Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『日本サッカーが世界で勝てない本当の理由』

2010-05-16 22:27:43 | 読書。
読書。
『日本サッカーが世界で勝てない本当の理由』 岡田康宏
を読んだ。

この著者の方は76年生まれで、僕のたった一歳上の人なんですが、
サッカーについてスッキリとしたもの言いで語ってくれて、
読みやすい本でした。そういうところ、見習わなくてはいけないです。
というか、タイプが違うんだろうな。

特効薬としての「勝てない理由」は書かれていないにしても、
けっこう明解な論旨なので、なるほど、そういう面に目を向けると
欠点が見えてくるのか、というのがわかります。
読みたかったのは、もっとつっこんだ技術論、戦術論だったのですが、
そこは別の本に譲るとします。

それと、読みやすい本ではあるのですが、引用が多いです。
つぎはぎの本という感じがしますね。
こう書くと敵を作りますが、大したことのないのに喋りたがりな
大学教授の本とかにそういうのがあったりしますよね。
解説や紹介という意味では良いのですが、
その人のオリジナリティを読みたかったりします。
って、そんな批判をするほど、僕のほうこそ大したことないですが…。

それと、脱線しますが、こういう興味深いことも書かれていました。
CDが売れなくなって、コンサートの売り上げが伸びたアメリカ音楽産業。
つまり、参加すること、複製不可能な体験をすることを一般の人は求めている。

で、ここからは僕がごっつあんゴール的に考えたのだけれど、
そうなったのはIT革命によるものなんだと思う。
複製可能なデジタルに注目して言っているんじゃなくて、
みんな、掲示板とかツイッターとかメールとかブログとかの書込みとかで、
参加するっていう面白味を知ったからなんじゃないかなー。
インターネットが普及する前や直後の雰囲気って、
そういう、コミットしていくことってダサいよね、って感じだったよなぁ。
一部の人だけやってりゃいいよ、っていう。
だけど、これ、10代の時ですから、今の10代もそういう感じだったりするの
かもしれないですね。でも、それが仮面を被っていることだったりするのかも。

話しは戻ってサッカーへ。
もうワールドカップが近いじゃないですか、1か月きりましたよ。
それでこの盛り上がりの無さはなんなんでしょうね。
東アジア選手権のふがいない成績と、続くセルビア戦での惨敗。
そういったものがしらけムードにさせているのでしょう。
もっと根深かったりするかな。岡田監督になってからそういう
方向に向いていったかもしれない。
これは代表ファンから言わせてもらえばかなりの危機です。
W杯の成績が大方の予想通りの3連敗で終われば、
多くの人の気力が萎える→代表離れ→Jリーグ離れ→
サッカーのマイナースポーツ化→W杯出場も困難に→
よりファンが離れ、育成にも悪い影響が出るという悪循環。
という流れが見えてきますが、いいやだなぁ、それは。
威勢の良い代表をずっと見ていたいし、そういう若い選手がどんどん
出てくると面白いんだけどなー。

というところで、どんどんため息に変わっていくので止めておきます。
オシム前監督は、W杯予選を突破してから本番までの3カ月が大事だって
言っていました。今の代表は…、トホホホ。
Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする