漢文は忘れてしまいましたが、
そういうのが出てきたり、
また語彙も豊富で、調べなきゃわからない言葉もけっこう出てきます。
じゃあ、イメージしていたのとは正反対に、堅い小説だったのかといえば、
そういうことでもなくて、主人公の銀河たちの話しっぷりは砕けているし、
やっていることもその記述も難しくはないです。
つまりは、硬軟織り交ぜたバランスの良い文体といえるでしょうか。
どうしてバランスが良くなるかわかりませんが、
読んでいてくどくないし、かといって質感が希薄なわけでもない。
ということは、現代的だということなのかな。
語り手の洒脱さも感じられます。
内容、とくに登場人物に関していえば、
記憶にある全てのキャラクターに、それが悪役だったとしても
過剰ないやらしさって無かったです。
良い意味で人間臭すぎないのでしょう。
悪く言えば、ちょっとみんな一面的すぎるきらいがあったかもしれません。
そうだとしても、だからこそ、主人公の銀河や脇役達に魅力を
感じるのでしょう。ときめきをもたらす魅力を持っています。
人間臭かったらこうはいくまい。
その場合は、徒労感や疲労感に付随する、ちょっとしたときめきっていう
ものにとどまるんじゃないかなぁって想像しますがどうでしょう。
恋愛でもそうですよね。中学生とか高校生とか、女子に幻想を持っていたり、
持たせらるような人のほうがときめきますよねぇ。
いや、そうでもないかな。何をしても、女子っていうものには、
男子をときめかせるポテンシャルが備わっているような気もします。
どうなんだろ、ごく浅い私見ですが、時代は、ポテンシャル勝負の時期と、
幻想をまとうことでの勝負の時期とを交互に繰り返しませんか。
みんながみんなそうなるってわけじゃないですよ。
そういう強弱がついたりしていないかなぁという気がしただけです。
と、話が脱線気味になってきたので、このへんで。
面白い小説でした。
『後宮小説』 酒見賢一
を読んだ。
1989年の第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
調べてみると、翌年の1990年3月21日に、確か金曜ロードショーの枠で、
『雲のように風のように』というタイトルでアニメ化されていました。
ということは、小学6年生の終わりに観ていたんだなぁ。
内容はさして覚えていないのに、何故か心にきゅんとしたものが残った作品。
原作が『後宮小説』という名前のものだということを知って、
いつか読んでやろうと思い20年…、
ついに、そのオリジナルの世界に心を投じることに相なった次第であります。
予想以上にえっち。
というか、性に関する記述が多いのです。
そりゃ、「後宮」が舞台ですからね、当然といえば当然なのですが、
ほら、アニメ化されていたでしょう、だから、もっと軽いファンタジー
なんじゃないかと高をくくってイメージしていました。
いやいや、ちゃんとした小説でしたねぇ。
中国を思わせる架空の国が舞台。
よって、漢文の書き下し文っていうのかな、
もう漢文は忘れてしまいましたが、
そういうのが出てきたり、
また語彙も豊富で、調べなきゃわからない言葉もけっこう出てきます。
じゃあ、イメージしていたのとは正反対に、堅い小説だったのかといえば、
そういうことでもなくて、主人公の銀河たちの話しっぷりは砕けているし、
やっていることもその記述も難しくはないです。
つまりは、硬軟織り交ぜたバランスの良い文体といえるでしょうか。
どうしてバランスが良くなるかわかりませんが、
読んでいてくどくないし、かといって質感が希薄なわけでもない。
ということは、現代的だということなのかな。
語り手の洒脱さも感じられます。
内容、とくに登場人物に関していえば、
記憶にある全てのキャラクターに、それが悪役だったとしても
過剰ないやらしさって無かったです。
良い意味で人間臭すぎないのでしょう。
悪く言えば、ちょっとみんな一面的すぎるきらいがあったかもしれません。
そうだとしても、だからこそ、主人公の銀河や脇役達に魅力を
感じるのでしょう。ときめきをもたらす魅力を持っています。
人間臭かったらこうはいくまい。
その場合は、徒労感や疲労感に付随する、ちょっとしたときめきっていう
ものにとどまるんじゃないかなぁって想像しますがどうでしょう。
恋愛でもそうですよね。中学生とか高校生とか、女子に幻想を持っていたり、
持たせらるような人のほうがときめきますよねぇ。
いや、そうでもないかな。何をしても、女子っていうものには、
男子をときめかせるポテンシャルが備わっているような気もします。
どうなんだろ、ごく浅い私見ですが、時代は、ポテンシャル勝負の時期と、
幻想をまとうことでの勝負の時期とを交互に繰り返しませんか。
みんながみんなそうなるってわけじゃないですよ。
そういう強弱がついたりしていないかなぁという気がしただけです。
と、話が脱線気味になってきたので、このへんで。
面白い小説でした。